神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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四明龍尖

2007-07-30 | 緑茶(中国茶)
浙江省余姚を訪れた方からお土産にいただいたお茶。
6月頃にいただいたのだが、UPするのを忘れていた。

余姚市にある四明山で採れると言う。
緑が美しく、お湯をさすとジュンサイのように直立する。
ほっこりとした香りがして、キレのある美味しいお茶だ。

工藤先生のasahi.comに連載中の『鳴小小一碗茶』によれば
四明十二雷」と同じお茶だとか・・・?
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ANOMA ミニ新茶茶会

2007-07-28 | お茶会
暑くてもやっぱり熱いお茶!っつーことで、ANOMAさんのお茶会に行ってきた
6月の新茶茶会は日程が合わず、参加することが出来なかったので
星川さんにお願いをして、7月のミニ茶会を新茶のメニューにしていただいた

茶譜
 石古坪烏龍 奇種
 水金亀
 群体桂花香単[木叢]
 字茅老叢芝蘭香単[木叢]
 正山小種
 明前官思茶
 向東黄枝香単[木叢]
 鉄羅漢
 烏[山東]蜜蘭香単[木叢]
 宋種黄茶香(写真)

ミニ茶会というには10種類と多めだったのだけれど、
ゆったりと時間を取っていただいたので息切れすることなく味わい楽しんだ。

今回特に気に入ったのは宋種黄茶香。
複雑な味と香りをまろやかさで包み込んだようなイキなお茶。
石古坪烏龍も大好きなお茶。華やかさと芯の強さが心地よく口の中を通り過ぎていく。
どのお茶もバランスよくそれぞれの香りの特徴が出ていて美味しかった。

お茶請けもいつもながら工夫がこらされていてウレシイ。

これはミャンマーなどで食されているお茶の葉サラダ「ラペトー」。
上に乗っている茶色のものがお茶の漬物。
これを野菜や豆のサラダと混ぜて食べる。


台湾の割包のような、中華パンにはさんであるのは豚のショートリブ。
軟骨がトロトロに煮てある。甘酸っぱくて美味しい美味しすぎる!

今回も美味しいお茶とお茶請けをありがとうございました!
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深遠なる・・・

2007-07-26 | お茶会
先日、茶壷天堂さんのプーアール茶会に参加させていただく機会があった。

普洱茶祭り(7/11~26)を開催中だったこともあり、
常連さんや普洱茶ファンのお客さんがひっきりなしに出入りして、にぎわっていた。
その合間に地元のお客さんがふらりと立ち寄り、お茶を飲んで、おしゃべりして、また出て行く。
街に一軒は欲しいような地域に密着したお茶屋さんでもあるのだ。
これはオーナーの井上さんのお人柄によるもの。

そんな雰囲気の中で延々7時間、いただいたお茶は10種類にも及んだ。
棗香磚茶から始まり、最初は熟茶を堪能、
8582七子餅茶(写真)で生茶にスイッチし、さらに陳期を遡っていく。
さながら波打ち際から深く青い海の奥へだんだんと導かれていくようなお茶会だった。

深遠なる海の中で出会った味、それは長い間恋焦がれていた早期紅印。


プーアールと言うのは、ある完成型があるとすると、
多くの後輩のお茶がその味を目指して作られ、育てられていくと言う。

その中の一つの完成型が早期紅印だ。
ここへ向かっているお茶はプーアール茶.comさんのお試し茶のおかげで
何種類か飲んでいたので
味の傾向も何となく想像はしていた。
まさしく想像していた通りの素晴らしい味だった。

しかしながら想像していた時と実際に飲んでみてからでは明らかに自分の中で何かが動くのを感じた。

海の中も想像はできるし、写真や映像で見る機会もあるが、
スキューバを体験すると、その世界にはさらに奥行きがあり、
自分のいる地点が広い海の中のほんの一部であるということが改めてわかる。

