神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

ブログへのご訪問ありがとうございます


千葉県松戸市にて中国茶教室「Salon de Leecha 麗茶」を主宰しています

教室内容、お問い合わせはHPをご参照ください

Instagramにて教室風景やお茶のある風景を随時UPしています
よろしければフォローをお願いいたします!

★Facebookページ「中国茶・台湾茶ファンの集い」を作りました
Facebookのアカウントをお持ちの方、いいね!を押して、情報をシェアしてください♪

★サロンへのお問い合わせ、お申し込みのメールには一両日中に必ずお返事を差し上げています
こちらからの返信が届いていない場合は、お手数ですが再度メールをお送りくださいますようお願い申し上げます

★ブログランキングに参加しています
よろしければ、一日ワンクリックお願いいたします♪

茶話⑥ 覚醒

2024-10-30 | 茶話
芸事やスポーツの世界で
「覚醒する」「化ける」という言葉が使われることがあります。
ある時期に急激に成長し、変化を遂げること、
何らかの気付きによって一皮むけたようにいい状態になること。

とは言え、パッと覚醒したり、一夜で化けるわけではありません。
それまでコツコツと積み重ねてきたことが花開く、そんな感じだと思います。
例えれば、階段を上を見ながら一段一段ゆっくりと登り、
ふとした瞬間に振り返ると眼前に素晴らしい景色が拡がっていた、というような。

何を以て「覚醒した」のか「化けた」のか定義するのは難しいことです。
一般的には成績として結果を出したり、周囲の評価が上がるといったことが判断基準になるのでしょう。

茶の世界においては、自分の立ち位置が定まり、覚悟が決まった時がそうなのではないかと思っています。
足るを知り、感謝を知り、自分が今為すべき事を為す。
その道を進む先に光がある。
その光を得た先に「覚醒」がある。
そう信じて今も一歩一歩進んでいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶話⑤ 茶席考~余白

2024-10-15 | 茶話
「中国茶の茶席はおしゃべりが自由でいいですね。」

初めて茶会に参加してくださった方によく言われます。
確かに中国茶の茶席は茶道や煎茶道の茶席に比べると自由度が高いかもしれません。

もちろん流派や教室によってはおしゃべりできない雰囲気の茶会もあります。
それはまた別のケースとして、ここでは置いておきましょう。

私自身、普段は教室のレッスンで
お茶の説明をしながら茶を淹れることが多いせいか
茶会の時もよく話をします。
お客さま同志の相性を見ながら、
雰囲気が硬い時にはあらかじめ仕込んでおいた話題を振ったりもします。

以前、とある茶会にお客として参加した時のこと。
複数のテーブルがあり、それぞれ5名ほどの客に茶をお出しする
典型的な茶会スタイルでした。
会場の雰囲気はいい感じに盛り上がっており、
隣のテーブルではおしゃべりに花が咲いていました。

私が座ったテーブルの席主は少し緊張していらしたこともあり、
お話は茶の簡単な説明にとどめ、
静かに、とても丁寧に淹れてくださいました。
それがとても心地よく、じっくりお茶の味わいを楽しむことができました。

おしゃべりが弾む茶席はもちろん楽しいものです。
それでも、飲み手がじっくりと茶を堪能するためには、
席主が与える情報で満杯にするのではなく、
余白があった方がいいと思うのです。


中国の茶人、李曙韻氏の著書「茶味的麁相」の第一章にこんな文章があります。
 
 ベテランが茶を淹れる際、手慣れた様子から、知らず知らずのうちに、
 悪い意味での玄人っぽさが出てしまう。
 茶を淹れる時には適度にある種の渋さを見せるといい。
 (中略)
 茶人であるからには、常に渋さを意識し、
 最初に茶事の門を叩いた時の初心を忘れないよう、
 自身を律していくことが大切であろう。

渋さとはある程度の緊張感を持って丁寧に茶を淹れること、
そして茶席に余白を与えることだと感じます。

茶席のしつらえも引き算を心がけて余白を作る。
お茶の説明も先入観を与えず、飲み手の想像力の余地を残す。
(もちろん、質問にはしっかり答えますが)

そんな気付きを与えていただいた茶会でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶話④ ライフワーク

2024-10-07 | 茶話
先日、大学の同期会があった。
私は外国語学部中国語学科出身なのだが、
一学年60名というこじんまりとした学科で
2クラスに分かれて2年まではクラス単位の授業があった。

私が卒業した年は中国の改革開放政策が始まった頃で
商社、大手メーカー、マスコミ、研究職など
中国関係の就職がかなり良かった。

皆それぞれ定年を迎え、
再就職先を見つける人、新たに事業を始める人もいるが、
中国語圏の海外駐在が長かった人が多いので
引退してからも中国語を使って何か社会の役に立ちたいという人も数名いた。

集まれば現在の日中関係の話になるし、
オフレコな話題も聞くことができる。
皆何だかんだ言ってもずっと中国に関わっている。
大学で学んだことがそのままライフワークに繋がっているのは
文化系の学科としては珍しいことのようにも思える。

私自身、日中貿易の仕事は断念してしまったが
やはりずっと中国に関わっていきたいというのが
中国茶の世界に踏み込んだ理由でもある。
いつまで続けられるか分らないけれど、
生徒の皆さんと一緒に中国茶や台湾茶をいただくのは
本当に楽しいし美味しい。

歌舞伎役者の中村七之助が巡業の質問コーナーで
子供さんから歌舞伎役者やっていていいことは何ですかと聞かれ、
「どんなに辛い事や苦しい事があっても舞台に立ってお客様から拍手をいただいたら全て忘れられる。
役者は一度やったら辞められないって本当にそう思います」
と答えたそうだ。

七さまと同列に語るのはおこがましいが、
私も辛くて泣きたい事があったときに
教室や茶会でお茶を淹れ、美味しいと言ってもらえると
一切が吹き飛んでしまう。
今までどれだけこの仕事に助けられただろうと思う。

私は何かを成し遂げたり社会に貢献したわけではないので
偉そうなことは何も言えないのだけれど
ライフワークと思えるものを見つけることができたのは
大学そして留学に行かせてくれた両親のお陰であるし、
好きなことを十分にさせてくれる家人のお陰であるし、
中国茶の楽しみ方を教えてくださった師のお陰である。
そして、教室に通ってくださっている皆さんのお陰でもある。

感謝の気持ちを込めて。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする