仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

時計の針が悲しくてⅡ

2008年12月05日 14時49分26秒 | Weblog
マサルはハルの額にキッスした。
「マーちゃんはね。激しいのがいいの。お尻をつかんで腰をブンブンするの。だから、わたし、男の人はみんな、そういうのが好きだと思って。マサル・・・・・」
胸に額を付けた。
「そう呼んでいい?」
「いいよ。」
「わたしね。最初、セクスって気持ちいいものとは思わなかったの。でもね。何度かしているうちに、気持ちもいいとこがわかったの。マーちゃん・・・・」
「もういいよ。」
「わたし、なに言ってるのかしら。ごめんね。ゴメンね。なにか、不思議なの。言葉が勝手に・・」
「うん、話さなくても解るよ。」
「うん。」
ハルがマサルを見つめた。優しい目がハルを見ていた。マサルもハルを見た。手を握り、キッスした。掌から、魂に通ずる糸がスッとつながった。
「今のお店、好きなの。」
「えっ。好きとかじゃないけど、ウエイトレスやるよりお金もらえるもん。」
「やめなよ。」
「どうして?」
「心が痛くない?」
「心が痛い?」
「ふふ。」
「でもやめたら生活できないもの。」
「うちに来れば。」
「えっ。」
言葉が消えた。
 つぶやくよな声が戻った。
「ねえ。ねえ。なんだか解らないけど、気持ちイイの。許して。」
「ぼくらは許されているよ。」
「あなたともっと、もっと、一緒にいたくなっちゃいそうなの。」
「うん。」
「もう一度、したいくらいなの。でも・・・・」
「なにも、何も言わなくても、たぶん、身体が・・・・」
「だから、怖いの。」
「うん。」
「キッスして。」
優しいキッスがハルの身体を包んだ。
「でも、わたし、帰らなきゃ。」
「うん。」
「ねえ。どんどん、あなたが好きになっちゃいそうで怖いの。」
「うん。」
「でも、マーちゃんとは・・・・」
「うん。」
マサルの頭を擦った。今度はハルがキッスした。