プーアールも同じだった。
紅印を飲んだことで自分の中にひとつの確固たる基準と言うものができあがった。
しかし、それはこの世界のほんの一部分を垣間見たに過ぎない。
初めての体験の感動と同時にさらなる奥深さを思い知らされるようなそんな感覚だ。

これ以上のものに出会うのはなかなか難しいかもしれない。
でも、ここからいろいろな道も続いているような気がする。
まず手始めに手持ちの生餅をもう一度味わいなおしてみようかと思う。
自分なりの楽しみ方はたくさんある。これからまだまだ面白くなりそうだ。

お茶会で大変お世話になった菜津子さん、S氏、そして美味しいお茶をいれてくださった皆さまにこの場を借りてお礼申し上げます
誘ってくれた友人にも感謝
コメント (6)
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毛磁器とは・・?

2007-07-19 | 茶にまつわる文化・芸術
今月末から景徳鎮千年展が松涛美術館でも開催される。
今年2月に笠間の茨城陶芸美術館で見たときと同じ展示だが、もう一度足を運んでみようかなと思っている。

折りしも、友人が月刊中国NEWSという雑誌を送ってくれた。

この中に「毛沢東の愛した五彩の磁器」という記事がある。

「景徳鎮千年展」で展示されているのは、1975年に毛沢東のために景徳鎮で作られた「7501工程」の「毛磁器」であるが、
この記事に書いてあるのは、それ以前に毛沢東の故郷に近い醴陵窯で作られた「毛磁器」のことである。
実物写真が載っていないのが残念だが、釉下五彩を施した薄く軽く美しい碗があったと言う。

私は「毛磁器」についてあまり詳しく知らなかったので、
「千年展」を見るまでは
「さすがに共産国家になっても皇帝への貢物は健在なのね」くらいに思っていたが、
どうやらこの「毛磁器」というのは晩年を迎えた毛沢東の健康と生活の利便さを考えて側近たちが手配した物のようだ。

清代以前の官窯磁器の華やかさ、緻密さとは全く趣きを異にするが、
実用面と衛生面を考えて作られた「毛磁器」もまたひとつの中国陶磁器文化の頂点に立つものであると言えよう。
コメント (10)
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OZONE夏の大茶会2007

2007-07-13 | 茶にまつわる文化・芸術
お茶好きにとっては夏の恒例イベントである「OZONE夏の大茶会」。
年々規模が縮小されているというのは1階の雰囲気を見ただけでもわかるのだが、
今年はインフォメーションそばのスペースが出展ブースではなく、
ギャラリー(それもディズニーがらみ・・・)になっていたのは何とも寂しい図だった。

今回はイベントを見てみよう、と思い立ち、
「魅惑の台湾茶と台湾茶藝」のステージイベントのある二日目に行ってみた。

開始30分前から整理券が配られ、始まる時には50席ほぼ満席。
供されたのは文山包種茶、凍頂烏龍茶、東方美人。
こういう場で紙コップで出されるお茶としては申し分ない美味しさだったと思う。

ステージではまず最初に文山包種茶の作り方をプロジェクタで説明してくれる。
その後東方美人を陸羽式茶藝で披露。
(茶藝で淹れて出されたお茶よりもお水屋で淹れてくれたお茶のほうが美味しかった・・というのはここだけの話にしておこう。)


7階の特設会場の「婆娑羅茶会」にも行ってみた。
室町時代に流行した闘茶遊びである。
これが思いのほか、面白かった。
まず最初に基本となるお抹茶をいただく。これが本茶。
その後、3杯お抹茶が出てくるのだが、それぞれ本茶と同じものであるか、否かを当てるゲームである。
本茶か非茶か、を当てるというのでその当時は隠語でポンピ(本非)と呼ばれたそうである。

答えは一緒に行った友人も私も全滅。
その場にいた人は誰も正解がいなかった。
どうやら淹れる湯の温度も変えているみたいだし、
合間に出されるお饅頭も混乱させる罠になっている。
正解者にはプレゼントがあるそうなので、腕(舌?)に覚えのある方は挑戦されてみては?

