ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

台風2号 五月雨

2011-05-29 23:18:23 | 生活改善プロジェクト
台風が近づいてくると、いつも体が、頭が、重くなる。
低気圧に弱いのだと、自分で勝手に思っている。本当のところはわからない。

昨夜から、どこということなく、体の調子が悪くて
今朝の目覚めは体全体の痛みと、軽い頭痛から始まったのだった。



今日は、本来なら一番快適な季節のはずの5月中旬、
各地であれもこれも魅力的なイベントが目白押しの日で、
おまけにしなければならない仕事もいくつか気になっていて、

忙しい一日のはず、だったのに
今日は休めと体が言っている、と判断して
全部やめて、なにもしない日、にした。



先日伯母に会った時、探していると言っていた本が昨日買えた
平松洋子「サンドウィッチは銀座で」

パラパラと目次を見ると、面白そうなので
近くの珈琲屋さんで珈琲を飲みながら、読み始める。

食べることについてのエッセイ、知っているお店、
ああ、あそこは知る人ぞ知る隠れた名店、というお店が出てきて面白い
文章も軽妙で読みやすい。

家に帰って、おやつを食べながら
そして、
こういう日は料理に限る、(私にとって、一人の料理は、気分は落ちているときに、とても効果的なリラクぜーション)
と思って、ひじき豆、りんごのコンポート、簡単ザワークラウトを煮ながら(煮ものらしきものばかり)

最後まで読み切る。

そういう時間を過ごして一日、

ああ、こういう普通の時間、自分にとって大切なんだ、
一人で本を読んだり、珈琲を飲んだり、おやつを食べたり料理をしたりする、そういう時間

その時間を有効に取ることで、創作的な活動も出来るのだな。

あの震災から、なぜか私は色々なことを急いで詰め込んで

きっと、不安だったせいか、何か意味のあることをしなくっちゃという切迫感に追い立てられるように

次々に活動を詰め込んで、息がつけなくなっていたようだ、と、気付いた。

普通のことが普通には出来なくなった、日常が非日常になった、震災後の日々。
「普通のこと」の意味ばかり考えてきた。
「普通であること」の大切さと難しさと、そして自分にとっての「普通」スタンダードは何か?と問い続けて
自分の立ち位置はここ、と決めたいと思っていた。

今日、台風と大雨と低気圧のおかげで、私は「普通」の意味をすこし理解できたような、一日だった。

お腹がすいて おいしいライオン市

2011-05-28 16:21:43 | おいしいもの
関東も梅雨入りと聞いて、ええ~!もう?
と思ったのですが、本当に今日は梅雨らしいしとしと雨です。

雨の日は、空気が重たくて、体が重たい。低気圧に反応しているのだと自分では思っています。
今日は久しぶりの自由なオフ、体も気分も重たいまま一日を過ごすのは、もったいない気がして

浅草雷門の近くの古いビル「ライオンビル」
昔銀行だったという、コンクリートの重たい建物を白くイノベーション、
朽ちているけれど天上も高く、静かで明るい雰囲気で、ファッションや画像の撮影などに使われていますが、土日はカフェになったりイベントをしていたりします。

土日カフェにはたまに行くのですが、今日明日はおいしいライオン市というフードのイベントでした。

1Fでは、天然酵母パンや焼き菓子など、会津の食品、ジャムなどのお店が並び、どれも美味しそう、あれもこれも食べてみたくなりますが、お腹は一つしかないんです。全部は食べられないので、どれを買おうか迷いに迷って
人で混み合う会場をぐるぐる。



2Fはカフェコーナーで、キーマカレーとワンプレーとランチがある。
12時より前にカフェコーナーに入ったので、席に付けました。

ワンプレートランチを注文すると、メニューのレシピを印刷したものをくれました、
スナップえんどうに添えられた豆腐ディップも、味付けひじきも作ってみよう。

ごはんは、雑穀米のごはん。

でも、せっかくの、ご飯とおかずらしいおかずの組み合わせ、
小さいお椀でいいから美味しいお味噌汁も欲しかった!と思いました…が、ランチもおいしかったし
盛り付けや、献立の組み合わせを、人をお招きしたときごはんの参考にしよう
という収穫も。レシピもいただけたので尚更です。

もう一度、1Fをぐるぐる回って、和菓子と、焼き菓子を。
和菓子は、クランベリーのお砂糖菓子と練り羊羹「オレンジ」「黒糖とイチジク」

焼き菓子は、綺麗な黄緑色に目を奪われて、
「枝豆とクリームチーズ」、「ズッキーニとパプリカ」の甘くないパウンドケーキ
生姜の甘いパウンドケーキも。

規模はちいさくても、食べることや食べ物を作ることが好きな人が、それぞれいろいろ工夫や趣向を凝らして、今までなかったものを作っている現場に触れることは
なんだかとてもエネルギーに満ちているし、みんな頑張っているんだ、と力強思えます。

