前から書きたいなとは思ってたネタを、「今こそ書け!」と言われたような気がしまして。
***
今回の全日本選手権、男子シングルの採点には驚かされました。
私は決してフィギュアには詳しくないから、基本的には出て来た点数は素直に受け止める方向で、「自分の印象と違うな」と思っても、専門家の見方は自分とは違うんだろうと自分を納得させて来ましたが。
そんな私でも思わず「ああなるほど、こうやって点数を操作するんですね」と思ってしまうほど分かりやすく恣意的な採点だったなと思いました。
私が不快に感じたのは、今回のこの採点の裏に見えるのが、単にフィギュアスケート界の中だけの「戦略としての若手プッシュ」というだけではないと感じたからです。
アスリートをスターに祭り上げる事で利益を得ようというメディア・広告代理店・スポンサーの意図が透けて見えるような気がして落胆しました。
私はフィギュアに関しては素人だけど、広告業界については多少の知識(と経験)がございます。
そっちの観点から見て、「広告」ありきになってる日本のスポーツ報道ってホントヒドいなという事は前々から思って来た事ですが。今回はなんだか、試合の結果までが「業界」の都合で歪められて、自分が一番好きなアスリートがその犠牲になった、と感じて、個々の演技には感動しても、試合そのものについては正直白けました。
***
「メディア」という言葉の元々の意味は巫女とか霊媒とか依り代とかそういうものだったかと思いますが、今日常的によく使われる日本語訳は「媒体」という言葉です。さらに詳しく言うと「広告媒体」です。依って来るのは霊でも神様でもなく広告です。或いは広告(広告主)こそ現代の神様なのかも知れません。
お客様は神様です。
そんな神様が憑依する主な媒体は大きく分けて下の3つ。
○電波媒体…ラジオ・TVのCMなど、放送電波を使った広告媒体。
○紙媒体…新聞・雑誌などの広告ページや折り込みチラシなど印刷物を使った媒体。
○交通媒体…電車の中吊りや駅構内のポスター掲示など、公共交通機関の利用者の目に触れるよう掲出される媒体。
これらの媒体を使って宣伝するために、広告主は媒体主にお金を払って広告枠を買うのです。
電波媒体ならテレビ局やラジオ局、紙媒体なら新聞社や出版社、交通媒体なら鉄道会社やバス会社が媒体主という事になります。Web媒体なら各サイトの管理者が、スポーツイベント等の協賛広告ならイベントの主催者が媒体主です。
そして、媒体主(メディア)に代わって広告主(クライアント)に広告枠を売っているのが広告代理店です。大きい所だと電通・博報堂・ADKなどが有名ですが、中小企業とか個人レベルでやってる所も結構あるんですよ。リクルートみたいに自前の媒体を売ってる所もありますが、基本はメディアに代わってクライアントに枠を売り、中間マージン(代理店マージン)を取る事で利益を得ています。
あと、厳密に言うと広告を作るのは「制作会社(プロダクション)」の仕事であって代理店の仕事ではないですが、大抵企画立ててプロダクションに発注する所まで代理店が仕切るし、大きい所は自前の制作部門も持ってます。
***
そんな訳で、クライアントのお金が代理店を通じてメディアに流れる訳ですが、資本主義の世の中なので、メディアはお金を出してくれるお客様であるクライアントの意向を最大限に尊重します。
単に、契約で定められた広告掲出だけを遂行すれば良いというものではありません。
クライアントの利益のために最大限の努力をし、「払った金額に見合うだけの価値はあった」と感じて貰う事で次の契約に繋げるのがデキる大人の仕事です。
例えば、試合の協賛スポンサーとなり、併せて試合を放送する番組のCM枠にもお金を払った企業があるとします。そのクライアント企業は同時に試合に出場するAという選手の個人スポンサーであり、A選手をCMのイメージキャラクターとして起用しています。
クライアント企業は、大会の運営本部をその大会を放送するメディア双方にとっての「大切なお客様」です。そんな大切なお客様の利益のために、大会の運営側は何をすべきなのでしょうか。
その試合を放送する番組では合間のCMにA選手が登場。番組の中でもA選手を大々的にヨイショして盛り上げる。そしてもちろん、試合ではA選手が大活躍。これこそが、お客様に喜んで貰える最大限の良い仕事ではないでしょうか?
