神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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鳳凰単ソウの故郷を訪ねて 2

2010-04-28 | 茶旅
ウートン村に到着した頃はもう日も暮れていましたが、
その日の午後に摘んだお茶を製茶しているところを見せてもらうことができました。
(その様子はまた3にて・・・)

翌朝起きてみるとウートン山は一面霧に包まれています。
それはまるで墨絵の世界に迷い込んだかのよう。
なんとも素晴らしい・・・のですが、
製茶を見学に来た私にとっては運が悪いとしか言いようがありません(苦笑)。
結局滞在中の中二日は霧と雨でお茶を摘むことはできませんでした。

今年の天候は不順で、早摘みの品種は多くが冷害に遭ってしまったとのこと、
全体としても生産量は例年よりもかなり少なくなるだろうというお話でした。



(冷害に遭った新芽です

霧の中の二日間、鳳凰村に下りてみたり、
ウートン山の頂上にある天池に連れて行ってもらったり(霧で何も見えませんでしたが
近所のお家にお呼ばれしてお茶をいただいたりとゆったり過ごしました。

天気が良ければものすごく忙しい時期です。
農繁期ということで子供の学校も休みになり、
別の村に住んでいる親族も山に上ってきて
家族総出で製茶作業を行います。
茶摘み待機中の女性たちはお茶を飲みながらおしゃべりに花を咲かせていました。

この期間はお客様も多いです。
新茶を求めて車やバイクで商談に上ってくる人たちも大勢います。
茶農家さんの大広間は道に面して開放的になっていて、
そこで訪れた客人を工夫茶でお迎えします。
私も出来立ての荒茶をたくさん、たくさんいただきました。

たまに鍋奉行ならぬお茶奉行のような人がいて、
お茶の入れ方に物申しているのが印象的でした。


茶農家さんでの生活は思ったよりもずっと快適でしたが、
海抜1,000mはやはり実際の温度よりも体感温度が低く、
慣れていない私たちにとっては体調を崩しやすいような気がしました。

霧や雨の時は湿度が90%近いので、
もちろん洗濯物は簡単に乾きません。
服を多めに持ってきて良かった~と思いました。

こんな天蓋付きベッドで寝ました!
『ラスト・エンペラー』みたいじゃないですか?



ウートン村の家はこんな風に白い建物が多いです。
近年の好況からか新しく建て替えたらしい家も見かけました。


コメント (4)
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鳳凰単ソウの故郷を訪ねて 1

2010-04-27 | 茶旅
もともと台湾茶好きだった私が
中国茶をちゃんと学ぼうと決めたきっかけは鳳凰単[木叢](ホウオウタンソウ)である、
ということは以前ブログでも紹介したことがあります。

今でも特別な思い入れがあって、
お茶会にも多く登場するのがこのお茶です。
複雑な味と香りを秘めたこのお茶はどんな場所で作られるのだろう、
そんな思いを抱きながら、いつも茶葉と向き合っていました。

教室でいただく単ソウはブログを通じて知り合った‘茶農さん’プロデュースのもの。
茶農さんは東京育ちの日本人女性ですが、
中国滞在歴が長く、その中国語は完璧、行動力も並外れていて、
美味しいお茶や情報を求めて中国各地を回っていらっしゃいます。

今回は茶農さんにお誘いいただいて、
鳳凰単ソウの中でも最も高級な品種が作られている
鳳凰鎮烏[山東]村(ウートン村)のとある茶農家さんにお世話になってきました。

ウートン村は海抜1,000mにある、と言うことは知っていましたが
行ってみるまでどういうところか想像もつきませんでした。
広東省と言えば人が多くて暑くて食べ物が豊富、と言う
広州や深[土川](シンセン)などの都会のイメージしかなかったのです。

潮州市内から更に北へ進み、
鳳凰連山に入ると、その風光明媚でのどかな山々に目を奪われます。
緑豊かな茶園風景が広がり、赤や黄色の山肌に時々黒々とした岩が見えたりもします。