みんな自分の身の回りから、少しずつ前に進んで頑張っているんですね。

そして、会場の一角で売っていたガラスの器を、夏の食卓を少しは涼しげに工夫しようかな?と殊勝なことを思いついて、数枚買いました。

ライオンビルを出てからも、雨はずっと降り続いていて

予定の買い物をして回って、夕方前に帰りついたら

ワンプレートランチでお腹いっぱいだと思ったはずなのに、やたらとお腹がすきました。

今日は多くの人のパワーに触れて、自分もパワーを消費したんだな、と妙に納得がいったので、おいしい戦利品でおやつにしました。




珈琲三昧

2011-05-25 22:54:06 | Weblog
札幌に行きました。1泊の駆け足でしたが
用事の合間を縫って
いつもはなかなか行きたくても行けなかった、ところへ足を延ばしてみました。

行きたくても行けないところ、それは、札幌市内に散在する素敵な珈琲店。

私は、ある種中毒なくらいの珈琲好き。

そして、喫茶店好き。

飲んベえが、酒場、居酒屋が好きなのと同じだと思います。

1杯の珈琲の為に、好みの珈琲を出してくれることはもちろん、インテリアも店員さんも、自然で居心地がいい
自分好みの空間で自分に還れる時間を過ごすことができる
そんな珈琲店を、いつも探しています。

札幌にも何件か昔からそういうふうに好きだった珈琲店があり
未だ開拓中…札幌でも東京でも京都でも。好きな都市では、落ち着く珈琲店をまずさがします。

1件目 北地蔵 時計台の裏手にあります。





ゆっくりくつろげる、使い込んだ木調の店内。
京都の町屋、鰻の寝床のように、間口の割に奥に長く深い。
カウンターの居心地がとてもいい。

珈琲は、深い入りの濃い目。

2件目 カフェモリヒコ

明るくて、ナチュラルな内装やインテリアが落ち着くお店。
西11丁目界隈は、ぽつぽつと小洒落たお店が出来ていて、カフェ、雑貨、ファッションめぐりに楽しいところでもあり。
隣の店舗が、cholonなのも、行きたくなる理由だったり。

路面電車の市電の線路沿い、市電が走っているのが見える窓際席が、とっても和む。

モリヒコの珈琲、ときどき通販で豆を買うほど好き。





3件目 カフェランバン

高校生のころから通い続けて、今やマスターに「おかえりなさい」といわれる行きつけの珈琲店

個人的にはここの2階のカウンターが大好き。思い出もいっぱい。

でも、いつも諸般の事情で1階席。
今日はゲイシャを飲ませていただき、7月にはもっとグレードの高い希少なゲイシャの豆が入るので
是非飲み札幌にに来て、と聞いて、来ちゃおうかと思わず心が揺らいでいる。








行き帰りの、飛行機エアドゥのサービスの珈琲も意外と美味しい。必ず珈琲を飲み、それから眠るようにしている

珈琲ばかり飲んでいた、2日間の駆け足の札幌の旅でした。

水の麻ぬの

2011-05-23 20:17:29 | Weblog
麻の夏着物地、上布で洋服を作るプロジェクトも3年目の夏を迎えようとしています。


今日は、肌寒い、4月上旬の気温でしたが、昨日は爽やかな風が家の中を通り抜けていくのが
気持ちのいい日でした。

夏の太陽の日差しと、爽やかな風、じんわりにじんでくる汗、

麻布は、そんなものを仲良しです。




「みずのあさぬの」
というのは、この布が琵琶湖東岸で織られてきた歴史から、
琵琶湖の豊かな水、水運、土壌がこの布には織り込まれている、
と思い、この布に出会ったときに、私が勝手に企画書を書いた
その企画書のキャッチフレーズです。

ロゴも作りました。



布に囲まれて、右往左往しているうちに時がたって
いま、それが回りまわって、こんな洋服を自分の手で作るようになろうとは。

日本人なのだから、日本生まれの麻布で夏を過ごしたい。
日本の麻布が、失われていくのが忍びない。
この布が織られている琵琶湖沿岸の水田地帯の風景に日本の原風景を見る
札幌生まれの私の目にも心の原風景に思えた、西の農村