少し前のネット記事で、ゴルフの試合の主催者が、石川遼選手が優勝する事を望んでいるため、コースの芝を石川選手の好みに合わせて刈っていた、という話が出ていました。
芝云々がどこまで本当かは分かりませんが(私ゴルフ分からないし)、石川選手が勝つのと負けるのとではマスコミの盛り上がりに大きな開きがあるだろう事くらいは容易に想像がつきます。
そして大会の協賛スポンサーは、自分たちの出資した大会が人目に付かない所でひっそりと行われる事など望んでいません。大々的に報道され、多くの人の目に触れてこそお金を払った甲斐があるというもの。
それでもこれがゴルフなら、好みに合わせて芝を刈るくらいしかできないかも知れませんが、フィギュアスケートは勝つも負けるも審判の胸の内ひとつ。
審判の下した判断が、スポンサー様のご意向とご要望を反映しているものではないと、誰が証明してくれるのでしょうか。
***
例えば野球の場合。
高校球児たちのひたむきさは、時にプロ野球にはないドラマや感動を生み出します。
しかし、いくらプロ野球より感動的だったからって、高校球児の野球の実力がプロの選手たちより上だという結論には普通、ならないはず。
しかし延長15回の末引き分け再試合での勝利、というドラマティックな勝負の主役となった斎藤佑樹投手のメディアでの扱いは、並みいるプロ選手や現役メジャーリーガーを遥かに凌いでいたと記憶しております。
斎藤投手や石川選手のような、競技の枠を超えて大きな話題になり、絶大な人気と知名度を獲得する「スター選手」は、メディアや代理店にとっては有難い存在なんだろうなと思います。
大口のスポンサー契約が殺到し、そこに付随する試合への協賛やメディアへの広告出稿で、メディアも代理店も試合の運営主体も潤います。名前だけで視聴率も取れるし雑誌や新聞が売れるから、番組や紙面を作るのも楽ですしね。
そして俗に「スターシステム」と呼ばれる、一部の選手が「スター」として祭り上げられ、そこへ報道が一極集中するという状況が生まれます。
「遼くん」で盛り上げれば自分たちの利益に繋がるけど、無名な選手の試合結果を伝えても一銭にもなりませんから。結果、石川選手の予選落ちだけが大々的に報じられ、誰が優勝したのかも分からないようなゴルフ報道が普通になったりする訳です。
***
ここからは私の憶測ですが、メディアは今回(点数の上では)優勝した選手を「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」みたいなフィギュアの枠を超えた「スター選手」として売り出したいんだろうなあ…と感じてます。
きっと先シーズンの世界選手権辺りからの流れでしょうね。日本の大衆の大好きな「十代天才少年」という分かりやすいイメージに加えて「被災地の希望」の美談付き。
NHK杯前後の空気は私はチェックできていませんが、GPF後の報道が、「若手選手優勝のつもりで用意してたのにアテが外れました」と言わんばかりだったのを見て、「こりゃ決まりだな」と感じました。
後、もひとつ決め手になったのがこれ↓
2013年に活躍しそうなアスリート
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121225-00000014-mycomj-life
博報堂のグループ会社による調査結果ですが、そもそもなんで広告代理店がこういう事を調査するかというのが、企画を売り込む際のプレゼン資料に載せるためとしか思えない訳で(プレゼン資料には、こういう「客観的な」指標を載せてそれっぽく見せるのがお約束)、私はこの手のアンケートに名前が出る人=代理店が売りたい人だと思ってます。
きっとこの「調査結果」に「日本男子初のGPF優勝」と書き添えたレジュメ作って売り込みたかったんだろうなあ…思うのは下衆の勘ぐりでございましょうか。
全日本のSPの採点を見た瞬間、GPFでアテが外れた分、今度こそここで確実に「全日本優勝」の文字をプレゼン資料に書き加えてやろうという断固たる決意を感じたのは私の気のせいなんでしょうか。
最近キヤノンがフィギュア関連の協賛に力を入れているようですね。単独の試合や放送への協賛出稿だけでなく、ISU自体の協賛スポンサーにも名前を連ねている模様。そしてそのキヤノンが最も大きく扱っている選手が全日本の男子シングルで優勝。なんだか色々勘ぐりたくなるタイミングです。
そして代理店は、キヤノンだけでなく、他にも大口の契約を狙ってるんじゃないかなーというのが私の予想。今頃各代理店の営業さんが頑張ってたりして。
日本スケート連盟の動きも、単に自分の所の選手を国際的に売り込みたいというよりは、スポンサーマネーに期待して代理店の動きに呼応し、メディアと一緒に「スター選手」を作りだそうとしているという風に私には見えてしまいます。
***
正直今の若手選手を見ていると、「斎藤佑樹投手」「石川遼選手」が、「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」と呼ばれ始めた途端になんだか胡散臭く感じるようになってしまったのと同じように感じてしまいます。
そして上にも書いたように、フィギュアの試合の結果って審判の胸の内一つでどうにでもなるんだなーというのがこの試合で分かってしまいました。
