テラオにいさんの携帯写真
一昨年の4月初旬のことであった、震災から20日あまりで気持ちが落ち込んでいたが
大枝集落を散歩していて、前々から気になっていたお堂に立ち寄ってみた
林道の曲がり角に少し広くなった空き地がある、その直ぐ下に木々に囲まれてお堂が
しずかに立っている
その空き地の前は開けていて、京柱峠から土佐矢筈山あたりのやまなみがきれいに
稜線を描いているのを眺めて楽しんでいる
初夏からは下草が生い茂ってなかなか降りづらいのだが、春先は降り易いのもあって
写真に収めようと思ったのである
大抵のお堂や神社の扉は鍵が掛かっていて中の仏像を拝観することが出来ないのが
常でこのお堂もそうであった、仕方ないのでお堂の建物をカメラに収めてから
帰りかけると小柄なおじさんが現れて、訝しそうな顔をしながら、何か用かと
訊ねられた
仏像が拝観したいが駄目でしたというと、わしが堂守りをしている、鍵を
持っているから開けてあげようということで願ってもないことであった
このおじさんは直ぐ近くに住む0さんであった