ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

黄金町バザール2012 町が背負う記憶

2012-10-28 20:36:43 | art

10月19日~12月16日まで

横浜京浜電鉄「日ノ出町」から「黄金町」一帯の町を挙げて行われる

アートフェステバルです。

パスポート500円を購入し、それがあちこちの展示会場の入場券となります。パスポートは期間中有効。

「黄金町バサールは横浜市の初黄/日ノ出町地区で地域のまちづくりに取り組む「初黄/日ノ出町環境浄化推進協議会 と黄金町エリアマネジメントセンターが共同で開催するアートフェスティバルです。第5回目となる「黄金町バサール2012」ではまちの景観やまちの活動と関係を結びながら展開するさまざまなアートの形をご紹介します。作品展示の他、参加型のワークショップやトークイベント、多様な角度からまちの現在を捉え、豊かなまちの将来を考えるきっかけとなることをめざします。」

以上「黄金町バサール2012」カタログより

 

この紹介文から、十分察することができるけれど、このまちの歴史は暗い。

戦後の混乱期、GHQの支配により行政機関が立ち入る事が難しくなり、闇市が立ち並ぶと同時に麻薬と売春宿が密集し、関東一の青線地帯と言われた。

ごく最近まで、風俗街として在ったが、2005年に横浜市が一掃に着手、そして新しい町への変貌を、アートや若いアーティストへの支援に求めている。

実際訪れてみると、うっかり大岡川を渡った先にはごく普通の街の中に風俗店がいくつもある。昭和の香りが漂う崩れ落ちそうな長屋アパートや怪しげなビルもある。

しかし大岡川の河岸は遊歩道に整備されて、とてもこぎれいになっているし、小さなアパートの店子にアーティストのアトリエや可愛いカフェがあって、そういう目で見ると発見がたくさんあって楽しい。

私自身が、町のもつ暗黒の歴史に興味があるので、特に違和感無く、楽しく見て回ることができる。東京や大阪などの大都会のだいたいの町には、大なり小なり大きな声では言いにくいような歴史を持つ。今はすっかり過去を消し去りスタイリッシュ一辺倒の町よりも、未だに歴史を引きずっている町を愛しく思うのは、私自身が、そういう歴史とはあまり縁の無い札幌市で生まれ育ったせいだろう。

吉原も山谷も、浅草のはずれも、同じような歴史を背負い、似た香りを発している。

 

 

建築ユニット「みかんぐみ」が、この都市再開発に、関わった経緯も興味をそそられる。京急高架下文化芸術活動スタジオ黄金スタジオは「みかんぐみ」の曽我部昌史氏の神奈川大学曽我部研究室が設計している。曽我部氏の活動は、越後妻有の農村の再開発(農家の改修)で知られるとおり、地域や町そのものを巨大展示空間として位置づけ、地域に根付く再開発を建築アートとして構築している。私は、土地には歴史と情念のようなものが息づいていると思うので、そこに新しい建造物や新たな生活圏としての新生地域を造るという活動は魅力的に思う。

 

 

 

さて、この黄金町バサール、友人のアーティストが長期レジデンシー作家として滞在し参加している事で知った。

Robert Gutiersz アメリカに拠点を置くフィリピン人アーティスト 

彼のアートの分野はPaintingだという事だけれど、今回の作品もインスタレーション的だね、と言ったら、でも瓶にペイントしている、と切り返された(笑)

なかなかクールでカッッコいい作品。

会期はまだあるし、会場は広い、日曜日には待ち歩きガイドをしてくれるので

もう一度行ってみるつもり。

 

 

 


新井薬師へお祈願に

2012-10-20 07:15:14 | 日本文化

知人が、眼底出血で一時視力を失っているという知らせを聞きました。私はなんだか目の病気が怖いのです。「ものを見る」「美しいもの見る」ことに重きを置いた生活をしているからでしょうか、そもそも人間は五感のなかでも特に視力に頼っている動物ですね。

 

眼底出血ってどんな病気だろう?

と思って少し調べてみたら、高血圧と関係しているらしい、他の病気が目に現れている形なんですね。

闘病中の本人以外、実際病気の解決のためには何も出来ません。本人も静養するしか無いのだそうです。ご家族が心を支えるくらいですよね・・・

 

そんなわけで、東京の眼病平癒 といえばこのお寺

新井薬師 梅照院 にお参りしました。実は始めてです。

 

 

 

ご本尊は「薬師如来」と「如意輪観音」の二体一仏 、新田家代々の御護仏であったものが、この地で発見されて創建されたお寺だそうです。

徳川家二代将軍秀忠の第五子和子の方(東福門院)の患った眼病の折りに祈願して快癒したことから、「眼病快癒」の霊験あらたか、といういわれ。

私が行った日は、護摩祈願法要のある日で、境内に少し出店が出ていました。西武池袋線新井薬師駅から、参道のような商店街を歩いてそう遠くはないのですが、日曜日だったせいか、お店も閉まっていてちょっと寂しい。

