ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

佐渡を版画の島に

2009-09-28 04:04:25 | Weblog
佐渡に行きました。
東京から新潟まで新幹線で二時間半、フェリーで二時間、そんなに遠いという感じもなく、佐渡に着きました。

今回の主たる目的は


佐渡版画村美術館


版画家で高校教師だった故高橋信一氏が「佐渡を版画の島」に、という構想を持って、島民に版画を普及させ 

そうしてできた佐渡版画村は旧相川裁判所(旧相川町文化財)の建物を借りて、佐渡版画村美術館として開館したのです。

島の人々200名を越える版画村会員たちが「佐渡を彫る」をテーマに身近な生活の道具をはじめ、佐渡の暮らし、風景、芸能などを主に木版画によって、素朴に力強く表現しました。
 
 版画村美術館は1984年の会館以来、会員の版画作品の展示、会員による特別展(個展、グループ展)の開催、高橋信一の作品の展示等を中心に運営し、小中学の修学旅行生の版画体験学習、「版画村まつり」開催しています、

なかでも「全国高等学校版画選手権大会」
は、版画甲子園と呼ばれ、高校生が三人ひと組で、三日間で大きな作品を仕上げるというもの。

その入賞作品を展示する部屋を見ましたが、どの作品も若さとスピード感にあふれ、伸びやかな楽しさに満ちていました。

高校生が、三日で作品を仕上げる様子が見たい!
受付の方聞くと毎年三月に行われ。制作見学は自由とのこと。
ぜひ見てみたい。

島民会員の作品も、高橋信一氏の作品も、魅力的で、購入できるようです(価格が付いていました)買えない価格じゃない、版画ですから。欲しくなりました。

建物は木造の旧い裁判所を利用したもの、歩くと軋むような廊下がなんとも郷愁を誘い、作品がたくさんあることもあり、ゆっくり長居したくなる。
芝生の庭も、庭のブランコも、のんびりしていて、
ゆっくりお弁当を広げたい感じ。

来年の三月にまた来よう。

弥姫乎さんとダブルネーム

2009-09-20 06:54:29 | 独立起業
鈍色舎の、最初の商品が完成しました。
ここまで長かった…

第一弾は、洋服です。

来春夏コレクションとして出しますが、浅草で一人で頑張っているブランド弥姫乎さんとの共同開発。

着物を意識したデザインが、とても上手です。

麻布、それも上布という高級素材なので、羽衣のように軽くて、うっとり。

モノトーンで強い印象の弥姫乎さんの通常のラインナップよりも、色も明るくかわいらしくなりました。

着物地であるということが表現できているデザインですし、
モダン、シックにできたので、幅広い年齢の方に着ていただけたらいいなあ。

若い方にはカッコよく、年齢の上の方には、かわいらしく着ていただけそうです。

どれも自分で着たいものばかり。
嬉しいです。

商品カタログをつくのも、気合が入ります。

カタログは、ヴァイオリニストさんをモデルに、
見て楽しいもの、読み物として手元に置きたくなるようなもの
を目標に、作成します。

楽しみだなあ。

ダビデ’s Bag その2

2009-09-18 20:08:08 | 職人芸
ダビデくんが、写真家の皆さんと工芸品のコラボの展示会に出展中

写真にとても関心がある今は、写真の作品も見られて、お勉強になりました。

フォトグラファーの方々は、和紙にプリントしている方が多くいて
惹かれました。

和紙の温かさと、モノクロ写真のクールな感じが、とても合うと思いますので
和紙プリントは好きです。
雲流の繊維の入った和紙にプリントしている方も。
繊維の粗さが、もっと掠れた感じとかになって出ているとよかったかな~と思ったり。


さてさて、ダビデ君のメッセンジャーバッグ

たくさん並んでいると、どれもデザインが個性的で、一点ものだと思うと
欲しくなります。
デザインや色遣いが、彼の作品は、あたたかい。
クールなイラストのプリントを使った作品も、なんだか体温を感じる。

