仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

時計の針が悲しくて

2008年12月02日 16時15分18秒 | Weblog
 眠ったわけではなかった。時間が静かに過ぎた。二人はじっとしていた。ハルが話し出した。
「なんかね。セクスをしたのかしらって。感じなの。」
「そう。」
マサルは静かに答えた。
「はじめてしたときね。まーちゃんとね。とても痛かった。でもね。マーちゃんと一つになれたって・・・」
ハルは身体の位置を変えた。マサルが腕枕をした。二人は天井を見た。リビングから漏れる明り、暗闇になりきらない空気はぼんやりと焦点を曇らせた。
「マーちゃんのは細くて長いの。激しくされるから、奥に当っていたいの。」
言葉を止めた。
「私、何、話してるのかしら。」
赤面した。顔をマサルの脇にうずめた。
「あなたとはじめてしたとき、痛くなかった。」
「ふふ。」
「何がおかしいの。」
「なんでもない。・・・昨日のハルと違う人みたいだからさ。」
「何よ。」
「可愛いなって・・」
ハルはまた、頬が熱くなった。
「私ね、マーちゃんしか知らなかったの。だからね、マーちゃんとしたみたいにしかできないの。」
少し黙って
「でも、今日のは・・・・」
マサルは身体を動かした。腕を抜いて、ハルのほうを向いた。口づけた。
「こんな感覚に慣れたのはハルだからだね。」
「マサルもいつもとちがったの。」
「うん。」