ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

大槌復興刺し子プロジェクトに出会っていとへんの事情を思う

2012-11-19 20:46:05 | 工芸

地元の「エコ(環境)フェスタ」というイベントに「大槌復興刺し子プロジェクト」の商品の出店が出ていました。

仕事柄、布/糸/紙/日本的 なものの匂いにつられていきました。

Tシャツ買いました。

岩手県大槌町の復興を支援するプロジェクトとして、NPOテラ・ルネッサンス が運営しています。

災害にあって、避難所でする事も無く、家も希望もするべき仕事も失って、失意の女性たちが、何か出来る事があれば心が晴れるのではないか、それが収入に繋がればもっと希望もわくのではないか、という趣旨で、場所もとらず、道具も最小限でできる針仕事を、と始めたのだそうです。

刺し子の技術や材料は、飛騨刺し子の会社の支援と指導を受けたそうです。

商品のかわいいパーカーを着て販売をしていた担当の方の一言が私の心を突きました。

「このプロジェクトを一過性のものとせず、ゆくゆくは地場産業として地域の女性の手で大槌の特産品として根付いて行く事を目指しています」

地域(田舎)、女性の仕事、地場産業、継続・・・私がずっと考え手づけていること

「糸へん産業」と当事者は言いますが、繊維に関わる産業(織物)は、もともと農家などの農閑期の女性の仕事、古くは自分の家族の衣服を作るため、そしてそれを売って重要な副収入とするために長い間女性の間で受け継がれてきた技術です。

それがだんだんと大きな需要を喚起して、需要の同大に伴って産業として大きくなり、産業革命を経て女性の手仕事から機械生産へ、日本の経済を担う一大産業へと発展した業界です。

しかし、今繊維業界は苦境にあります。日本人の高い労働コストでは、他の途上国で生産されたものと競争が出来なくなりました。日本お得意の技術の高度化で差別化を図ろうとしても、小ロット多品種、常に新しいものを求められるサイクルでは、日本においては大きな利益を生む産業ではなくなってしまいました。

日本独自の高度な技術も多くある織物、しかしそれで多く利益を生まないのであれば、産業として成り立つのは難しい。かつての繊維メーカーの大企業は、とっくに元々持っている技術基盤を生かして炭素繊維などの新しい分野へ出て行ってしまいました。

残るは細々とした、小さな工場や職人さんの手で生み出される、美しい織物たちですが、先行き不透明です。

これらの技術はやはり残して行きたい、しかし利益が少ないので携わる人は減って行く。

そうなると、農家の女性達が担ってきた、副業としての道へ戻るのが正解なのではないか・・・、どうしてもそういう気がしてしまうのです。

そして、子供がいて8時間働けないとか、高齢になったが元気でまだ働きたいし働かざるを得ないとか、農家や自営業などで自らも担い手になっている人たち(女性に限りません)の二次的収入の道として、こういう仕事は案外有効なのではないかと感じるのです。

いとへん産業の苦境の突破口を期待してはいけないのでしょうか。

ただ、そんな私の思いを、今現在職人の誇りをかけて必死に工場を守っている職人さんには、言えません。

 

この「大槌復興刺し子プロジェクト」が、「復興」の二文字が取れてもずっと「大槌刺し子」ブランドとなればいいな、と思います。

 

それと、デザインって大事だな、と思いました。図柄のデザインはプロのデザイナーさんんお手によるものだそうです。デザインの洗練度、もコンセプトと同じように買ってもらうためには大事だと思います。

 

 


tea季節

2012-11-08 07:44:35 | おいしいもの

11月になり、秋も終盤で寒さもぐっと増してきました。

私は一年中、お茶や珈琲を欠かせないのですが、寒くなると冷えた体を温めたいので温かいお茶を頻繁に飲みます。

珈琲はもちろん好きですが、寒い時期はミルクティーの方が欲しくなります。体を冷やす珈琲と温める紅茶の違いでしょうか。

最近見つけて美味しかったお茶、以前から好きだったお茶、あれこれ

◆レモングレス入り釜炒り茶(緑茶)

佐賀県の嬉野は独特の製法の「嬉野茶」で有名なお茶どころです。

家族の実家があるのでしばしば訪れる土地なので、お土産はお茶が一番。お茶農家も製茶工場も、お茶屋さんも市内にたくさんあります。

嬉野茶の釜炒りという製法は、他のお茶産地では作られない独特の製法で、火入れという行程に特徴があり、お茶は香ばしくて金色、緑色にはなりません。

その釜炒り茶にお隣町、武雄町で作られるレモングラスをブレンドした、さっぱりとした飲み口です。緑茶として飲むより、ハーブティと思って飲んだ方が違和感が無いかも。

◆和紅茶

日本産の紅茶で、嬉野でもさかんに生産されていますが、静岡や八女産もよくみかけます。紅茶も緑茶もお茶の葉としては同じ(ちなみにウーロン茶も同じ)、生のお茶の葉から乾燥した茶葉ににする方法が違うだけなので、お茶であれば紅茶も烏龍茶もできます。

でも、やはり土地が違えば、同じお茶の木でも違いが出るもの、日本の緑茶の木で作った紅茶は、香りが淡くて味も薄いです。産地が無農薬有機栽培、にこだわっているからかもしれません。私はこの味の淡いところが好きです。セイロンやインドの紅茶、製造会社で言うとフランスやイギリスの紅茶は、香りも味も強くて、しばしばカフェイン酔いをしてしまいます。

◆セーデルブレンド(ザ・ティーセンター オブ ストックホルム)

 

北欧スウェーデンのブランドのフレーバーティ。

日本にも輸入されて、北欧らしいすてきな缶入りでも販売されています。このブランドの紅茶もオリジナリティが高くて、ノーベル賞授賞式の晩餐会で出されるとよく言われています。

このセーデルブレンド、茶葉を見ると青い花とかバラの花とか入っていて強く甘い香りですが、入れてみると爽やかな甘さと鼻を抜ける花の香りに熱烈なファンがいる紅茶。私もこれを初めて飲んだときから、ずっと好きです。ちなみに私は銀座の伊東屋tea roomでこのお茶に出会いました。ここで茶葉も買う事が出来ます。浅草のこれも知る人ぞ知るカフェ「ムルソー」でも買えます。

素敵な缶はいかにも北欧です

 

このブランドは、他にも「スパイスブレンド」「アールグレイスペシャル」のフレーバーティを出していますが、どれも大好きです。他とは何かが違う、独特の香りです。

◆凍鳥烏龍茶

有名な台湾茶、それも高級茶。烏龍茶はハマると一財産潰すと言われているほど、高級なものは際限なく高価です。また中国の人はお茶好きで、きっとハマってしまうのでしょうね。それにしてもこの凍鳥烏龍茶、茶葉も味も全く甘くないのに、香りは馥郁として甘い。その甘さも、花の甘さや蜜や砂糖の甘さではなく、もっとリラックスできる甘さ。でも私は、烏龍茶は飲むと眠れなくなりがちなので、夜のリラックスより昼間のリフレッシュに飲む方がいいのかも。