彼にかばんを持ってもらったら、
あまりにもピッタリはまってカッコいい。
さすが作った本人は着こなしがうまいわけです。

バッグを背負って颯爽と自転車に乗ってたら、もっとカッコいいだろうなあ。

もう、バッグ作りに専念して3年になるとのこと。仕事は順調に増えているご様子。

彼にはぜひがんばってほしいけど、秘密の宝物にしたい気もする、ダビデ君のメッセンジャーバッグ。

色々やりくり

2009-09-14 23:48:02 | 生活改善プロジェクト
今年の4月から、家計簿をつけま始めました。
チマチマとレシートを手帳に転記していたことも少しだけありましたが
ちゃんとつけるのは、小学生の時の「おこづかい帳」以来かもしれません。

なぜつける気になったかというと

Web上で(クラウドという奴でしょうね)付けられる。これが月次集計等をすべてしてくれて、csvでエクセルにも落とせて、とても便利だったからです。
これで私のプライベートな財産管理は世の中に筒抜けなのでしょうが…

もうひとつ
フリーで仕事をするようになって、お金の管理が必須になったのです。
事業の管理もしなければならないのに、プライベートすら管理できていないのは
問題外、と思ったから。

実際、毎月どのくらいのお金をどのように使っているのか、よく把握していませんでした。

最初の月は、支出の多さに愕然。驚愕といってもいいくらい使っていました。
これでは、多少の収入があっても、貯えが減る一方です。
事業にお金を回すことを考えたら、余裕はほとんどありません。
将来の蓄えも、なくなって行くことも否めません。

支出で以前から気になっていたのは
食費です。一回の買い物に2000円以上使っていると単純計算でも6万円かかります。
二人家族の食費に6万円は、多すぎます。
毎日の買い物を2000円以内にする。
それが最初の目標でした。

献立が若干変わりました。
その日に安いもので、夕食の献立を考えられるようになりました。
そうなると自然と、旬の魚、旬の野菜が安くなるので、食卓に上ります。
旬のものを食べるのは、色々な意味で理にかなっていると思います。

それから、何を優先するかも考えるようになりました。
お味噌は無添加の少し高いものを、インスタント珈琲や紅茶は安いものを、
でも緑茶はおいしいものを飲みたいので1000円/100gのものを。玉に買うチョコやスナック菓子は100円のものでいい。
私が高品質を譲れないこと、品質を気にしないもの、を意識するようになりました。

ただ、闇雲に安さだけを求めるのは、疑問に思います。
生活それ自体を楽しむことが、余計なレジャー費をかけるよりいいと思うからです。だから大切なもののクヲリティーを下げないものは下げない。
気持ちの余裕に必要なら、なくてもいいけど、切り花を飾る。
珈琲でリラックスできるなら、いい帰る範囲で珈琲豆を。
器も気に入ったものを少しずつ。
洋服は手作りできれば、もっと嬉しいし楽しいかも。
でも仕事に必要なきちんとした仕事服は、デザインも吟味して相応しいものを。

そういう生活で、つつましく、でも豊かに暮らせたら、と思います。

今、毎日の買い物は1000円台に収まっています。食卓がさびしいわけではなく、無駄に残して捨てる量が減ったように感じています。

ふつうのことを続けるために

2009-09-13 05:29:14 | 職人芸
ある職人さんが、ポロリとおっしゃたことが
ずーっと心にひっかかり、気になっている。

「普通のものを、普通に作ることでは、今の日本では生きられないんでしょうかねえ」

普通のものを日本人が作っても、コストの(人件費の)安い海外生産のものに負けてしまう、日本人がモノづくりをし続けるためには、とても難しいことや、先進的なこと、斬新なこと、ほかの国ではできないことをし続けないならない状況にある。

技術を習得するには、時間も労力も必要で、ましてや今の日本では、自分の手でモノを作るという仕事を選択したなら、机上やバーチャルな世界で書類を作ったりモノを売ったり買ったりする仕事よりも、モノ作りの職人として最低限必要なレベルの技術を取得することすら、大きなパワーを必要とする。

それだけ、「職人として必要最低限のレベル」が日本は高い、だから高品質のモノづくりができる。
でも、そういうレベルの高品質は、なかなか分かりにくく、簡単に「安い値段」に負けてしまうのも事実。

高い品質のモノづくりを維持していくためには、
冒頭の職人さんが溢したような
「普通のものを普通に作って、普通に生活できる」
ことが、とても大切なんだと、いまさらながらに気がついた。

モノづくりの光る日本でいるために
「まいど1号」を作ったり
世界でここしかできない、高細密な技術を持ったり
世界の最先端の研究をしたり
新しいアイディアを具体化したり