東京は広いので、同じ都内と行ってもかなり土地土地で雰囲気が違います。

東京の染め屋さん(東京友禅染や染め小紋の染め屋さんが、中井~落合の中井川沿いに数件のこって、お着物を染めています)歩きでこの近辺を歩いたことがあるのですが、

下町っぽい人情感があり気取らない町、でも東側とはちょっとちがう静かな雰囲気です。

もうすっかり秋で、境内の大きな木も葉を落とし始めていて、少し物寂しさを感じます。

眼病平癒のお守りと「メグスリノキ」(お茶らしい)を買ってみました。


10月になると、手帳とカレンダーです。

2012-10-03 22:53:52 | 生活改善プロジェクト

私は手帳好きです。なんといっても、常時3冊持ち歩いているのだから、手帳好きに決まっています。おかげで鞄が思いの何のって。

子供の頃、小学校入学する前の記憶があります。

父が会社の仕事を家に持ち帰ってきていました。なんだか方眼紙のような冊子に文字やら数字やら計算式やらを書き込んでいました。私が子供の頃は小学校入学前に字なんか教えられなかったので、文字は書けず、鉛筆でぐるぐる線を書いて、仕事をする父のまねをしていたことを覚えています。冊子に何か書いているのが、凄く羨ましくて、自分もやってみたかったのです。

学生時代も、勉強はしませんでしたが、ノートをきれいに作ることは好きでした。ノートに書くのが好きだったので、大事なことは何も覚えませんでしたが。先日実家に帰省して、大学時代の自分のノートを発見して読んでみましたが、まあ、よくも美しく丹念に書いてあること。なぜこのノートであの無惨なカフカな成績だったのかが不思議です。

 

毎年、10月になるといっせいに翌年の手帳類が売り出されます。

文具店や書店に手帳コーナーが出来るこの時期、ワクワクします。

私の常時持っている手帳はここ数年同じものです。来年のものもきっと同じものを用意するのだと思います。

スケジュールは、京都造形大のタイポグラフィの教授の作っているものをずっと使っています。基本的に過去の手帳は捨てないので、みたら2006年から使っていました。この手帳のデザインは本当に秀逸でフォントがライノタイプユニバースなのが自慢。おまけにこの先生のライノタイプユニバースは、シリアルNo.1なのです(マニアックな自慢)

 

主に仕事用の何でも書き込み手帳は、gentenのカバーに中身はMUJIの文庫本サイズの無地ノートです。無地のノートに思いついたことを書き留めるのが好き。

そして、短歌ノート。これも無地の文庫サイズのノートに文庫本用の革のブックカバーをかけています。隙間時間とか、カフェに入った時とか、何かいい感じのことばを思いついた時とかに書き込んでいます。

そういえば、この3冊にはどれにもカランダッシュのボールペンを付けています。(無駄だなあ)それぞれ、無地のお手頃なもの、ブルー地に雪の結晶柄のもの、銀製の高級ラインのもの。この3本のカランダッシュが、鞄を重くしているのかもという気がしてきましたが。

最近は、「ほぼ日手帳」とか「ミドリノートの手帳」とか「ツバメノート」とか、手帳好きには気になるものがいろいろ。

もひとつ好きなのが「旧暦日々是好日」旧暦のスケジュール帳で、凄く楽しいし素敵です。

 

 


こんな下町の隙間のような町にも新築が

2012-10-02 09:03:54 | 日本文化

ここは、お江戸上野のお山のお膝元の下町です。

下町ですが、浅草とか上野のような繁華街、商売の地でもなく、元色町でもなく

なんとなく、隙間にすっぽりと落ちちゃったような町です。

一軒間口、二件間口の家族経営の小さな町工場とか、小さな卸問屋とかが多く

小さな材木屋さん、ガラス扱い会社、が多いのも特徴です。革製品、鞄、アクセサリー関係も多いですね、職人さんが多く住んでいます。

 

 

そんな忘れられたようなこの辺りは、ここ10年くらいの間に、古い建物が新しいマンションに数多く立て替えられています。私もそんなマンションの一つにすんでいますが、私がこして来てから10年、かなりマンションだらけになりました。

マンションもそれぞれの土地が小さいからか、中小規模のファミリー層、老人世帯向けや、単身世帯向けのような小さいマンションが多いです。

気になるのは、新しい建物の色、形です。

どうも、この町のおっとりした風景に違和感を発する新築のたてもの。

なぜ、白くて四角くて、ピカピカなんだろう?と思うのですが・・・設計された方に聞いてみたいなあ。

この辺でよく雑誌にも取り上げられる人気カフェナンバー2は

合羽橋珈琲 と iriyaplus cafe ですが、どちらも古民家再生リノベーションの建物で、これが落ち着くから人気なんじゃないかと思うのですが。

新築を建てる施主は、きれいでピカピカがいいのでしょうか。

森に生えている毒キノコ?里山に落ちている空のペットボトル?なんて言い過ぎかなあ。

 

見た目にも、もう少しいい感じの町にしたいものだと、思うのです。