舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Kamuela: Our Favorite Halau

2006-03-28 23:38:12 | Hawai'i
メリーモナークに出るご贔屓ハラウを語るなら、まずここから始めなければならないでしょう。
そう、ウチのフラレッスンに出ている方なら必ず一度はこの名を聞いているでありましょう、フラ・ハラウ・オ・カムエラでございます

現在このハラウを率いているクムフラ(先生)は、Kau'i Kamana'o氏とKunewa Mook氏のお二人ですが、私たちが今もって最も愛しているのは、先代クムのパレカ・マトスさんです。
彼女に対する深い敬愛を込めて、私の卒論でも「衣装デザインと振り付けでフラに革新をもたらした人物」として取り上げさせていただきました

メリモを見ていて、カムエラの特徴としてまず目につくのは、何と言っても一糸乱れぬ息の合った踊りでしょう。
曲が始まり、踊り出した瞬間から、もうすでに彼女たちのレベルの高さがうかがえます。
すばらしい踊り手はたった一枚の写真やたった一つの踊り出しのポーズだけでそれとわかるものですが、カムエラの場合、それの団体バージョンなのですから凄いです。
つまり、どの写真を見てもぎっしり並んだダンサーたちの呼吸がぴったりと揃っていて、しかも誰一人身体の芯がコケッとなっちゃってる人などいません。
その上、そうと分からぬほどごく自然に隊形移動までこなすのです!!
このレベルまで団体で揃えるのは、並々ならぬ練習が必要であろうと推察されます。

しかし、カムエラの素晴らしい呼吸の秘訣は練習だけではないと思われます。
というのは、歌詞をよく聴きながらカムエラの演技を観ていると、どうも振り付けそのものにコツがあるように思われるのです。

こないだ「歌詞の一語一句に合致した振り付け」をするナー・レイ・オ・カホロクーの話をいたしましたが、カムエラの振り付けにおける歌詞のつかみ方はこちらなどと比べると密度にかなり違いがあるようです。

もちろん曲の意味に合っていないというのではありませんぞ。
振りをつける時、ナー・レイ・オ・カホロクーのクム・ナニさん達なら内容語(名詞や動詞など意味内容がハッキリした語←→文法的機能を示す機能語)のほとんどすべてを振りで表現していると考えられますが、カムエラの振りを見ると、内容語のうちでもそこで特に重要な意味を持っている語のみ振付に取り入れているように思われます。

しかも、このように(ちと乱暴にいってみれば大雑把に)つかんだ歌詞を動きであらわすにあたって、振りから振りへのつなぎ方がそうとう直線的なのもカムエラの振付けの特徴です。
ふつう、アウアナでは動きから動きが流れるようにつなげるのが美しい振りの付け方とされていますが、その点カムエラは手が真上からスッと口に来るなど、一つの動きが終了後つなぎを経ずに次の動きに移ることが多いようです。
そうするともちろん顔の向きもそれに合わせてハッキリ付けられることになります。

どこからどこまでが一つの動きなのか分からない踊りよりは、1→2→3...と区切りがハッキリした踊りの方が合わせやすいということは、言うまでもありません。
それでもカムエラのアウアナがエレガントに見えるのは、あくまでもカウントではなく曲に合わせたタイミングで踊られていることや、動きが全くコキコキしていないこと(げにコキコキ踊りはフラには厳禁ですネ)などのためと考えられます。
もちろん、カムエラのフラを最も美しく見せているのは、ひとえにその振付けをこれ以上ないってくらいピッタリ揃えていることな訳ですが。


というわけで、マミちゃんの口から「カムエラのように踊ってね」なるナゾの言葉が出たら、それは「みんなの息を合わせてください」という意味とご理解下さいませ。

ブログランキング参加してみました。クリックして頂けると幸甚の至りです。