コンクリートで護岸され、白い柵で囲まれている。中ほどの岸が池の中へ入り込み、全体としてコの字形になっている。その出っ張った岸には、鳥居と小さな社があり、松と桜が植えられている。
岸へ近づくと、餌をもらえる思ってか、魚たちが寄ってくる。
この池は「梶原の池」といい、次のような伝説がある。
「あるとき、源頼朝は那須野へ狩りに行っての帰路、池辺あたりまで来た。
人間も馬も疲れていたが、余興として、主だった家臣と馬の疾走競走を始めた。
ところが、頼朝の馬が途中で悲鳴をあげてしまい、やむをえず競争を中止して、休ませることにした。
池辺一帯は、梶原平蔵景時の所領で、地理をよく知っていたので、頼朝を清水の湧き出る小さな池へ案内した。馬に水を飲ませたり、冷たい水を何回もかけて足腰を冷やしてやると、馬はすっかり元気をとり戻した。
ふたたび競争が開始され、頼朝は最初から出足よく、ぐんぐん他を引き離し、とうとう優勝した。
喜んだ頼朝は、これはきっと、さきほど馬を休ませた池の水が、きいたからに違いないと、愛用してきた馬の鞍を沈めて感謝の意を表し、あわせて武運長久を祈ったのである。
だから、この池の底には馬の鞍があって、池の主となっていると信じられており、それ以来、「梶原の池」と呼ばれるようになった。」(新井博「川越の民話と伝説」)
最新の画像もっと見る
最近の「伝説を歩く」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- 川越散歩(524)
- 散歩写真(510)
- 川越の四季(花・木・自然)(706)
- 川越の桜(153)
- 川越動物誌(201)
- 庭の花・実(127)
- すき間に生きる(51)
- 空と雲(6)
- 行事・イベント(81)
- 碑文を読む(24)
- 文学碑を歩く(7)
- 説明板を読む(34)
- 伝説を歩く(12)
- 石仏・石像・狛犬(14)
- 伊佐沼(37)
- 時の鐘(13)
- 町まちの文字(43)
- マンホールのフタ(15)
- 街中アート(20)
- 火の見櫓の風景(44)
- ポストの風景(9)
- 街の時計(7)
- 三十六歌仙額(36)
- 案山子(かかし)(51)
- 川越駅西口(89)
- ふれあい拠点施設(60)
- 川越の端っこめぐり(138)
- 赤間川・新河岸川下り(112)
- 安比奈線(40)
- 街道を歩く(12)
- 落し物・忘れ物(15)
- 現代の妖怪(6)
- PCでお絵描き(6)
- ホームページ(3)
- 川越関連本(34)
- 小江戸川越検定試験(36)
- その他(13)
バックナンバー
人気記事