やまいち園さんに戻り、お昼ご飯をいただいて、ちょっと一服。
さて、お次は富山のバタバタ茶をいただくことにします。
静岡で何故バタバタ茶?と思われるかもしれませんが、
やまいち園さんの今回のイベントのひとつが「富山のバタバタ茶体験」だったのです。
この企画のために友人のDonchanが富山の朝日町まで行った話も以前聞いておりまして、
私もとても楽しみにしていました。
バタバタ茶は昔中国から伝わってきた茶の飲み方がそのまま残っているとされ、
仏事に関係した茶会で飲まれてきました。
しかし、その飲習も地区の過疎化で次第にすたれ、
お茶作りの後継者もこのままでは絶えてしまう、という状況に追い込まれました。
そこで、富山県朝日町の皆さんがバタバタ茶を復活させようと
製茶から携わって普及活動に力を入れていらっしゃるのだそうです。
バタバタ茶の基本は五郎八茶碗と夫婦茶せん(上の写真参照)。
自分専用のこの茶碗と茶せんを携えて、茶会に呼ばれるのです。
五郎八茶碗は抹茶茶碗より小ぶりで丈夫にできています。
茶せんはすす竹で作った茶せん二本を組み合わせて作ります。
現在では伝統的な手工で作ることができる方はお1人だけ、だとか。

バタバタ茶は黒茶です。
三番茶にあたる、夏の暑い時期に摘み取った茶葉を製茶し、
むろに詰め何度も切り返しながら1ヶ月ほどかけて発酵させたものです。

お茶は茶葉を袋に入れてやかんで煮出します。
これを暖かいうちに茶せんでバタバタと泡立てるのです。
私はまだまだ未熟ものなので、泡立ちがいまひとつ。
塩をひとつまみ入れると泡が良く立つそうですが、
最近では健康のため、塩を入れないことが多いとか。
今回も塩は入っていません。
泡立てることによって口当たりがソフトになり、
胃に空気を送ることによって消化にもいいのだそうです。
とっても飲みやすくて美味しいので、おかわりを呼ばれてしまいました。
何よりも皆でお茶を飲むことによっておしゃべりが弾み、
人とのつながりに役立ってきたのだということ。
ここでもお茶の輪を強く感じました。
富山県朝日町の歴史公園内旧川上家でバタバタ茶の試飲ができるそうです。
富山県ではなくても、朝日町のバタバタ茶普及に全国各地を回っていらっしゃる皆さんには
そのうちどこかのイベントでお会いできるかもしれません。