もともと台湾茶好きだった私が
中国茶をちゃんと学ぼうと決めたきっかけは鳳凰単[木叢](ホウオウタンソウ)である、
ということは以前ブログでも紹介したことがあります。
今でも特別な思い入れがあって、
お茶会にも多く登場するのがこのお茶です。
複雑な味と香りを秘めたこのお茶はどんな場所で作られるのだろう、
そんな思いを抱きながら、いつも茶葉と向き合っていました。
教室でいただく単ソウはブログを通じて知り合った‘茶農さん’プロデュースのもの。
茶農さんは東京育ちの日本人女性ですが、
中国滞在歴が長く、その中国語は完璧、行動力も並外れていて、
美味しいお茶や情報を求めて中国各地を回っていらっしゃいます。
今回は茶農さんにお誘いいただいて、
鳳凰単ソウの中でも最も高級な品種が作られている
鳳凰鎮烏[山東]村(ウートン村)のとある茶農家さんにお世話になってきました。
ウートン村は海抜1,000mにある、と言うことは知っていましたが
行ってみるまでどういうところか想像もつきませんでした。
広東省と言えば人が多くて暑くて食べ物が豊富、と言う
広州や深[土川](シンセン)などの都会のイメージしかなかったのです。
潮州市内から更に北へ進み、
鳳凰連山に入ると、その風光明媚でのどかな山々に目を奪われます。
緑豊かな茶園風景が広がり、赤や黄色の山肌に時々黒々とした岩が見えたりもします。
日本で見られるようなきちんと高さの揃えられた茶園とは違って
一本一本の茶樹がそれぞれ思い思いのまま育っている、そんな感じです。
比較的新しく開墾された茶園も多く、段々畑に小さな茶苗が植えられています。
ウートン山が見えてくると、山の上の方に白い家が何軒も建っていました。
そこが目的地であるウートン村です。
私たちを乗せた車は狭くうねうねとした山道をどんどん登っていくのでした。