秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(若葉は続くよ・どこまでも〜)

2020年05月21日 | Weblog
雪の少なかった冬を通り過ぎ、
それでも若葉は、燦々と降り注ぎ、朝霧の隙間で、初夏の匂いを漂わせている。
それらは歓声を上げたいくらい、耀いているけれど、心はどこか覚束ない。

冷酷なウイルスが、投げかけた現実。
必要なものと、不必要なもの。
必要な時間と、不必要な時間。

様々な手当てが、打ち出されている。
昔と随分、変わった。
昔の母子家庭は大概が貧乏と決まっていたから、自助努力の元でも
進学なんて諦めざるをえなかったが、今の社会は少し違うみたいだ。

権利ばかりを主張し、忍耐が美徳とされた時代とは、異なる。
良いことなのか、悪いことなのか、私には分からないが、忍耐を経験した者だけが持つ
雑草魂は強く、中々折れない。ある意味、武器のひとつになる。

こんなにも人間は、様々な場所で交わりながら生きているのだと、つくづく実感しながらの、この日常。
公用車に積まれたゴーグルと、使い捨て雨ガッパは、まだ一度も使用されていない有難い現状。
出勤時間になると、ここ数ヶ月。偏頭痛が起きる。
感染リスクが高い仕事に、神経がギリギリになっている。

最前線で頑張っておられる医療従事者の方々に対し、わたしが出来る事は
自分自身の感染予防を徹底し、医療崩壊を防ぐ一端になるくらいだ。

……で、そんな日常。消毒剤で手がカサカサになり、醜くなったので
一回でも消毒剤を使用しない為に、買い物の際は使い捨て手袋を使用している。
誰が触れているか、全く判らないトレーに入った食品。
野菜や果物は、洗って食べるからまだ大丈夫だけど、それ以外の食品は要注意だ。

今まで、こんなに神経を遣って買い物をしたことが無いから
今まで色んな種類の雑菌と共存していたのかと、改めて免疫力って、エライ!と思う。

何処の誰が触っているかも知れない、トレーの中のお肉を真上から、じっと見下ろす。(お徳用、薄切り豚肉) 
長時間同じ場所に居ては、感染リスクが高まる。素早く移動するのが、最近の私の買い物ポリシーだ。

肉を見る。金額を見る。脂身の量。赤身の量。その微妙な割合を、即座に確かめるっ!
よしっ!右手に取り、買い物カゴに投入〜。滑るようにトレーが、買い物カゴに流れていく。

左側に移動しながら、チラッと右側を見た。
「えっ?こっちが色がキレイ?」
再び、豚肉を買い物カゴから取り出し、元の場所に戻す。

そして、別の豚肉を買い物カゴに投入するっ!もう、迷いは無いっ!
素早く、ヨーグルトのコーナーに移動し、ヨーグルトをじっと見つめる。
ちょっと違うメーカーを、試してみよう。腸の為にも、色んな菌を与えよう。
じーーとヨーグルトを観察して、「よしっ、このヨーグルトで決まりっ!」

右手にヨーグルトを取り、豚肉の上に着地!
素早く、移動しながらチラッと上の棚を見た。
「えっ?これって新発売?」
再び、ヨーグルトを棚を戻し、別のヨーグルトをカゴに投入する。
何処の誰が触っているかも知れない、食品売り場の商品。

その何処の誰かも判らない、無駄に触っている輩は、わたくしみたいな輩で御座います。スミマセン。
ごめんなさい。
緊急事態宣言は、解かれたけれど、国の要請に従い、自分の為に、誰かの為に、頑張って自粛。
会社の命令に忠実に、他県への外出は控える。

生命を前提にすれば、何の迷いも無く、実践できる。
日曜日の午後。若葉の山々に、響き渡るツーリングのエンジン音。
午後の静寂を裂くように、切れ間なく続く、エンジン音。どこのどいつじゃ〜

夕方。次女からのLINEが届いた。

画像を見る。なんじゃ?このオートバイ集団?
見たことのある 風景。

あのオートバイの音は、
隣の隣町からツーリングに来ていた
集団と、それに追従し、ツーリングデビューした次女だった。

母ちゃんは、思った。
「入る穴があったら 入りたい」

          かしこ




























コメント
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