曇り空ながら、穏かな一日をぼくのわがままを受け止めた友と一緒に山を歩く
黙々と歩く、初夏の空気を身体に流して、ただ、もくもくとあるく、あるく
あうんの呼吸で、ぼくを見守ってくれながら、友はあるく、木々を調べ確かめて
今年、数え年で傘寿を迎えるぼくは、呼吸を整え、休み勝ちながら、もくもくと歩く
風景が、木々や草花が、すべてを受け容れて剥れていまがあるように、ぼくも身に
纏ったものをひとつ、ひとつ、、自然に剥れていければ、いいのになあ
ただただ、それを想いながら、かすかに聞こえるアカショウビンの切ない鳴き声を
時を忘れて聴く夕刻の山家にて