日本で見られるようなきちんと高さの揃えられた茶園とは違って
一本一本の茶樹がそれぞれ思い思いのまま育っている、そんな感じです。
比較的新しく開墾された茶園も多く、段々畑に小さな茶苗が植えられています。

ウートン山が見えてくると、山の上の方に白い家が何軒も建っていました。
そこが目的地であるウートン村です。
私たちを乗せた車は狭くうねうねとした山道をどんどん登っていくのでした。
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ウートン村は霧の中

2010-04-23 | 茶旅
広東省鳳凰鎮。
鳳凰単そうの故郷に来ています。
鳳凰村からさらに奥に入った標高1000メートルの山上にウートン村はあります。
ウートン村は霧に包まれています。
この霧が単そうの味と香りを作るのでしょう。
でも晴れないと製茶はできません。
こちらに来て3日目ですが、まだ太陽を見ていません。
この天候で今年は生産量がかなり減りそうとのことです。

お茶を飲みながらゆっくりと時間が流れていきます。
明日は晴れるといいのですが。

(写真は八仙単そうの茶樹)
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茶馬古道の旅

2010-04-20 | 茶にまつわる文化・芸術
近年、茶馬古道に関する本や写真集がいろいろか出ていて、
私もその中の何冊かを持っているが、
昨日書店でふと手に取ったこの本は特に良かったのでご紹介。

茶馬古道の旅 中国のティーロードを訪ねて』(竹田武史著)

まず写真が素晴らしい。
そして目線がいい。
本当に茶馬古道を歩いているような気分にさせてくれる、そんな本である。

コメント (4)
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美味しいお茶と美味しいお菓子と

2010-04-18 | お茶会
つくづく思いますが、誰かに入れてもらうお茶って本当に美味しい。
そして、それがお茶入れの達人のお茶だったら尚更美味しい。
そこへとびきり美味しいお菓子が添えられていたら、百倍美味しい

先週、久しぶりに上海小町さんのサロン「yu:yu」にお邪魔してきました。

冷たい雨の降る日でしたが、サロンでゆったりをお茶をいただき
焼きたてのイチゴのスコーンを味わいながら
たくさんおしゃべりをして
帰る頃には身体も心もすっかり暖まっていました。

今回の一番の目的は今年お初の獅峰龍井。

今年の春は4月初めに峨眉竹葉青と雲南毛峰をいただきましたが
龍井を飲むと改めて「ああ、新茶の季節が来た」と感じます。

中国緑茶はどのタイプも好きで結構飲みますが、
やはり最終的には龍井に始まり、龍井に終わる、と言う気がします。

龍井を飲んでいると杭州の西湖の風景が頭の中に浮かんできます。
それは私にとって中国の象徴的なシーンの一つでもあります。
柳と桃の花のコントラストが美しい季節にまた訪れたいものです。

春の気分を味わいながらの美味しいお茶、ありがとうございました!
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養壷の心

2010-04-10 | 茶にまつわる文化・芸術
昨日の朝のTwitterでSayさんに番組のことを教えていただいて
録画予約した「美の壷 中国の茶器」を観ました。
(Sayさん、ありがとうございます

紫砂茶壷についての25分。
なかなか充実した内容でした。

紫砂壷の産地・宜興やお茶の都・杭州の様子も出てきます。

杭州の茶館の常連である戒清法師の言葉は特に心に響きました。
「茶壺を育てることは、自分自身の心を育てることでもあるのです」

日本の中国茶愛好家の方々も登場。
世田谷の「茶泉」で工夫茶を楽しむ様子が映し出されます。

中国茶器を使って中国茶を飲むには余裕がなければならない、
いつもそういう余裕を持っていたい、
そう話しながら茶壷でいれたお茶を楽しんでいらっしゃいます。

そう、このところ普段の生活では、茶壷でゆったりとお茶をいれることが少なくなっているも。
少し余裕とかゆとりとか忘れていたな、と反省。
今晩はお気に入りの茶壷で工夫茶を楽しむとしましょうか。

 ※番組はまだ再放送があります。見逃した方はHPをチェックしてみてください。
コメント (2)
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