先日、
茶壷天堂さんのプーアール茶会に参加させていただく機会があった。
普洱茶祭り(7/11~26)を開催中だったこともあり、
常連さんや普洱茶ファンのお客さんがひっきりなしに出入りして、にぎわっていた。
その合間に地元のお客さんがふらりと立ち寄り、お茶を飲んで、おしゃべりして、また出て行く。
街に一軒は欲しいような地域に密着したお茶屋さんでもあるのだ。
これはオーナーの井上さんのお人柄によるもの。
そんな雰囲気の中で延々7時間、いただいたお茶は10種類にも及んだ。
棗香磚茶から始まり、最初は熟茶を堪能、
8582七子餅茶(写真)で生茶にスイッチし、さらに陳期を遡っていく。
さながら波打ち際から深く青い海の奥へだんだんと導かれていくようなお茶会だった。
深遠なる海の中で出会った味、それは長い間恋焦がれていた早期紅印。
プーアールと言うのは、ある完成型があるとすると、
多くの後輩のお茶がその味を目指して作られ、育てられていくと言う。
その中の一つの完成型が早期紅印だ。
ここへ向かっているお茶はプーアール茶.comさんのお試し茶のおかげで
何種類か飲んでいたので
味の傾向も何となく想像はしていた。
まさしく想像していた通りの素晴らしい味だった。
しかしながら想像していた時と実際に飲んでみてからでは明らかに自分の中で何かが動くのを感じた。
海の中も想像はできるし、写真や映像で見る機会もあるが、
スキューバを体験すると、その世界にはさらに奥行きがあり、
自分のいる地点が広い海の中のほんの一部であるということが改めてわかる。
プーアールも同じだった。
紅印を飲んだことで自分の中にひとつの確固たる基準と言うものができあがった。
しかし、それはこの世界のほんの一部分を垣間見たに過ぎない。
初めての体験の感動と同時にさらなる奥深さを思い知らされるようなそんな感覚だ。
これ以上のものに出会うのはなかなか難しいかもしれない。
でも、ここからいろいろな道も続いているような気がする。
まず手始めに手持ちの生餅をもう一度味わいなおしてみようかと思う。
自分なりの楽しみ方はたくさんある。これからまだまだ面白くなりそうだ。
お茶会で大変お世話になった菜津子さん、S氏、そして美味しいお茶をいれてくださった皆さまにこの場を借りてお礼申し上げます
誘ってくれた友人にも感謝