回転不足の判定、エッジのエラーの判定、GOEの判定、スピンやステップのレベル判定、そしてPCS。明文化された基準があるものの、実際の演技に照らし合わせて点数を付けるのは人間の主観。勝たせたくない選手の点は削れるだけ削り、勝たせたい選手には盛るだけ盛るなんてやろうと思えばいつでもできるんだな、と。
採点競技は審判の公平性に対する信頼があってこそ成り立つもの。
でもそんな信頼も「大人の事情」の前では無力なんだと悟ったそんな試合でした。
***
余談ですが、逆にト○タってフィギュアに対してあんまりやる気出してないんだろうなという事も今回の試合でなんとなく分かりました(安藤美姫ちゃんが色々可哀想な扱いを受けてる時点で薄々そんな気はしてましたが)。
でもあの会社が本気出すとロクな事にならないのはモータースポーツでやらかしたアレやコレで分かってるので、このまま本気出さなくていいです。…あ、でも美姫ちゃんはもうちょっと何とかしてあげて欲しいです。
あと、もしかしたら占いネタも書くかも。
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今回の全日本選手権、男子シングルの採点には驚かされました。
私は決してフィギュアには詳しくないから、基本的には出て来た点数は素直に受け止める方向で、「自分の印象と違うな」と思っても、専門家の見方は自分とは違うんだろうと自分を納得させて来ましたが。
そんな私でも思わず「ああなるほど、こうやって点数を操作するんですね」と思ってしまうほど分かりやすく恣意的な採点だったなと思いました。
私が不快に感じたのは、今回のこの採点の裏に見えるのが、単にフィギュアスケート界の中だけの「戦略としての若手プッシュ」というだけではないと感じたからです。
アスリートをスターに祭り上げる事で利益を得ようというメディア・広告代理店・スポンサーの意図が透けて見えるような気がして落胆しました。
私はフィギュアに関しては素人だけど、広告業界については多少の知識(と経験)がございます。
そっちの観点から見て、「広告」ありきになってる日本のスポーツ報道ってホントヒドいなという事は前々から思って来た事ですが。今回はなんだか、試合の結果までが「業界」の都合で歪められて、自分が一番好きなアスリートがその犠牲になった、と感じて、個々の演技には感動しても、試合そのものについては正直白けました。
***
「メディア」という言葉の元々の意味は巫女とか霊媒とか依り代とかそういうものだったかと思いますが、今日常的によく使われる日本語訳は「媒体」という言葉です。さらに詳しく言うと「広告媒体」です。依って来るのは霊でも神様でもなく広告です。或いは広告(広告主)こそ現代の神様なのかも知れません。
お客様は神様です。
そんな神様が憑依する主な媒体は大きく分けて下の3つ。
○電波媒体…ラジオ・TVのCMなど、放送電波を使った広告媒体。
○紙媒体…新聞・雑誌などの広告ページや折り込みチラシなど印刷物を使った媒体。
○交通媒体…電車の中吊りや駅構内のポスター掲示など、公共交通機関の利用者の目に触れるよう掲出される媒体。
これらの媒体を使って宣伝するために、広告主は媒体主にお金を払って広告枠を買うのです。
電波媒体ならテレビ局やラジオ局、紙媒体なら新聞社や出版社、交通媒体なら鉄道会社やバス会社が媒体主という事になります。Web媒体なら各サイトの管理者が、スポーツイベント等の協賛広告ならイベントの主催者が媒体主です。
そして、媒体主(メディア)に代わって広告主(クライアント)に広告枠を売っているのが広告代理店です。大きい所だと電通・博報堂・ADKなどが有名ですが、中小企業とか個人レベルでやってる所も結構あるんですよ。リクルートみたいに自前の媒体を売ってる所もありますが、基本はメディアに代わってクライアントに枠を売り、中間マージン(代理店マージン)を取る事で利益を得ています。
あと、厳密に言うと広告を作るのは「制作会社(プロダクション)」の仕事であって代理店の仕事ではないですが、大抵企画立ててプロダクションに発注する所まで代理店が仕切るし、大きい所は自前の制作部門も持ってます。
***
そんな訳で、クライアントのお金が代理店を通じてメディアに流れる訳ですが、資本主義の世の中なので、メディアはお金を出してくれるお客様であるクライアントの意向を最大限に尊重します。
単に、契約で定められた広告掲出だけを遂行すれば良いというものではありません。
クライアントの利益のために最大限の努力をし、「払った金額に見合うだけの価値はあった」と感じて貰う事で次の契約に繋げるのがデキる大人の仕事です。
例えば、試合の協賛スポンサーとなり、併せて試合を放送する番組のCM枠にもお金を払った企業があるとします。そのクライアント企業は同時に試合に出場するAという選手の個人スポンサーであり、A選手をCMのイメージキャラクターとして起用しています。
クライアント企業は、大会の運営本部をその大会を放送するメディア双方にとっての「大切なお客様」です。そんな大切なお客様の利益のために、大会の運営側は何をすべきなのでしょうか。
その試合を放送する番組では合間のCMにA選手が登場。番組の中でもA選手を大々的にヨイショして盛り上げる。そしてもちろん、試合ではA選手が大活躍。これこそが、お客様に喜んで貰える最大限の良い仕事ではないでしょうか?
