ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

薩摩琵琶@gallery園

2011-04-19 22:12:32 | 日本文化
お付き合いをさせていいただいている
護国寺の裏手、昔から続く住宅地のなかに、古いまま残ったお宅をgalleryにされている
gallery園

薩摩琵琶の演奏会を聞きました。
薩摩琵琶の奏者は、榎本百香さん 
お一人での独演会です。





とてもチャーミングな奏者さんですが、演奏を聴いてその技術の高さに、引き込まれました。
和楽器は、元来楽譜がない世界であったり、口伝だったり、(もちろん現代の教授法は違うはずですが)
奏者も聴衆もとても感性に頼る部分が大きくて、難しいと思います。

ややもすれば、感性に流されてしまいがちな、難しい演奏を、
とても理知的にされている、という印象を受けました。

演奏は、
祇園精舎
敦盛
の2曲に
サービスで、ご自身の作曲の1曲

平曲の2曲のプログラム
祇園精舎も敦盛も、大学時代に平家物語を学んだ身としては、有名な一説として筋は知っていますが
琵琶の曲としてはどのように語られるのか、なかなか琵琶の演奏に接する機会がないので、とても興味津々でした。

特に敦盛は、出だしが祇園精舎で始まる長い曲でしたが
謡曲で知っている敦盛と似た節回しを発見して、とても納得したり、
琵琶特有の、バチで楽器をたたく表現手法をなるほどと感心したり、
20分があっという間に過ぎました。

和室の一間に、奏者とすぐ近くにお座布団を並べて聞くスタイルなので
榎本さんが、琵琶について色々な解説をしてくださったり、質問を受けてくださったり
和やかに充実した時間が流れました。

次回は、演目 太田道灌 とのことですし、
舞台美術を設営するとのことでしたので
縁側を背にした和室の中でそういうセットをされるのか、それも楽しみに是非伺いたいと思っています。

次回は
5月15日(日)
gallery園 での演奏です。

ギャラリーゆうど

2011-04-17 22:31:59 | Weblog
3日間の井戸端・着物マーケットが終わりました。
お天気にも恵まれて、とてもたくさんの方にいらしていただきました。
ありがとうございました。

ギャラリーゆうど さんは、築80年以上の古民家というお話。
高い天井、漆喰壁と太い柱や梁、畳の日本家屋は、お庭に向かって縁側もあり、
夏日の気温になった昨日も、すーっと風が吹き抜ける気持ち良さ。
日本家屋の、夏の涼しさを実感しました。

太い梁が通っているお部屋の仕切りを取り払った広い空間をお借りして、
きもので溢れる異空間になりました。






販売する側も、お客様の多くもお着物で、着物の商品と
着物を着た楽しげな人達の集う、とても華やかな空間になりました。

お気に入りの商品を発見する楽しさに囲まれて、にこやかになるお客様を見ていると
不安な気分も払拭されます。
来場していただいた方も、お着物を召して、つかの間の明るい気分を味わっていただけたのではないかと思います。

消費活動をして明るくなる、ということが、どういうことなのか、とても実感できました。

自粛気味な世の中の気分の中でも、魅力的な商品を、楽しくお見せする場を作る
ということが、今小売りに求められていることなのだと、

不安な気持ちを一掃するだけの魅力を、どう見せるのか
力が試されているのだと思います。
今までどおりのことをしていてはいけないのだと、
今まで以上に楽しいことを提案する力がためされているのだと
思います。




商品の力、場の力、見せ方の力
の大切さをヒシヒシと感じました。

これから続く展示会で、いかに楽しい空間を作るか
私も自分と戦いたいと思います。

今週末は、井戸端・着物マーケット

2011-04-13 21:34:34 | Weblog
WebShopで活動している、インディーズ着物のお店が集まって、目白のギャラリーでマーケットを開きます。



私が親しくお付き合いさせていただいている滋賀県彦根市の「新之助上布」の
WebShopも出展しますので、15日はお店番としてお手伝いします。

もちろん、新之助上布製の綿麻着物で参加です。
今日はちくちくと半襟をつけたりしています。

どの帯を合わせようかなあ、とか、帯留めつけちゃおうかなぁ、とか、着物まわりのおしゃれはあれこれ考えるのが楽しいものです。

半襟も、いろいろ考えた挙句、ちょっと大胆な色の手ぬぐいを縫い付けています。
手ぬぐいの半襟、なかなか色柄豊富で楽しいのでお勧めです。

ギャラリーゆうどさんは、古民家をギャラリーにしているところのようで、
最近古民家に縁がある私には、訪れるお家も楽しみです。

大震災後、消費マインドの冷え込みが盛んに言われています。
自粛騒ぎもあります。
飲食店の方をはじめ、モノを売る人には厳しい社会情勢ですが、
シュンとしていても仕方がありません。
落ち込んでいても、引込んでいても、世の中はなにもよくならないのなら
前に出てみようじゃありませんか。

