三冊同時進行読書です、今のメインは「峠」再読です。
メイン以外は気の向くままに変わります。
「峠」は映画化もされた。越後の小藩「長岡藩」家老河井継之助が
主人公の小説。病弱の若き藩主の抜擢で百石の身分ながら
家老になった。幕末維新の動乱の中、殿様に勧めて上洛、
その折の会話が印象に残った。筆頭家老やご典医は猛反対
病中の殿様には無理という。継之助曰く
「御息が絶えるほどのお覚悟で上洛なさるべき、命はそのためにある
上洛が終われば、その翌日のため、其の翌日が終わればさらに
その翌日のためのござりまする。
生は事を行うための道具にすぎませぬ」
末席家老の継之助ですが、身を賭して進言、上洛しました。
小説ではありますが、司馬遼太郎らしい言葉の数々です。
まだ中巻半ばです、再読なのに初読の時のことは何も覚えていないし
感慨もなかったようです。
読むときの年齢により、感動も感慨も異なるようです。
生命は事を行うための道具に過ぎない等思い切った進言です。
因みに彼は「陽明学徒」のようですが
陽明学のことは私にはよくわかりません。