少し前のネット記事で、ゴルフの試合の主催者が、石川遼選手が優勝する事を望んでいるため、コースの芝を石川選手の好みに合わせて刈っていた、という話が出ていました。
芝云々がどこまで本当かは分かりませんが(私ゴルフ分からないし)、石川選手が勝つのと負けるのとではマスコミの盛り上がりに大きな開きがあるだろう事くらいは容易に想像がつきます。
そして大会の協賛スポンサーは、自分たちの出資した大会が人目に付かない所でひっそりと行われる事など望んでいません。大々的に報道され、多くの人の目に触れてこそお金を払った甲斐があるというもの。
それでもこれがゴルフなら、好みに合わせて芝を刈るくらいしかできないかも知れませんが、フィギュアスケートは勝つも負けるも審判の胸の内ひとつ。
審判の下した判断が、スポンサー様のご意向とご要望を反映しているものではないと、誰が証明してくれるのでしょうか。
***
例えば野球の場合。
高校球児たちのひたむきさは、時にプロ野球にはないドラマや感動を生み出します。
しかし、いくらプロ野球より感動的だったからって、高校球児の野球の実力がプロの選手たちより上だという結論には普通、ならないはず。
しかし延長15回の末引き分け再試合での勝利、というドラマティックな勝負の主役となった斎藤佑樹投手のメディアでの扱いは、並みいるプロ選手や現役メジャーリーガーを遥かに凌いでいたと記憶しております。
斎藤投手や石川選手のような、競技の枠を超えて大きな話題になり、絶大な人気と知名度を獲得する「スター選手」は、メディアや代理店にとっては有難い存在なんだろうなと思います。
大口のスポンサー契約が殺到し、そこに付随する試合への協賛やメディアへの広告出稿で、メディアも代理店も試合の運営主体も潤います。名前だけで視聴率も取れるし雑誌や新聞が売れるから、番組や紙面を作るのも楽ですしね。
そして俗に「スターシステム」と呼ばれる、一部の選手が「スター」として祭り上げられ、そこへ報道が一極集中するという状況が生まれます。
「遼くん」で盛り上げれば自分たちの利益に繋がるけど、無名な選手の試合結果を伝えても一銭にもなりませんから。結果、石川選手の予選落ちだけが大々的に報じられ、誰が優勝したのかも分からないようなゴルフ報道が普通になったりする訳です。
***
ここからは私の憶測ですが、メディアは今回(点数の上では)優勝した選手を「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」みたいなフィギュアの枠を超えた「スター選手」として売り出したいんだろうなあ…と感じてます。
きっと先シーズンの世界選手権辺りからの流れでしょうね。日本の大衆の大好きな「十代天才少年」という分かりやすいイメージに加えて「被災地の希望」の美談付き。
NHK杯前後の空気は私はチェックできていませんが、GPF後の報道が、「若手選手優勝のつもりで用意してたのにアテが外れました」と言わんばかりだったのを見て、「こりゃ決まりだな」と感じました。
後、もひとつ決め手になったのがこれ↓
2013年に活躍しそうなアスリート
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121225-00000014-mycomj-life
博報堂のグループ会社による調査結果ですが、そもそもなんで広告代理店がこういう事を調査するかというのが、企画を売り込む際のプレゼン資料に載せるためとしか思えない訳で(プレゼン資料には、こういう「客観的な」指標を載せてそれっぽく見せるのがお約束)、私はこの手のアンケートに名前が出る人=代理店が売りたい人だと思ってます。
きっとこの「調査結果」に「日本男子初のGPF優勝」と書き添えたレジュメ作って売り込みたかったんだろうなあ…思うのは下衆の勘ぐりでございましょうか。
全日本のSPの採点を見た瞬間、GPFでアテが外れた分、今度こそここで確実に「全日本優勝」の文字をプレゼン資料に書き加えてやろうという断固たる決意を感じたのは私の気のせいなんでしょうか。