イベントを楽しんだ後はショッピングタイム!
特にバーゲン品を狙って来たわけではないので、ゆっくり回る。
お目当てはFormosa Tea Connectionの大茶会限定茶葉と、今古茶籍の緑茶、そして珍しいお茶があれば、という感じ。
・・・のつもりだったのだが、
FormosaではオーナーRUMIさんが韓国で買い付けてきた白磁にノックアウトされ、
予定外の茶器購入。
これで既に予算オーバー、
何種類か購入予定だった大茶会限定販売の茶葉は一種類のみに留めた。

陳年翠峰烏龍茶王。12年ものの陳年茶、壷入り。
でも、この封をいつ開けよう・・・迷う・・・。

今古茶籍では買おうと思っていた雲南毛峰は置いていなかったので、
試飲させてもらった冷茶が美味しかった太平猴魁を購入。
ここの緑茶は品質管理をしっかり簡さんがチェックしているので信頼できる。
家から近かったら通うんだけれど、お店には残念ながらまだ行ったことがない。

海風號や三宝園や錦園のブースでは久しぶりに会うお友達とも挨拶できたし、
予期せぬ懐かしい友人にもばったり会えたし、
やはりこの大茶会ははずせない。
来年も頑張って開催していただきたいものである。
コメント (12)
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中国茶の名前は覚えにくい?

2007-07-11 | 緑茶(中国茶)
中国茶の名前って四字熟語や五言絶句みたいで綺麗ではあるのだけれど、
覚えるのにはすこぶる苦労する。
私は未だに「太平猴魁」(写真)の漢字が空で書けまへん!

中国語専攻だったくせに・・と言われそうだけれど、
日本語読みで覚えるのが中途半端に障害になっているような気もする。

龍井や碧螺春や烏龍茶は
ロンジン、ピロチュン、ウーロンチャ、と中国語読みが定着して
イメージも涌きやすいけれど、
タイヘイコウカイと言われたって、日本語ではあまり使わない漢字だし、
なかなかイメージが定着しないんだよね。

カクさんと言われても、郭さんなんだか、赫さんなんだか、角さんなんだかわからないみたいな(違うか?)。



余談になるけど
(ここから長い。思い出話を書くようになったのは年のせいだな。)
最近中国語を学びたいと友人に相談されることが何回かあって、
その時に話すのは、まずとにかく発音をしっかり最初にマスターすること、
そうすれば中国語の学習は案外ラクだ、と言うこと。

発音を身体に叩き込んで、日常使うイディオムをリズムでつかむ。
あとの単語は一文字一文字の漢字の読み方を覚えれば、
日本人の私たちにはかなり有利だ。

例えば先ほどの「太平猴魁」の「猴」の字は発音が「hou」の二声であることは決まっている。
つまり、「タイヘイコウカイ」の「コウ」の字の書き方を聞いた場合、
ある程度中国語を知っている人なら
「猴子=houzi(サルの意)」のhouの字だと言われれば書いてもらわなくてもわかるんである。

そうは言ってもその発音をマスターするのがなかなか難しい。

昨日、たまたま大学の同級生からメールをもらったのだが、
思い出話で彼女は大学一年の時に教授に「あなたは南方系の発音ですね」と言われたということが話題に出た。

南方系と言われるということはまずは巻き舌の発音ができてない、
そして四声がめちゃくちゃだ、ということらしい。
(共通語である普通話は北京語が元となっており、
高低アクセントが四種類あり、それを「四声(Sisheng)」と呼んでいる。)

声調というものに慣れない日本人にはまず最初の壁がこれなのだ。
まあ、同じ中国国内でもそれこそ南方の人は普通話の発音を全く無視した声調で話してくれるので、
日本人が学校で習うような四声で話す中国人は少ないと言ってもいいかもしれない。
でも、自分が話すときにはやはりちゃんとした四声で話さないと通じにくいからね。