そんな気持ちから生まれた服たち。







多くの人にこの思いが伝わればいい、と心から思って
これからも作っていきます。

東北復興の旗印の甘いお菓子

2011-05-18 10:45:10 | 日本文化
仙台の知人から、
大船渡銘菓「かもめの玉子」
宮城銘菓「白松がヨーカン」

が届きました。

ああ、仙台も少し落ち着いてきたのかしら、ととても嬉しくいただきました。


もう1カ月以上前、被災したその方に、とても必要としているものなのに
被災した仙台ではその時手に入らなかったもの
を、お届けしました。

交通事情もまだあまり回復していなくて、ゆうパックが、局留めでしか届けられず、
少し遠い郵便局まで取りに行ってもらうのが、そうではなくても忙しい方に、とても申し訳なかったこと

でも、届いた時には、とても喜んでいただけたこと

昨日のことのようでもあり、なんだか遠い昔のことのようでもあり

あの大震災そのものも、直接の被害が無かった東京の私にとっては、現実のことから少し霞がかっているように思えます。
家族や友人を亡くして悲しみの中に居る方、未だ避難所で暮らしている方、仕事を失って茫然としている方
多くの方がまだその現実の渦中にいるというのに…

人間とはなんと非情なものだろうかと思います。

この、忘れるという機能が無ければ、人間は動物は生きてはいけないだろうとは思うのですが

まだ、国難のさ中にある、ことを霞ませてはいけませんね!



このかもめの玉子を製造している製菓メーカーは大船渡にあります。
本社も工場も店舗も被災して、壊れてしまったあと、もう生産するまでに立ち上がっています。

お菓子は人の心を穏やかにします。

この銘菓は、全国に知られている東北土産品です。

素朴な白餡のお饅頭とホワイトチョコレートのコーティングのバランスが絶妙で
単純なものほど難しい、という鉄則を思い出してしまします。

大船渡産のこの菓子はお土産品として全国の人々を和ませてきました。
そして、今復興の象徴となるべく、奮闘していることを知りました。

お菓子を作ることで、立ち上がる勇気がでる。
そのお菓子を食べることで、勇気を分かち合える。

「もの」という実態のあるもの、だけにできる力があるように思います。

作ること、使うこと、手に取ること。

手の温かみが、必ず伝わるはずです。

新之助上布  銀座松屋

2011-05-11 19:07:35 | Weblog
私の製品ほかいろいろと
お世話になっている、滋賀の近江上布の織元さんの大西新之助商店

今日5月11日から17日まで、銀座松屋 7F 和の座ステージ
で展示会です。

毎年、有楽町電気ビルの「ふるさとプラザ」で、機織り体験が大人気でしたが
今年は「ふるさとプラザ」が事業仕訳された様子…う~ん。

東京の新之助上布ファンが、待っているというので、今年の1回目は銀座松屋での開催です。
今年は特別に、新大塚のgallery園さんでもいつもの催事とは趣向を変えて、
日本家屋で夏の風と涼を感じていただく、という新之助上布の個展も、6月17日~予定しています!



新之助師匠は大忙し!

東京圧お目見えの新作が揃っていて、いつかは手織上布を、と夢みている私は、
綺麗色の手織上布の新作に心奪われます。



機織り体験も、いつも行列で、順番が回ってきませんが、今日はチャンスだった!でも時間が無くて
泣く泣く後日に。
師匠の織る様子を、かっこええなあ、と眺めてきました。



私自身まだ機械織りの着尺で仕立てた着物1枚しか持っておりません。
仕入れた反物はたくさんあるのですが…あくまで仕事用。
自分のきものが欲しい!
今度こそ買ってしまおうか…。



上布の着物は、本当に風がさらりを通り抜けて、汗で体に張りつくこともなく、一度着たら
夏の着物は絶対に麻、と思ってしまいます。
昔から夏に着用されてきた、日本の麻。
日差しを遮り、風と湿気を通し、張りのある生地が目にも涼しい。
麻はリネンだけではない、繊維の長い日本の麻(苧麻)の良さを是非多くの方に着て感じていただければいいな、と思います。

立夏。風立ちぬ

2011-05-07 21:19:52 | 生活改善プロジェクト
立夏を過ぎました。
季節の移ろいはあっという間で、二十四節季の季語がないと、うっかり見落としてしまうことばかりです。
春は終り、もう夏ですね。



ジャスミンの花が、町中に香っていて、
花の香りが気づきを促してくれることの何と多いことか。

沈丁花、ジャスミン、金木犀
薫りの強い花が、庭木や街路樹に多く植えられているので、町中に溢れていますね。
むかしからこんなに花が香ったかしら?
と、ふと考えます。
ジャスミンなんて最近見かけるようになった気がします。

ふと薫った最初の瞬間に、ああ季節が変わったんだと思います。
最初に新しい香りに気付いた時の嬉しい感じ。

花は季節通りに咲いていますが、今年の春は寒かったと思います。
震災の恐怖や不安が、寒いというイメージをさらに強くしているかもしれません。
景気も冷え込みましたし、ネガティブ要素の多い春が、嵐のように過ぎて行った
そんな感じです。

