30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

飲ませたい、飲ませたくない

2010-06-16 | 

5月に仙台の知人から、宮城の酒が3本が届いた。[綿屋・黒澤米純米吟醸][乾坤一・超辛口純米吟醸][佐藤農場の梅酒]。ラベルを見ながら「いい酒ばかり選んで贈ってくれたな」と感謝しながら眺めてばかりいる。私には垂涎の酒で、貧乏の私には過分の酒ばかりだ。応分の酒しか飲まないから、こんないい酒はもったいなくて眺めるばかりでなかなか手が出せない。貧乏人根性からいまでも抜けだせないでいる。しかし、せっかくの酒だからと、やっと6月になって栓を開けた。

その折も折、巣立ちした2人の子どもたちが(といっても30歳をすぎた)、やってきた。2人がたまに顔を出すと心おだやかではなくなる。私が飲んでいる清酒をこれでもかというほど飲み、この酒だけは少しは残してくれるだろうと思っている大事な酒までも一滴残らず飲み干してしまうからだ。

これはたまらないと、いつも「飲み過ぎだ。少しは体のことを考えろ」とけん制するのだが、酔っているから聞く耳を持たず、まったく効き目がない。親とはいえ、子どもの健康よりも、自分の酒のほうを心配している。ケチではないのである。自慢じゃないが、これが飲んべえの本領なのである。

宮城の酒3本を隠すわけにはいかない。「飲ませたいのだが、あまり飲ませたくない」。そんな気分があるから、いい酒があるから飲んでみるかと、先制攻撃で最初に1杯ずつ飲んでもらった。酔ってしまえばいい酒かどうかわからなくなる。味の違いが分かるのも3杯までぐらいだろうから。これが功を奏した? 

それではと身代りに次に出したのが買ってきたばかりの[月の井・純米]。これは前回紹介したように、切れがよく、すいすい行ってしまう。「うまいなあ」とそれでまた買ってきてもらった酒だ。最初から最後まで飲んでも飽きない酒で、それを証明するかのようにとうとう1升瓶をすべて飲まれてしまった。

災難がらうまく逃れた宮城の酒3本。味が乗ってきてうま味が一段と広がるようになった。その味をかみしめ、慈しむように飲んでいる。


      


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