秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷早春賦

2010年02月19日 | Weblog
佐野のとある寂しいところにひっそりと自然の一枚の風景に
溶け込もうとする廃家に出くわした。

佐野集落のDさん宅を訪ねて、里の江のことなどお聞きして
ふっと向かいに目を転じて茅葺き民家を見つけたが、遠目には
廃家だろうが、あまり荒れているようには見えなかったのだが。

佇んでわたしは息を呑んだ、あまりにも荒涼としている廃家は
もう生活の匂いさえ感じられない自然に帰ろうとする草と木の
欠片でしかなかった。

なかを覗いてみてその感はあたっていた、僅かにポスターに
あるかもしれない、住んでいたひとの匂いがしないでもない
何時の頃か家を捨てたのであろうか、どのような人物なのだろう
家族構成は、子供はいたのだろうか、どこで生活しているのか
故郷との絆はあるのだろうか、山に還りたいだろうな。

詮索したところで、どうなるものでもないが、この様な廃家を
訪ね歩くたびに、やるせない想いと荒涼とした空虚な気持ちが
わたしの体内を吹き抜けてゆくばかりである。

このところ山歩きからすこし遠ざかっているそのためかどうか判らないが
以前にも益して奥祖谷の廃家を訪ね歩くのが多くなったようだ。

廃家の前に佇むと、以前の住みびとが苦労したであろう生活に
想いをはせて、どこかで幸せに暮らしているであろうと
祈らずにはおれない。


雪解風 深山の廃家 崩れおる










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