彼女とメールしていてもうひとり同級生のことを思い出した。
彼はイケメンでスポーツも万能だったけれど、中国語の導入で苦労していた。
中国人教授の会話授業で「ニーハオ(你好)」と言われ、「ウォーハオ(我好)」と返した逸話が残っている。
(「ニーハオ」は挨拶なので、普通は「ニーハオ」と返すんである。)
それでも卒業後は大手商社に入り、バリバリの営業で中国の駐在経験も長い。
誰でも最初は苦労するけれど、何とかなるものだ。

とは言え、私は第三外国語の授業のフランス語を二日で挫折したんだった。
偉そうなことは言えません、はい。
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香港返還10周年におもう

2007-07-01 | 烏龍茶(中国茶)
2007年7月1日の今日は香港がイギリスから中国へ返還されてちょうど10年。
ひとくちに10年と言ってもその間には数々の困難な道のりがあっただろう。
これから先の香港がどんな方向に向かうのかわからないけれど
いつも新しい時代にしっかり身を任せてパワーを発してきた香港の行く末を見守りたい。


思えば初めて香港を訪れたのは1980年、
卒業旅行で大陸の江南~桂林~南寧~広州と周り、帰国の際に立ち寄ったのが最初だった。

一緒に行ったのは女性ばかり4名、そのうち一人は厳格なお父上に「香港だけは危ないからやめろ!」と一喝され、
広州からそのまま上海へUターンして単独帰国。

そう、その頃の香港は街で買い物をして試着室に入るとそのまま裏から誘拐され、
東南アジアなどに売られるという噂がまことしやかに囁かれた若い女性には危険な魔都だったのだ。
夜8時過ぎに街をうろついてはいけない、と釘もさされた。
でも、とりあえず女3人しっかりとバッグを抱え、夜の大通りを歩いたりもした。

百聞は一見にしかず、想像していたよりも安全で楽しく、何より全てが活気に満ち溢れて刺激的だった。

すっかり香港が気に入ってしまった。
でも、それは観光客としての立場で好き、ということだったのかもしれない。
その後2年住んだ台湾、数年間短期出張であちこち一人で回った大陸中国と比べると、
言葉も違う香港は私にとってある種身内ではない感覚もあった。


会社勤めを始めて3年目だったと思うが、取引先の社長さん家族の渡港旅行にお伴させていただいたことがある。
その時、社長さんと懇意にしている香港在住のKOREA系の実業家の方が香港を案内してくれた。
奥さんがテレサ・テンそっくりのとても可愛い大陸系美人だった。
旦那さんは日本語がペラペラだったが、奥さんは話せなかったので、
もっぱら私が北京語で意思疎通を図っていた。

数年後、社長さんからその実業家は実は北朝鮮のスパイ活動をしていた人で、
今は全く所在が不明であることを聞かされた。
社長さんもその実業家の正体は知らなかったらしい。
香港の暗の部分を垣間見た気がした。


香港返還前に、香港に住むチャンスが一度あった。
とても魅力的な仕事のオファーだったが、
一人で香港に住むことに今一歩踏み切れず断ったことがある。
もしそれを受けていたら、香港の記念すべき歴史的イベントに同席する機会があったかもしれない。
確実に今とは違う人生を歩んでいただろう。
人生に「もしも・・」はないが、私にとって香港はやはり最初に訪れた時と同じ、神秘的で近寄りがたいイメージがあるのかもしれない。


久しぶりに顔香圃興記茶荘の「大紅袍鐡観音」を飲んでみる。
これはちるさんにもらった2004年!もの。
ちるさんオススメの出来のいい年のものだけあって、
香ばしい香りとその奥にある鉄観音らしい力強さは健在。
少し熟成が進んでほんのり酸味が感じられるのもいい。
茶杯に残った甘い香りも楽しめてホッと一息ついた。

また香港に行きたくなった。
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