そういう思いで、参加します。

チャリティー商品もご用意されている様子。

きれいな商品で、たくさんの方が明るく楽しい気持ちになればいいな。

上野のお山は花盛り

2011-04-10 17:36:47 | 日本文化
行ってきましたとも、毎年恒例のお花見。

花見自粛令などが出て、お花見スポットには「東日本大震災の被災者の方を考えて自粛を」
という看板があちこちに立っていましたが、大勢の人たちがそんなことを気にする風もなく、
桜の下でお弁当を広げていました。



ただ、大騒ぎの団体はなく、みなさん和やかに静かに桜を楽しんでいる風情。
ああ。これは私の理想のお花見の風景だ、と思いつつ、
同じように私も桜の木の下でお弁当を広げ、缶ビールと日本酒を飲み少し酔いました。

今日は、とても暖かく、桜も最後の散り際で、お昼も大分廻ると、ひらひら、ひらひら、花びらが舞散って、ざわざわと賑やかでしたが、騒がしくはなく、
老若男女が思い思いに桜を楽しんでいる、とても心安らぐ平和な光景でした。






震災後、不安なことばかり続き、神経が少々疲れていたので
お日様の下、舞散る桜の花びらを見て、心底平和を感じました。

ただ、被災した方々にとって、桜はどう見えるのだろう。
不安でいっぱいの気持ちで眺める桜は、果たして心癒してくれるのか、
逆に不安が増すのかもしれない。
穏やかな気持ちでは、桜を見ることはできないでしょう
悲しみが増すかもしれない。
そんな桜でも今年も来年も咲く。
そして今年の桜と、来年の桜は違うのだ、と思います。



昨晩のうちに、おばあちゃんの煮物、といった素朴な煮しめを仕込み
昨日の買い物は、山のように買い込み(やや大げさ)
今朝は朝ごはん終了とともに、稲荷寿司と太巻きの準備にとりかかり
よいしょ、っと巻き寿司を巻いて
お茶を水筒に淹れて

お花見は、お花見をいつにしようか考える時から、お弁当の準備から
平凡な毎日の中の華やかなで穏やかな行事です。

そんな毎日を積み重ねて、何か事が成るのだと信じています。

私だけの、my favorite SAKURA

2011-04-08 20:25:02 | Weblog
自分だけの、愛すべき桜を持っていますか?

自宅の庭に桜の木があるとか、自分の山をお持ちとか、そういう方はもちろんですが

多くの人が集まる桜の名所ではなく、ひっそりと、でも満開の桜を毎年咲かせていて
自分のお気に入りの場所にある。

そんな桜があるって、いいと思うのです。



私は、今の家に越してきてから、近所の小さな(でも由緒あるのです)神社の境内にそんな桜を見つけました。
4本の桜の木が満開になって、その下で、一人静かに桜の花の下、を楽しむのが
春の私の楽しみです。
できれば、お弁当なんか持って行って、一人静かに食べたりするのが幸せです。

今日は時間が小一時間空いたので、その神社に、暖かい珈琲を持って、桜を愛でに行ってきました。

案の定、誰も訪れる人もなく、今日は風が強かったので花弁が少しずつ散って
空に舞い上がっていく様子は、異次元にいざなわれているかのようでした。

きっと一人で見るからいいのです。

大勢で桜を見るのも楽しいと思います。
親しい人と、仲良く観るのも素敵だと思います。

でも、桜の木は生命の勢いでもあり、死の世界へいざなう花でもあります。
どうしても死のイメージが付きまとう桜。
その儚さゆえ、一斉に咲いて潔く散る生き様ゆえ。

桜は、命を考えさせる花だと思います。

だから、私は一人ひっそりと桜を見るが好きです。
ヒミツの桜です。




今年は神社にお参りしました。
苦しい生活をしている方々の安らぐ日が一日も早く訪れることと
日本の復活をお祈りしてきました。

井戸端着物マーケット 夏着物の季節が幕開け

2011-04-06 21:29:44 | 日本文化
滋賀県彦根市、琵琶湖の湖畔で伝統的織物「近江上布」を織っている織元さん

「大西新之助商店」

上布は夏の麻織物、夏着物や浴衣として着る着物地です。

私自身は、上布を用いて着物に通じる日本らしい夏の洋服を、提案しています。

いよいよ夏に向けての、展示会シーズンが幕開けます。

4月15日~17日 
目白の古民家ギャラリーゆうど

にて開催されるインディーズ着物のブランドが
一緒に展示会を開きます。そこに「大西新之助商店」も参加出展します。

http://kimonoindies.blog.fc2.com/

―インディーズショップの井戸端着物マーケット―


私は、日本が、着物を着ることが特別ではない社会環境になればいいな
と本気で考えています。

着物を着ることが特別ではない環境

それは、さまざまな意味で、もっとゆっくりした社会。
スローというと、とても今っぽいのですが、あえてスローとは言いません。
日本語をもっと使いたい、というのも、着物にふさわしいと思うし
流れや、目新しさではなく、社会構造が変わればいいと思うからです。

