「ヒーちゃん、下着持ってきた。」
「持ってきたよ。」
「じゃあ、行こう。」
「待って、バド頼んじゃった。」
「エー、飲んでるの。」
「うん。」
ヒロムは頭を掻きながら、ヒトミと向かい合わせに座った。店員がバドワイザーを持ってくると、直ぐ出るからと告げた。ヒロムはテーブルの上にのせられたバドを取り、ヒトミのグラスに半分注ぎ、瓶のまま一気に飲み干した。ヒトミも慌ててグラスのビールを一気に飲みした。レシートをつかむとヒロムは階段を折り始めた。ヒトミは立ち上がろうとして、膝をテーブルにぶつけた。グラスが転がった。両手で押さえた。
「フー。」
ゆっくりと体制を整えて、デイパックを背負い、ヒロムを追いかけた。階段を降りるとヒロムはもう外に出ていた。ヒトミはヒロムを追いかけ、左腕にしがみ付いた。
「どこに行くの。」
「お風呂、入りたい。」
「もー。」
ヒトミを拒むわけではなかった。二人は歩きなれた道を進んだ。いつものテルホの前で止まるとヒトミが言った。
「今日は違うとこにしない。」
「いいよ。」
ヒトミはヒロムの手を引っ張った。その日、ヒトミは初期の「ベース」のころよく利用したテルホを選んだ。和室のあるテルホで、部屋も和室を選んだ。部屋は入り口の横にユニットバスがあり、奥が一段高くなっていて、座敷があり、そのまた奥の部屋に布団が敷いてあった。当時は、間のふすまを取り払い、スペースという感じで使っていた。ヒトミは懐かしかった。
部屋に入ると、ヒロムは直ぐに服を脱ぎ始めた。全裸になるとユニットバスのドアを開けた。ヒトミは脱いだ服を、片付け、デイパックを置いて、服を脱ぎ、ヒロムの服の横に置いた。
(もー。)
ヒロムはバスタブに腰を下ろし、シャワーを浴びていた。一瞬、漂う異臭。
「何日、お風呂、入ってないの。」
「この前、ヒーちゃんとはいってから・・」
「どうして銭湯行かないの。」
「連絡取れた。」
(人の話はきかないのね。)
「うーん。なかなかね。難しいわ。」
「マサルは。」
「一度、通じたけど、電話に出ないのよ。」
「マサルがいると便利なんだけどなぁ。」
「便利って・・・・お金ないの。」
「そういうわけじゃないよ。会費もきちんと徴収できてるし、経営にいってるやつがきちんとしててさ。」
「そうだ。ヒデオも、アキコも、もう来ないかも。」
「持ってきたよ。」
「じゃあ、行こう。」
「待って、バド頼んじゃった。」
「エー、飲んでるの。」
「うん。」
ヒロムは頭を掻きながら、ヒトミと向かい合わせに座った。店員がバドワイザーを持ってくると、直ぐ出るからと告げた。ヒロムはテーブルの上にのせられたバドを取り、ヒトミのグラスに半分注ぎ、瓶のまま一気に飲み干した。ヒトミも慌ててグラスのビールを一気に飲みした。レシートをつかむとヒロムは階段を折り始めた。ヒトミは立ち上がろうとして、膝をテーブルにぶつけた。グラスが転がった。両手で押さえた。
「フー。」
ゆっくりと体制を整えて、デイパックを背負い、ヒロムを追いかけた。階段を降りるとヒロムはもう外に出ていた。ヒトミはヒロムを追いかけ、左腕にしがみ付いた。
「どこに行くの。」
「お風呂、入りたい。」
「もー。」
ヒトミを拒むわけではなかった。二人は歩きなれた道を進んだ。いつものテルホの前で止まるとヒトミが言った。
「今日は違うとこにしない。」
「いいよ。」
ヒトミはヒロムの手を引っ張った。その日、ヒトミは初期の「ベース」のころよく利用したテルホを選んだ。和室のあるテルホで、部屋も和室を選んだ。部屋は入り口の横にユニットバスがあり、奥が一段高くなっていて、座敷があり、そのまた奥の部屋に布団が敷いてあった。当時は、間のふすまを取り払い、スペースという感じで使っていた。ヒトミは懐かしかった。
部屋に入ると、ヒロムは直ぐに服を脱ぎ始めた。全裸になるとユニットバスのドアを開けた。ヒトミは脱いだ服を、片付け、デイパックを置いて、服を脱ぎ、ヒロムの服の横に置いた。
(もー。)
ヒロムはバスタブに腰を下ろし、シャワーを浴びていた。一瞬、漂う異臭。
「何日、お風呂、入ってないの。」
「この前、ヒーちゃんとはいってから・・」
「どうして銭湯行かないの。」
「連絡取れた。」
(人の話はきかないのね。)
「うーん。なかなかね。難しいわ。」
「マサルは。」
「一度、通じたけど、電話に出ないのよ。」
「マサルがいると便利なんだけどなぁ。」
「便利って・・・・お金ないの。」
「そういうわけじゃないよ。会費もきちんと徴収できてるし、経営にいってるやつがきちんとしててさ。」
「そうだ。ヒデオも、アキコも、もう来ないかも。」