仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

太陽の光はまぶしくて6

2010年02月10日 16時09分17秒 | Weblog
何もかもが、何もかもが・・・・・

河の流れる音が聞こえていた。
闇にはまだ早かった。
ヒロムは脳が動いているのが煩わしかった。

何もかもが、何もかもが・・・・・・
もう、どうでもいい。

何もかもが理解不能の暴力で打ち砕かれ、消えていく。

ヒロムは何も欲しくなかった。
自らで死を選ぶことも煩わしかった。

必ず、死ぬのだ。

ただ、ただ、自分が消えていくのを待ちたかった。
頭の奥で橋本さんの言葉が聞こえた。

みんな、平等なんだよ。
金持ちも、貧乏人も、美人も、ブスも。
みんな、死ぬんだよ。
苦しくても、悲しくても、嬉しくても、楽しくても。
それは一時の感情の動きでしかないんだよ。
理論もね、人を助けるわけじゃないんだよ。
理論も、哲学も、個人にとっては死の瞬間が来た時じゃなきゃ理解できるものじゃないだろ。
なぜだろうね。僕らが生まれてきたのは・・・・

身体の中で何が流れ落ちた。
フラッシュバックのようにケビンの身体がボロボロになっていく光景がよみがえった。

闇が来るまで、闇が来るまで・・・・・