ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

染めのまち落合 お散歩しながら。

2007-10-21 15:32:04 | 職人芸
落合は、東京の中の染め物の町だそうです。
全く知りませんでした。
二つの川に挟まれた地形、
水で洗い流す作業が重要な、染め物業が集まったのだそうです。
染め屋さん、悉皆屋さん、染み抜き屋さん、湯のしやさん
いろいろな、染め物に関わる小さな工房がたくさんあるのだそうです。
看板はだしてい無いのだそう。
なんだか、密やかで、いいですね。

4件の工房の中や、実際の作業を見学できる
スタンプラリー。
江戸友禅から
江戸小紋、
湯のし
江戸更紗
と見ました。

江戸小紋では、染めに大量のおがくずを使うのでビックリ。
型紙で糊置きは知っていましたが、こんな風に染めるなんて、全然知りませんでした。
染め上がった後、型の継ぎ目を手作業で修正するんですって。
すごいですね。
本物の江戸小紋は、高い訳です。

湯のしも面白かった。
一人で作業出来る機械なんですね。
昔は二人ががりだったのですね。

帰りに川沿いのパン屋さんのカフェに寄りました。
スワンベーカリー。
すてきなロケーションと天井が高くて窓が大きくて気持の良い建物。

楽しかった。
勉強になることが、まだまだたくさん。



町田国際版画美術館

2007-10-14 22:16:55 | art
小田急線町田駅を降りてしばらく歩くと
大きな公園に出た。
広場あり、せせらぎあり、大きな水をステンレスの噴水オブジェがあり
町田市民の憩いの場所のよう。
ちょっとした森の感じ。
近所にこんな公園のある生活って、豊かだなと思いながら奥に行くと
立派な建物の美術館。

こんなに立派んなんだ。
町田市ってお金持ちだなあ。

版画を趣味としているので、前から来たいと思っていた。
今やっていた企画展は
「木版画 東西対決」
西洋の木版画と、日本の木版画を対決形式て展示。

古いヨーロッパの木版画、ビックリしました。
木版画は浮世絵の技術にはかなわないだろうと思っていたのだが
どっこい、もの凄く細かい。
ここまでも彫るか?というくらい。
銅版画かと思うくらい。
ただし、油性だろうから、摺りの技術は日本が独特だろうと思う。

小口木版は更に細かい。
目を細めてみている感じ。

題材も歴史や宗教だけでなく、
町の光景など、印象的なモノトーンの世界。
光と陰の扱いが日本とちがう。

GILL SANS で有名なタイポグラファー、エリック・ギルの版画が2点あった。
ギルは彫刻職人出身のはずだから、木版画も制作しただろう。
ギルの文字に通じる印象だった。

館内はかなり広く、展示スペースも充分ある。

たくさん見た、お腹一杯になった。

もっと近ければ、通いたいが、町田は結構遠いなあ。

BIOMBO 屏風 日本の美 展

2007-10-08 11:19:58 | art
サントリー美術館がリニューアルしてから、やっと行けました。

東京ミッドサイトの3階にあり、
同じ階に wisewiceがあって、ちょっと眺めてみたりしました。

2フロアあり、以前のサントリー美術館よりも随分広く、ゆったりとしたスペース。
ミッドタウン自体の建築がそうですが、木がふんだんに壁面や床材に使われていて
サントリーホールを思い出します。
思わず手を叩いて音響を確かめてみちゃいました(響くはずないけど)。

BIOMBO 屏風 日本の美展
大きな屏風ばかり、これだけ集まると圧巻です。
狩野派から、琳派、南蛮屏風、水墨画、山水画、草木図さまざまです。
屏風ばかり並ぶと、表装が気になります。
個性的な布地を使った表具もあり、ちょっと目立つかな?と思ったり
とてもしっくりなじんでいるいい表具もあり。
直したばかりのピカピカのものもあり、かなり布地が痛んでいるものもあり、
あまりピカピカでも、落ち着きません。

出産の時に使う、白絵屏風を初めて見ました。
雲母と胡粉のみで鶴松(だったような?)絵が描かれていて
異様な感じ。印象的でした。
祇園祭図や、合戦図や、洛中洛外図をみて
同行した友人が「これ、こういう風景を見て書いた訳じゃないよね?どうやって描くんだろう?」
との疑問を投げかけられ、そうだよなあ。想像で画面を組み立てたのだろうけど、よく考えるとスゴイな。

東山魁夷の描いた
今上天皇 大嘗祭の記念屏風がありました。
これはどう理解すればいいのかしら?と少し悩みましたが
出口で図録を見たら、六曲一双(当然か)で対のもう一つを見て
一双でみたら何となくわかるかも?と思いました。
この屏風が後世に残るって、どうなんだろう。私にはちょっとどうなのかわかりません。

やはり日本画の屏風や掛け軸という形態というのは
合理的だな、とおもったのです。