これから、どんな季節が来るのだろう?
去年の酷暑を思い出して、今年の夏もきっと何かしら異常なことがおきる季節なのだろう
と身構えています。

暑さが異常なのか、冷夏なのか、他の怖いことが起きるのか。

この春に起きたいろいろ異常なことは、人の立場の違いを顕わにした、と思います。
被災地と、何事もなかった地方。
大都会と田舎。
子供と大人。
老人と若者。
日本人と異邦人。

普通のことが普通ではなくなった時、人は余裕を失って、みんなそれぞれ違うんだ、
ということを受け入れられなくなるように思います。
みんなちがってみんないい。
そう言えるのは、とても平和な証拠です。
平和ではなくなった時、人は、社会は、均質性を求める方向に走り出します。
そして、違うもの探し、魔女裁判、が起きるのです。
みんな不安という心の闇が作り出すもの。

今年の春は異常事態が起きました。
不安が日本を覆いました。
その不安の温度差でさえ、受け入れられなくなっている私がいる。
多くの人がそうだと思います。

これからやってくる、恐らく暑い夏も、また更なる異常事態を引き連れてくるのだと思います。
そして、ますます、人との違いを許容できる範囲が狭くなる。

そういう余裕のない心なのだという自覚をしっかりしておかないと、
社会全体がおかしな方向へ行くような気がしてなりません。




八十八夜は新茶の季節

2011-05-02 21:43:07 | Weblog
今年も、もう初夏なんですね。
ついこの間、冬の寒さが残る中の大震災、そして桜が咲き
もう、お茶の季節!

何があっても、季節は巡るのだなあ、としみじみ思います。

こうして季節を追いかけて、季節に沿って生活しているというのも、四季のはっきりした日本の風土だからです。

二十四節季、日本には24の季節があります。

今日は八十八夜、立春から八十八日、初夏の入り口です。

そして、私の大好きなお新茶です。

青臭くて、スッと鼻に抜ける爽やかさ、と苦み。
葉っぱのきれいなこと。



いつもお茶を買っている、地元のお茶屋さんは、静岡県月ヶ瀬のお茶を扱っています。
これまでいろいろさな産地のお茶を飲んでみましたが
飲み慣れているせいか、静岡のお茶はとてもすんなり美味しいと思えます。

もちろん八女、嬉野の九州のお茶も好きです。

ただ、関東ではお茶といえばすぐ手に入って、美味しいお茶を扱っているところが多いのは
やはり静岡茶、スーパーも静岡茶ばかりですしね。
お茶屋さんも、静岡茶を扱うお店が多いです。

京都に住んでいた時は、宇治茶ばかりでした。(宇治茶も美味しい)

早速、夕食の後、一人でじっくりお茶を入れる時間。
美味しいお茶は二煎目も十分おいしい。





お茶請けに、柏餅も食べちゃいました。

例年の今頃と比べると、少し肌寒いような気もしますが、初夏を実感しました。
風薫る皐月です。

節電の効用のお櫃

2011-05-01 20:42:35 | 職人芸
私は炊飯器でご飯を炊いていますが、節電モードになってから、
ご飯は保温せずすぐに電気を切ることに。
まあ、ご飯も土鍋とかで炊いたら美味しそうですが、
台所でご飯が炊けるまで、つきっきりなわけにもいかず、炊飯器です。

家族が少ないので、いつも少量炊いていますが
混ぜご飯や炊き込みご飯のときは、ある程度多めに炊いたり

最近は、何食分かを炊いて置いたり。
ご飯は、少量炊くよりたくさん炊いたほうが美味しいですしね。

以前は、すぐに冷凍して電子レンジで解凍して食べていましたが
お冷ご飯を美味しく食べよう!と思い、お櫃を活躍させることにしました。

混ぜご飯用に使っていた、大館曲げわっぱのお櫃。

買って何年も経ちますが、まだ木のいい香りがします。
この香りには殺菌成分があるから、お冷ご飯の痛みも少ないのです。

今日は、筍ごはん。
たくさん炊いたので、お櫃の出番。
昨日も、出番でしたし、最近大活躍です。



曲げわっぱは、香りだけではなくて、造形としてもとてもきれいです。
このわっぱがあるだけで、日本の台所になるような気がします。
パンも大好きですが、私はご飯無くして食卓は成立しません。



丁寧な職人仕事のこのお櫃
決して安くはなかったけど、使い込むほど道具としての風格が出てくる、それほど丁寧に使えば長持ちします。

丁寧に長く道具を使う生活。
壊れれば修理してもっと長く使えれば、さらに嬉しい。

そういうことに価値観とお金を使いたいと思います。