先週末のことになりますが、
ギャラリースペースしあんで開かれた「常滑急須 作陶 益規展」に行ってきました。
お世話になっている茶葉専門店「
茶sasa茶」さんの企画ということでお声をかけていただきました。
急須作り50年の村田益規氏の作品展。
美しい窯変や藻掛けの横手急須に加えて中国茶席にもぴったりの後手急須が並びます。
「TeaBridge」の
浦山尚弥氏がプロデュースしている中国茶用蓋碗も多数展示され、会場には中国茶ファンがたくさん訪れていました。
驚いたのは端正な茶入れ。
蓋を閉めるとまるで錫製の茶入れのようにスーッとゆっくり蓋が降りていき、ぴったりと閉じるのです。
この茶入れ、需要を見込んでというよりは、陶器でもこれだけ精密な仕事ができるのだ、ということを
若い作陶家たちに伝えていくために制作していらっしゃるとのこと。
日本の美しく確かな手仕事はこうして引き継がれていくのでしょう。
この日は内側に施釉された黒いタタキの蓋碗を持ち帰らせていただきました。
ギャラリーの一角には喫茶スペースが設けられ、村田さんの茶器を使って淹れたお茶を飲ませていただきました。
この日に茶入れ席に座っていたのは「
ごとう製茶」の後藤潤吏さん。
昨年の紅茶フェスティバルin尾張旭で国産紅茶グランプリに輝いた若手の生産者さんです。
昨年訪れたブラジルの茶園のお話を伺いながらべにふうきのセカンドフラッシュやグリーニッシュ紅茶をいただきました。
グリーニッシュはダージリンの良質なファーストフラッシュを思わせるような香りと清らかさがあり、
和紅茶に時々見られる青臭さのようなものはありません。
まだ市販できるほどの量は作っていないとのことですが、将来性を感じさせる紅茶でした。
豊かな感性がしっかりとした理論に裏付けされ、将来の展望もしっかりとしていらっしゃいます。
この人のお茶は全種類飲んでみたい、と思わせるパワーがありました。
急須とお茶と人との出会い。素敵な展覧会でした。
お誘いくださった浦山さん、茶茶さん、ありがとうございました。