ささやかな夢。

家の近所になじみの
寿司屋さんがあります。

以前は来訪客があった時や
なにかのお祝いなどで

家に出前をお願いすることが
多かったのですが

最近は店に行くことの方が
多くなりました。

カウンターに座り
その日のネタを「ネタ」にして
ご主人のウンチクを聞く。

おおお。ナマコだ！

最近よく入るらしい。稚内だと。

コハダにホッキ。ヤリイカ。

お酒を運んで下さる奥さまと
天気の話や近況の報告をしたり。

さてと。そろそろ
握ってもらいましょうか。

大トロの中オチ。イクラ。

おいおい。美味そうだね。

ぼくには赤貝を。

うぁ。美味い。ひとつ食べて。

ハイ。いただきます。

あ。

いいなぁ。Woo Nee。

ひとつちょうだいよ。

えええー？
お父さんも頼めばいいっしょ。

まぁまぁまぁ。

江戸前アナゴ。

いい仕事してる。これでなきゃ。

スミマセーン。

お銚子、もう一本つけて下さい。

こうしてしょう油たらして。

北海道ならではだ。

ちょっとォォ。

注がれるばかりじゃなくてさ、
オレにも注いでくださいよ。

スンマセン。はい。はい、どうぞ。

どもども。


ところで仕事の方、最近どうなの？

すごく面白いですよ。

ほう。そりゃいい。

成績も良くてね。こないだ表彰された。

ホントにィ！？スゴイ！

でしょ。


あぁ。

でもな。

それはな、

お前ひとりの力じゃないんだからな。

ハイ。わかってます・・・。


こんな話をしながら息子とサシで飲む。

こんな日が来るのを

オレはずっと待っていた。kyokukenzo