餅茶や沱茶はいくつか家にストックしているが、
プーアル茶に興味を持ち始めてからまだ一年ほどなので、
実は自宅で夏を越すのは今年が初めて。
プーアル茶を保存するにはむしろ高温多湿のほうがいいと聞くので
特に問題があるとは思えないけれど、やっぱりちょっと心配ではある。
私が持っている餅茶はほとんどが20年未満のまだ比較的若いものばかり。
飲み頃、とは行かないけれど、月日がたってどう変化するのか確認するのも面白い気がしている。
8892後期紅印圓茶は
プーアル茶.comさんから2枚購入。
1枚は保管して熟成を待つためのもの、
もう1枚は少しずつ飲んで変化を楽しむためのもの。
同じ年代の餅茶には、他にもっと飲みやすいタイプもあるけれど、
野生大葉種の、大葉(大き目の等級の茶葉)で作られているというところに惹かれたのだ。
スモーキーでワイルドな香り、パワフルな味わいが好き。
1枚は少しずつ崩して、あらかじめ陶器の壷に入れている(写真左)。
今日飲む分は壷に移してから3ヶ月ほどたったもの。
蓋を開けるとふわっとかび臭さがあるが、まあ、「没問題」だろう。
心持ち茶葉は少なめにして、宜興製の茶壷で淹れる。
洗茶は丁寧に、抽出時間は短めに。
この方法はまだ若い餅茶を美味しく淹れるには有効だと思う。
味わう。
壷を開けたときのかび臭さは煎じると全く感じない。
夏前に飲んだ時よりもまろやかさが出たような気がする。
熟成が進んだというよりは、崩して壷で保管していたので、
空気に多く触れることで味がこなれたのかも?
飲んでいると身体がポカポカしてくる。
30年を過ぎた年代物に比べるとまだまだだけれど、
既に熟成を終えて悠然と構える先代達とは違った魅力がある。
これもひとつのプーアル茶の楽しみ方なんじゃないかなあ、と。