台北に行ったらプーアル茶を買ってみよう、と思っていた。
恥ずかしながら店頭でプーアル茶を買うのは初めて。
興味を持ち出してからまだ2年にならないし、
通販でしか買ったことがなかったから。
当然普洱茶譜に載っているような高価なヴィンテージ固形茶は
まだ買ったことがありません。
台北旅行3日目、友人が皆帰国して一人残ったので意を決して行ってみることにする。
建国南路と信義路の交差点に程近い場所にある「世逢」。
迪化街で買い物して足ツボマッサージを終え、タクシーに乗る。
司機先生、番地を見せてもどのへんだかよくわからなかったようでちょっと焦る。
週末の建国花市をやっていたこともあって、反対側の道にある店も見えず
いちかばちかUターンしたその目の前に「世逢」があった。
司機先生とガッツポーズをして降りる。
店に入ると小姐が「台湾茶?普洱茶?」と聞いてきたので
「我要普洱茶」と返すとニッコリして席に座るよう薦められる。
話しかけてくれた小姐とそっくりなちょっと年上の小姐(お姉さん?)が座ってお茶を淹れていた。
台湾のお客さんが二人座っていて、既に二種類のプーアル散茶を飲んでいたので、
それをまず試飲させてもらう。
ひとつは水色が真っ黒で穀物系の味がするタイプ。
もうひとつは水色が赤褐色で透明感があり、味もキリッとして奥に甘さのあるタイプ。
後者がいい、と言うと「もう一回ゆっくり飲んでみて」と後者の散茶を淹れなおしてくれた。
隣に座っていた台湾の女性は前者のほうがいいと言う。
「好みは違う。どちらがいい、というわけではない」とお姉さんが語る。
どうやら座っていた台湾人のお客さんは買いに来たわけではなく、
別件の仕事で来訪していたようだった。
「やっぱりこれが美味しい。他に何かお勧めある?」と聞くと
今まで買ったことのある餅茶の値段を聞かれた。
通販で買ったことのある値段を言うと、
棚から磚茶を出してきてくれた。
「これは30年くらいたってる」と言って、目の前で二つに割って崩してくれる。
おお、美味しい。
横に座っていた男性が「文革か?」と聞く。
「そう。どれが美味しかった?」とお姉さん。
「どれも美味しくない。プーアルは嫌い」と答えるオジサン(笑)。
それにしては飲んで銘柄を当てるとは詳しいじゃないか。
「こっちは今飲んでいる磚茶の倍の値段はする。飲んでみる?」
とタッパーに入って崩してある茶葉を取り出して淹れてくれる。
タッパーには「73厚磚」と書いてある。ほほぅ。
当然美味しい。こちらのほうが甘みが強い。でも高いよ・・。
何だかまったり二種類の磚茶をいただく。
途中からもう一人台湾語でしかしゃべってくれないオジサンが加わって
皆あまりプーアルには興味が無さそうだった(笑)。
かなり日も傾いてきたのでそろそろ腰を上げることにする。
文革磚を50g。
ゴメンナサイ、ケチ臭くて。
100g買おうと思ったんだけど、最後の日の夕方だったし、
財布に台湾ドルがもうあまり残っていなかった。
というか、予算もこのくらいのつもりだったのよ。
磚茶を崩してくれるとは思わなかったもんだから・・。
お姉さんには「カードもきくよ。次来たときは同じものはもっと高くなってるかも」
とまで言われたんですけどね。
いや、ホント、今回は予算オーバーになるから。
家に帰ってきて淹れてみる。
美味しい!
朝鮮人参の香りを感じる。
やっぱり100g買えば良かった