神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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茶話③ 茶席考~真打茶人

2024-09-15 | 茶話
最近落語をよく聴きに行く。
もともと落語に興味はあったけれど、
足繁く通い始めたきっかけは
個人宅で隔月に開かれる落語会に伺うようになったこと。

それからは気になる噺家さんの独演会に行ったり
中規模ホールで開かれる落語会のイベントに行ってみたり。

先月、初めて浅草演芸ホールに行く機会を得た。
二ツ目の三遊亭遊七さんのご案内ツアーで、
11時から4時半まで、マジックや漫談や紙切りもはさみ
13人の噺家さんが次から次へと高座へ。
桂宮治師、春風亭昇太師、三遊亭小遊三師と
笑点でもお馴染みのメンバーも登場。
これで3,500円って、安すぎでしょ!?
(夏の特別興行だから普段の500円増し。つまり、いつもは3,000円)

遊七さんとお茶する時間があったので、
色々お話を伺った中で印象的だったことがある。
人気の噺家さんたちはもちろん全国で引っ張りだこだし、
独演会を開けば会場は満杯。
テレビ出演のお誘いもある。
でも、ギャラは少なくても演芸場の出演は大切なんだそうだ。
演芸場は10数人の噺家が順番に高座にあがるが、
事前にプログラムが決まっているわけではなく、
何を話すかはその日、その場で決まるのだそう。
前に出た演目はかけられないし、内容も似たものは出せない。
後ろに行けば行くほどレパートリーの豊富さも要求されるし
機転の利いた話し方が必要になってくる。
どういう情況でも対応できなければトリにはなれないし、
それが真打ちというものなのだ、と。

なるほど、どんな世界でも参考になる話だと思う。

茶人もおなじように15年もやっていれば立派な真打だ。
そこまで来れば、自分の主催する茶会では自分で茶譜を采配できる。
自分の好きな茶葉を自分の好きなように、好きな順番で皆さまにお出しする。
それはそれで、とても美味しい素敵な茶会になるだろう。

でも、敢えて自分では普段使わないであろう茶葉や茶器を工夫する機会もあった方がいい。
今年の初め、とあるお茶屋さんの主催の茶会で
お茶を淹れさせていただいたのだが、
支給された茶葉は自分だったら茶会で選ばないタイプのものだった。
美味しいけれど、これというインパクトやストーリーがない。
あれこれ考え、どうにかこうにか25分の持ち時間で
この茶葉のパフォーマンスを披露することができた。
他の茶席とのバランスや相性も考えなくてはならず、
昔エコ茶会の茶席で毎年培った感覚が戻ったような気がした。
貴重な体験だったと思う。

だから、駆け出しの茶人はなるべくたくさんの茶席経験を積んだ方がいい。
それも、独演会ではなく、演芸場タイプで。
もちろん、ベテランの真打茶人でもその感覚は忘れないように心がけたい。
どんな茶葉でも臨機応変に。
自分の好きなお茶ばかり淹れていては真打ちとは言えないのではないだろうか。
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中秋節茶會 2024 月と茶と…。

2024-09-14 | お茶会
今年の中秋節は9月17日(火)。
それに先駆け、旧中村商店一階書院の間にて
月悦さんの企画で茶會の機会を持たせていただきました。

野田での中秋節茶會は今年で3回目。
想定以上の残暑で見た目には涼しそうな古民家和室が
ソフトサウナの中で熱々のお茶をいただく様相になりましたが
リピーターの方も増え、初めましての方もいらして
和やかな雰囲気でお茶の時間をご一緒しました。



ウェルカムティーは猿島産のやぶきた蜜香紅茶に金木犀と白木耳をブレンドした月悦茶”白秋”の水出し冷茶。
(月悦茶は月悦の村松さんがプロデュースするリーフティー。
9月17日(火)に月悦にて試飲会・販売会が行われます。)

最初のお茶は渡邉拓哉氏の作る静岡産さやまかおり包種茶。
こちらも月悦茶で扱いがあり、”青春”と名付けられています。



二種目は北埔産の東方美人。
こちらに白茶果工作室の茶菓子を合せました。



最後は鳳凰単叢の紅蒂。
華やかな香り立ちと深い味わいのギャップが好評でした。



■茶譜■
歓迎茶 ”白秋” 猿島産蜜香紅茶、金木犀、白木耳
”青春” 静岡産さやまかおり包種茶 2024春
東方美人 2022夏
鳳凰単叢 大庵紅蒂 2023

■点心■
蓮蓉冰皮月餅(蓮の実餡の冷たい月餅)
無花果雪耳糖水(いちぢくと白木耳の甘いスープ)


ご参加の皆さま、ありがとうございました。
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