そういうことを続けることとが、日本がモノづくりで生きていく道だと。
それが成長であり健全な向上心だと、私も考えてきたけれど、

もっと足元を見るべきだった。
足元の普通のものを、丁寧に作る。
日用品を昔ながらの技術や材料や方法で作る。
普通のものを、連綿とつなげていくことも、とても大事なこと。

いまや、昔のものは品質が高かった。もう再現はできない。というのは、モノづくり職人の世界では当然の事実。

最先端の技術発展を引き換えに、そんな身近なもの技術のレベルを、今よりも更に落としていいのか…

どうしたらいいのだろう。
私のは何ができるのか、ずーっと考えているが、まだ何も答えらしきことは思い浮かばない。

晩夏の選曲

2009-09-07 22:46:11 | art
山梨県北杜市で行われた、ヴァイオリンリサイタルへ
行ってきました。

北杜市って、どんなところだろう?
山梨県に行くのは久しぶりでした。

新宿駅で特急「かいじ」に乗り込んでワクワク。

甲府から、各駅停車に乗り換えて、長坂駅へ。
わー、なんて懐かしい感じののんびりした山間の駅

ヴァイオリンリサイタルは
「カナダからの贈り物」

ヴァイオリニストのマヤ・フレーザーさんはカナダ人のお父様をお持ちです。
ピアノのアンジェラ・パークさんは、カナダからつい二三日前に来日されたばかり、とのこと。

ラベルのピアノソロ
組曲 鏡 より

ヴィヴァルディ 四季より 夏

ドビッシー ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

ヴォーン・ウィエリアムス グリーンクリーブスによる幻想曲
             揚げひばり

うーん、夏の終わりに、ラヴェルやドビッシーの透明感はとても似合います。

ピアノとヴァイオリンの掛け合いが美しいドビッシーのソナタ。
どちらのアーティストも、消え入るような細密な音が折り重なって
それまでざわざわしていた会場も、ピンと張りつめて静かなったくらい。

揚げひばり という曲は、はじめて聴きました。
なんて、素敵な曲。20世紀な旋律ですが、難解ではありません、心地よい境地に誘ってくれる曲、お二人の個性に合っていたのではないかしら。

早い時間から始まったので、終わってホールを出てきてもまだ薄暗いくらい。

ヒグラシが鳴いていました。

空がきれいでした。



紙布と上布

2009-09-02 21:32:23 | 工芸
仕事関係です。

布を織る技術は、日本が世界一ではないかとひそかに思っています。

麻も和紙も、ビックリするくらい繊細な織物にしてしまう。
麻=リトアニアリネン と思っている方、日本の麻織物を見てください。
リネンとラミーとヘンプは違う織物です。麻はリネンだけではないのです。

和紙が布になる…丈夫なの?濡れても大丈夫?…全然大丈夫なのです。和紙の繊維は長く強くその繊維が和紙になるともっと強くなります。


紙布作家 木村素子さん の個展が開かれます。
9月9日から12日 12:00~19:00
神田小川町 ギャラリー TEORIYAにて

帯にした紙布作品が多く出品される様子です。
帯は、工房に伺った時たくさん拝見しました。
どれも砧打ちされていて、絹のような滑らかさと光沢です。

木村さんは、古紙(昔の反故紙)から糸を紡ぎ、個人で紙布を織っておられる、貴重な方。
古紙の墨跡が糸の模様となった紙布は、ため息の出る美しさです。
和紙を裂いて、糸に績んで、布に織る、気の遠くなるような、忍耐強い作業です。
だからこんなにしなやかで温かい布が生まれるのか。

木村さんは紙布のみならず、麻や綿、インドやジャワなどいろいろな古布のコレクションも膨大にお持ちです。工房はまるで博物館みたい。

貴重なお写真が染色のお仲間かしら?のブログにありました。

http://someiroiro.exblog.jp/5430841/



上州岩島麻、阿波の藍、近江上布の展覧会
9月20日から27日 11:00~18:00
渋谷 三木武夫記念館 にて

麻挽き体験
苧績み実演
藍染体験
機織り実演体験

もあり、興味津津。

三木武夫のお屋敷?も興味津津。記念館があったのですね~さすが。