集落の赤道をしずかに、ただただ、新緑の風、匂いが身体を吹きぬけて去るのを
心地よく感じて集落から集落を徘徊する
山里の暮らしの見える風景に誘惑され、お年寄りの労苦やよろこび、やさしさに
惹きつけられて、出会える方との雑談に時の流れを忘れ、気ままに歩くと、すべての
事柄をすなおに受け容れている自分をいいなあと感じてしまう
年とともに山里の暮らしに馴染んでくると、苦労の耐えない暮らしにどうしても惹きつけられて
生々しい生と死の混在する暮らしに生きるよろこびを、ただただ感じてしまうのだよなあ
臥せてゐし新茶淹れるや老ひとり