前々回の記事で白茶を取り上げましたが、
厳密に言えば、中国では白茶には二つの意味があります。
一つはお茶の製法による六大分類の中のひとつの分類としての白茶。
白毫銀針、白牡丹などはこのお茶に属します。
もう一つは茶樹の品種名に白茶と言う名前が入っているもの。
今回は品種の白茶のお話。
中国緑茶がお好きな方ならよくご存知の安吉白茶。
茶名に白茶と名前が付いているので少し紛らわしいのですが、
浙江省の安吉で発見された白茶一号と言う品種から作られる緑茶です。
1980年代から作られ始めた比較的新しい緑茶ですが、
アミノ酸の含有量が多く、旨みと甘味が人気となり、
近年では龍井茶に迫る勢いで価格が高騰しています。
この安吉白茶の人気を受けて、
各地で白茶種を使った緑茶がブームとなっています。
先日は白茶一号で作った龍井茶(白茶龍井)を飲みましたが、
うーん、やっぱり龍井は龍井種のほうが好きかな・・・。
先日の
XiangLe中国茶サロンでは「水西翠柏」と言うお茶をいただきました。
聞くのも飲むのも初めてです。
水西翠柏は江蘇省[シ栗]陽市で1986年頃から作られているお茶です。
[シ栗]陽市は紫砂壺で有名な宜興市の少し北に位置し、天目湖と言うリゾート地が近くにあります。
このお茶、ネットで調べてみたら、福鼎大白茶種を使っているのだとか。
福鼎大白茶と言えば、福建省の福鼎で栽培されている、
白毫銀針や白牡丹を作る品種。
白茶だけでなく、緑茶(緑雪芽)や紅茶(白琳工夫)なども有名です。
安吉の白茶一号ほどアミノ酸の含有量が高いわけではありませんが、
白毫が多く、少し大きい葉で芽もふっくらとしています。
最近では浙江省などでもこの品種を使った緑茶によく出会います。
私はこのタイプの緑茶がわりと好きで、今まで2、3種飲んでいますが、
どれも皆美味しかったです。
今回サロンで飲んだ水西翠柏は
福建省や浙江省産の福鼎大白茶を使った緑茶とは少し印象が違って、
甘味の中にも少しシャープですっきりした感じがありましたが、
同じ品種から作っても、その土地の特徴が出てくるのでしょう。
[シ栗]陽市では緑茶だけでなく、白茶も作られているようなので、
機会があれば飲んでみたいものです。
そういえば去年は福鼎大白茶を使った宜興紅茶をいただきました。
とても甘くて美味しい紅茶でした。
江蘇省のこの一体では福鼎大白茶種が多く栽培されているのかもしれません。
中国広し!まだまだ飲んだことのないお茶がたくさんあります。