ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

【世の中は、いつも忘れっぽいから記録メモ】武雄市図書館CCC委託条例可決

2012-06-29 15:13:03 | 気になる出来事記録メモ
今の世の中は、情報があっという間に伝わる超スピード社会なので、
ひとつの事件や出来事が拡散するのも早いけれど、忘れられるのもとても早い。

私個人でも、毎日毎日いろいろなことが起きて、いろいろな情報を見聞きして、処理しきれないうちにどんどん忘れて行ってしまう。
忘れてしまうことは、それだけの意味しかなかったんだ。と昔は思っていましたが
最近のスピードを考えると、忘れてはいけないことも、どんどん忘れて行くのです。
そんな自分自身と世の中に危惧を抱いたので

気になったことは、こまめに記録しておこうと思いました。
そして、気になった私にとって大事なことは、ずっと追いかけてみようと思いました。
現代は情報を自分の意思を持って自分で取りにに行かないとダメです。
意識して取りに行かないと、ただ怒涛のような潮流に流されてしまうことに気づいて戦慄したのです。

少し前からの報道で気になっていること

☆武雄市が、市立図書館の運営をTUTAYAを経営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」に経営を委託する条例案が武雄市議会で可決

佐賀県武雄市図書館に指定管理者制度を導入する条例改正案が可決
Posted 2012年6月22日


2012年6月21日の佐賀県武雄市議会で、武雄市図書館に指定管理者制度を導入する条例改正案が可決しました。7月の臨時議会でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社を指定管理者に選定する議案が提出される予定と報じられています。同館の構想については、樋渡啓祐市長から、利用者は従来の図書館カードと「Tカード」を選択できること、Tカードを選択した場合でも利用者が借りた本のタイトル等の貸出履歴はCCC側に提供されないことが示されています。

条例改正案を可決 武雄市図書館ツタヤ委託計画(佐賀新聞 2012/6/21付け記事)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2231397.article.html

貸し出し履歴提供せず 武雄市図書館、ツタヤ委託(佐賀新聞 2012/6/12付け記事)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2222748.article.html

図書館論争終わった感じ(武雄市長物語 2012/6/12付け記事)
http://hiwa1118.exblog.jp/16040067/

参考:
日本図書館協会(JLA)が「武雄市の新・図書館構想について」を公表
http://current.ndl.go.jp/node/20984

図書館問題研究会、佐賀県武雄市に対する要請「新・図書館構想における個人情報の扱いについて」を公表
http://current.ndl.go.jp/node/20969

佐賀県武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が同市図書館・歴史資料館の企画・運営に関して基本合意を締結
http://current.ndl.go.jp/node/20784


武雄市は私個人的にも思い入れのある土地なので、余計に気になりました。
家族の実家の隣の市です。有名な温泉地ですがのどかな農村、いわゆる田舎の町です。私は何度も訪れています。

そして、CCCはTUTAYAを経営していますが、最近「代官山蔦屋」が大変話題になっていて、多くのマスコミやWEB上で文化の薫り高い取り上げられ方です。単なる書店の一業態がっちょっと目新しいだけなのになんなの?という気持ち悪さを感じていたのです。

何より、図書館の貸し出し履歴が、商用利用される可能性があることに不気味さを感じます。
最近WEB上の「読書メーター」を使いだしました。読みたい本を探したり、興味があると思った本の備忘録にいいかな?
と軽い気持ちで使い始めましたが、多くの人が自分の読書履歴を公開している様を見て、空恐ろしくもなりました。
どんな本を読んで、どんな本が好きか、というのは、とてもプライベートで知的水準や思想傾向、考え方、価値観などがすぐにわかってしまう、恐ろしい情報で、それを集積して大きなデータにすると…

そこで、現在超速スピードで社会が向かっているビックデータ社会についても、恐ろしくなったのです。

アイロンのかけ方 教えます の店

2012-06-23 20:30:58 | 職人芸
私の生活圏は下町にすっぽり包まれているのですが、一口に下町と言っても墨田、台東、江東、足立、荒川のどっぷり下町から
中央区も半分くらい、文京区だって一部はまごうことなき下町です。

そう考えると、下町(庶民の住む商業圏およびダウンタウン)はかなり広いし、当然アソコの下町とココの下町では街の感じが違います。

朝から強い雨が降る休日の朝、私の住む町からは川を隔てて向こう側、江東区深川に遊びに行きました。
深川の商店街にある、昔ながらのクリーニング屋さんを見学しに行ったのです。

今や、街のクリーニング屋さんは、クリーニング工場の取次店のチェーン店がほとんどで
そこのお店1件でお仕事している町場のクリーニング屋さんというのは珍しいのだろうと思います。
私の家も下町なので、そのお店でお仕事をしているクリーニング屋さんが近所にあって、いつもお願いしていますが
そのお店の近所に大手クリーニング会社の取次店がたくさんあり、料金も安いので、個人のお店の商売は大変だろうと思います。
でも、実際に洗濯したりアイロンをかけたりしている職人さんがが接客もしてくれるようなお店の安心感は代えがたいものがあります。

見学に行ったのも、そんなお店でした。

ご夫婦で切り盛りされていて、旦那さんがアイロンかけを見せてくださったのです。
というのも、
「アイロンの掛け方教えます」という貼り紙が店頭にあったから。






私と友人がお店を訪ねた時は、ワイシャツを何枚も何枚も、アイロンをかけている最中でした。

重たいアイロンを使いこなしてワイシャツに向かいながら、私たちの質問に答えてポイントを教えつつ、世間話にも花が咲きます。
アイロンは体が覚えているから、気にしなくっても手が勝手に動くのですね。
職人仕事というのはそういうものだろうと思います。

手仕上げのクリーニング屋さんに出されるワイシャツは、お仕立てされた高級品が多くて、さすが…と思いました。
生地も縫製も立派なワイシャツの山。



こういうワイシャツを毎日着る人にためにも、機械プレスではない手作業のアイロン掛けのお仕事もやっぱり残ってほしいのです。
技術や文化は、川下からすたれていくものです。川下というのは「程度の低い」という意味では全くなく、下支えする末端の方面というような意味です。
洋服を取り巻く技術でも、川上は、天然繊維を育てる畑から、糸を紡ぐ、生地を織る、染色する、デザインする、縫製する~…そして
お洗濯をする、メンテナンスをする、リサイクルをする、と川下へ。

立派なテキスタイルや、デザインがなされても、それを洋服にする縫製、洋服として着続けるためにはクリーニングや修理が
安泰ではないと、衣服の文化として成立しません。
往々にして、デザインの技術が残っても、生地を織る技術、メンテナンスの技術が先に無くなってしまった、というようなことが
あらゆるモノづくりの現場では起こります。
どの末端や先端の技術が無くなっても、ぞの文化全体の崩壊につながるのですが、なかなか均等に維持することが難しい事情がいろいろあります。

このステキなクリーニング店も、後継ぎさんは居られないとのこと。
この高級なワイシャツはみな、いずれ行き場をなくしてさまよう運命なのでしょうか…
そうして、日本人はワイシャツをお仕立てすることも無くなっていくのでしょうか…