ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

HUST インスタレーション

2010-03-31 22:30:53 | Weblog
終わってしまった展覧会で申し訳ないのですが

臼木秀之+遠山伸吾 のアートユニット「HUST」のインスタレーション
「In Vitro」が
ヨコハマ・クリエイティブ・センター ホールにてありました。

横浜らしい旧い西洋建築を模した空間で、無数のセミの抜け殻が浮かぶ…

音楽と相まって広い空間が胎内のよう。
抜け殻に付けられたバーコードは、遺伝子情報のよう…

洋館風の壁の真っ白さと妙にモダンなシャンデリアに違和感を覚えるが
空間に身を置いていると、だんだんそのミスマッチ具合も、その奇妙なズレが心地よく感じてくるから、人間の感性なんて結構いい加減かもしれない。

セミの抜け殻は、思いのほか綺麗だったし
これだけの数を集める過程を思うと、
私が関わっていない作家のその行為そのものがインスタレーション作品に思えてくる。

…しかし、この建物は好きじゃないなあ。
全部が大理石でできていれば、好きだったと思う。
偽物は、ウソ臭さが匂って来るんだよなあ。

今回は、建物の偽物っぽさと、作品のシリアスさが醸し出す奇妙な違和感が、なぜかとても心地よかった。

次回の「HUST」作品は5月17日から銀座一丁目にて。
こちらは本物の旧いビル 銀座奥野ビルのギャラリーにて。
楽しみです。

富岡

2010-03-15 13:41:13 | Weblog
群馬県の富岡製糸工場跡に行きました。

「工場」「跡」というのが、私にとってのツボです。

工場写真を撮る方々、工場フェチ?、廃墟マニア、等々、気になるところなのです。
機械とか、配管とか、どういうわけか惹かれます。
それが朽ちていると尚更です。

そんなわけで、富岡製糸工場跡をのんびりと訪ねました。

世界遺産登録を目指して町をあげて頑張っていますね。
日本の製糸業の歴史的な意義や、女工哀史については学校で習った記憶がありますし
そういう意味では意義もあるのかなあと思います。

うららかな春の陽気でした。
工場の敷地の中、建物や、機械の風景も印象的でしたが
富岡の町の昭和を色濃く残した風景もとても印象的でした。
時間から取り残されたようなものたちが、ここかしこに残っています。

一番目に入るのが、看板ですね。
昔の面影を保ったまま役割すら忘れられたような風情。
なんとも愛おしくなります。

旧いものには時間が刻み込まれている。
その時間の圧縮を見るというのも、今の私たちには必要ではないかとも思ってしまいます。
新しいものの下には必ず旧きものがあるものだということを、忘れないように。

旧いものが必ずしも不要なものではないということも。

世の中に不要な物などあるのだろうか…

核兵器さえも、考え方によっては「抑止的」に必要だとさえ唱える人もいるものです。
私自身は、核抑止論者ではありませんが…

なんでも切り捨てる方が怖いこともあります。

崩壊の美しさを撮ろう

2010-03-11 22:37:11 | Weblog
写真を撮る機会が増えて、また、もともと映像系は興味があって
写真家の方に見てもらっていたりしたのすが

なんだか、他の方の巧い写真を見たり、人の意見を聞いたりしているうちに

「写真で何を表現したらいいのだろう?」
「私は、誰に、何を伝えるべくして、写真を撮るのだろう?」

なんて、ドつぼにはまっておりました。

いろいろな写真家の作品を勉強したわけでもないし
ましてや、一眼レフを持っていない!(論外?)のですが

こんな映像が好き、というのはありますし、絵画とは違う映像の世界に魅力を感じるのも確か。

映画だと、ストーリーよりも、映像が美しいかどうかが、私にとっては重要です。
タルコフスキーとか、ミハルコフとか。

今日は写真倶楽部のの先輩に、ちょっとだけその悩みを相談しました。
景観地が大事なのですね、数を撮ることで見えてくるものがある、とのこと。
そして、余計なことを考えず、楽しく撮りたいと思ったものを撮るのがいいとのこと。

好きこそものの上手なれ。
まず、気持ちが動いたものを、たくさん撮ることにしよう。

私の撮りたいのは、壊れていく日常の時間、のようなもの。
壊れていくものへの親しみの感情があります。
その壊れ方も、時間の経過とともに崩れていくような壊れ方が、グッときます。
なぜそんなものに惹かれるのかとか、深層心理を考えるとまたややこしくなるので、
心が動いたものを撮ってみたいな。



銀座ではありがとうございました

2010-03-03 22:57:35 | 独立起業
ギャラリー近江にいらしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
寒い日もありましたし、雨の日もありましたが
多くの方にお会いできて、とてもうれしく存じます。

今回のコレクションのカタログのモデルの引き受けてくださった
マヤ・フレーザーさんのいらして下さいました。
頂いたお花は、我が家で芳香を放っています。
ユリの花って素敵ですね。
香りのないユリも開発されたそうですが、お花はいい香りの方がやはり美しさもひとしおですね。

皆様におっしゃっていただいたことですが
色がきれい、ということでした。
和の(着物の)生地というと、もっと別の色を想像されるのでしょうか。
そうなんです、この近江上布、新之助上布はとても色がきれいです。
織元も職人さんの長年の経験と感覚で織られた色ですが
とても素敵です。
この色遣いのおかげで、モダンな印象にもなっていると思います。
色というものはとても感覚的なものですが、多くの方に好評な色はありました。
普遍性もあるんですね。

色と形、ということも色々と考えることが出来ました。

また、たくさんの方にお目にかかる機会を持ちたいと思います。
次回ご案内する時は、また違う生地になっているやもしれません。
何せ、一反しか織られませんので。