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川越市立博物館の入口の庭に、霧吹きの井戸と呼ばれるものがある。
白い四角い石の上に、竹を編んだ蓋がかぶせてある。
そばの案内版にはつぎのように記されている。
「昔、川越城の片すみに、霧吹きの井戸と呼ばれる井戸がありました。いつもは井戸にふたがしてあり、敵が攻めてきて城が一大事という時にこのふたをとると、中から霧がたちこめ、たちまち城を包み隠してしまったといわれています。川越城は、こうした伝説から一名「霧隠(きりがくれ)城」とも呼ばれました。」
「川越の文化財 第91号」で、宮岡正一郎さんは、
「この井戸も私達の若い頃(昭和十年代)には、今の武道館東下の萱場の低地にあったのを記憶している。」
と書かれている。
私には、初雁球場の三塁側スタンド裏の低地にあったという記憶があるので、何度か位置を変えながら、現在の場所に置かれたようだ。
もちろん、井戸の穴まで移動することはできないので、現在の井戸のふたは開けて見ないほうがよい。
・霧吹きの井戸