日本の風土、国民性を改めて認識することができればいいと思います。
高度成長期から続いている経済成長神話から、一つ階段を上がればいいと思います。

着物を着て生活できる社会
生活で着ることのできる着心地のいい普段着のきもの。

そんなことを考えて、私もこの展示会を少しだけお手伝いします。

棉麻の着物を着て、
着物にかかわっている方たちと、いろいろなお話ができればいいな。


ホンノチカラ、に本を

2011-04-02 14:23:44 | 生活改善プロジェクト
こちらから見ると隅田川を越えた、スカイツリーのお膝元東向島の鳩の街商店街。
これがまたいい風情の商店街ですが

今日は、ふるほん日和 というイベントに。

http://furuhonbiyori.seesaa.net/article/186747249.html

「ホンノチカラ」古本を持ち寄って、販売していただいて、
それを東日本大震災のチャリティーにするという趣旨だったので、
ウチに溢れかえっている本の中から、もう読まないかな?という本を20冊ほど
持っていこうと、昨晩思い立ち。夜中に本のピックアップ。

自転車に乗せて行こうと思うも、重くて危ないので、やむなくタクシーで
もちろん帰りは、隅田川の桜の様子をうかがいつつ、てくてく歩いて帰ります。

ふるほん日和、盛況でした。
お天気もまあまあでしたし、「ブックマルシェ」という全国の古書店から出された本も
個人の参加者も、いろいろなレアな本がたくさんあって、目移りしますね!
本好きには、一日居たくなる感じ。







せっかく、本棚に少し隙間を作ったのに、つい4冊も買ってしまい…

個人的には
幸田文「きもの」
季刊iichiko 2003 SPRING号 特集号

が、嬉しいお買い物。

何度も見ては迷い、最後に買ったのが

和菓子屋の息子 小林信彦

「こぐま」でランチをしていたら、季刊iichiko を100円で売ってくれたお兄さんに出会って
原子力問題の本が最初に売れましたよ、なんて話をしました。




私の持っていった本も、誰かが「これ読みたかった!」って
買って行ってくれると嬉しいなと思いながら

鳩の街商店街を後にしました。

隅田川の桜は、まだまだですね。2部咲きくらいかな?
それでも、お弁当を広げている人たちが少しいました。
やっぱり桜の下でお弁当食べたいですよね。
私も来週末、桜舞散る下で、軽くビールを飲んでお弁当を食べようと思います!



夏に想いをはせて。

2011-04-01 21:48:31 | 独立起業
こんな状況下で、お花見もママならない様子ですが
季節は確実に移ろっていくし、時間は待ってくれません。

体調不良を言い訳に、ぼんやり過ごしていましたが、
大震災が、私を揺すり起こそうとしてくれたようです。
少しずつ、自分のことに手をつけることができるようになりました。

まずは、夏に向けての商品。
この大震災で、大きな打撃を受けている工芸品はたくさんあるでしょう。
私の身の周りでは、益子焼の産地の打撃が話題になっています。
直截的には被害のなかった工房の職人さんたちであっても、
消費の減衰やこれからの景気悪化で、さらに厳しくなるでしょう。
みなさんただならぬ危機感を持っている、そういうお話を聞きます。

こういう時に、工芸品ができることは?
自問する職人さんも。

私も、近江上布の夏服作りに追い込みをかけています。



私の生地の織元さん、新之助上布は
東京での展示会も
札幌での初の展示会も
お決めになったようです。


東京での展示会のうち一つは、私もお手伝いします。
洋服だけではなく、会場のギャラリーの古民家に似合うしつらえのものを何か作りたいと考えています。
素敵に観ていただき、手に取っていただけるよう、準備をしたいと思います。

桜は咲きだしました。
夏に向かって、時は進みます。
前を向いて、夏を思います。
今年の夏は暑いのでしょうか。
去年の過酷に暑かった夏。



今年は異常な冷夏、などにならないことを祈ります。
どの産業にとっても、厳しい気候になりませんように。