最近キヤノンがフィギュア関連の協賛に力を入れているようですね。単独の試合や放送への協賛出稿だけでなく、ISU自体の協賛スポンサーにも名前を連ねている模様。そしてそのキヤノンが最も大きく扱っている選手が全日本の男子シングルで優勝。なんだか色々勘ぐりたくなるタイミングです。
そして代理店は、キヤノンだけでなく、他にも大口の契約を狙ってるんじゃないかなーというのが私の予想。今頃各代理店の営業さんが頑張ってたりして。
日本スケート連盟の動きも、単に自分の所の選手を国際的に売り込みたいというよりは、スポンサーマネーに期待して代理店の動きに呼応し、メディアと一緒に「スター選手」を作りだそうとしているという風に私には見えてしまいます。
***
正直今の若手選手を見ていると、「斎藤佑樹投手」「石川遼選手」が、「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」と呼ばれ始めた途端になんだか胡散臭く感じるようになってしまったのと同じように感じてしまいます。
そして上にも書いたように、フィギュアの試合の結果って審判の胸の内一つでどうにでもなるんだなーというのがこの試合で分かってしまいました。
回転不足の判定、エッジのエラーの判定、GOEの判定、スピンやステップのレベル判定、そしてPCS。明文化された基準があるものの、実際の演技に照らし合わせて点数を付けるのは人間の主観。勝たせたくない選手の点は削れるだけ削り、勝たせたい選手には盛るだけ盛るなんてやろうと思えばいつでもできるんだな、と。
採点競技は審判の公平性に対する信頼があってこそ成り立つもの。
でもそんな信頼も「大人の事情」の前では無力なんだと悟ったそんな試合でした。
***
余談ですが、逆にト○タってフィギュアに対してあんまりやる気出してないんだろうなという事も今回の試合でなんとなく分かりました(安藤美姫ちゃんが色々可哀想な扱いを受けてる時点で薄々そんな気はしてましたが)。
でもあの会社が本気出すとロクな事にならないのはモータースポーツでやらかしたアレやコレで分かってるので、このまま本気出さなくていいです。…あ、でも美姫ちゃんはもうちょっと何とかしてあげて欲しいです。
あと、もしかしたら占いネタも書くかも。
大輔君の引退がメディアで大きく取り上げられていましたね。解っていることとはいえ、こう確定的に言われると寂しいですね。なんか涙が出てしまいました。高橋大輔のいないフィギュアスケートなんて...
羽生君のコーチのオーサーは 戦略的手腕で有名ですが、競技は勝負ですからそれもありでしょう。でも大輔君は自分のスケート美学に反することはしない人で、そんなとこも好きでした。
一人の天才スケーターの最終章が見えてきたとき、新しい天才が現れてくるというのはスケート界にとって理想的だと思っています。
だったらなおさら、スケ蓮は広告界やメディアと一緒になってせこいことはしないで、じっくり時間をかけて羽生君を育てていって欲しいと思います。
しかしやっぱり高橋大輔こそが唯一無二のスケーター、いろんな外圧に負けないで頑張れ!!
ソチでは彼にふさわしい一番輝くメダルが取れるよう私も精いっぱい応援します!
この時期に引退ネタが報じられるのも何か裏にあるのかなと勘ぐってしまいます。なんだかすっかり疑り深くなってしまって(汗)
フィギュアという競技をまじめに考えればもっと腰を据えてじっくり育てて、という形になるんだと思いますが、マスコミにとってはフィギュア界の未来なんて知ったこっちゃないんだろうなと思います。
それよりも、一般大衆向けに若さを売りに出来るうちに売ってしまえみたいなものを感じてます。
ただ見る方に取っては、演技そのものに魅力を感じて大ちゃんを応援してるので、マスコミの都合なんてそれこそ「知ったこっちゃない」ですよ☆
大ちゃんの努力と才能が報われるよう、最後迄気合入れて応援して行きましょう!
採点競技の解釈(結果)は十人十色なのでどう捉えられても構わないものだと考えてますが、ひとつだけ感じたことを書かせていただきます。
「被災地の希望」美談付き―――という文句は被災地に住む私個人には辛い表現でした。
羽生君は確かにあの日に被災したし、活躍してくれることを喜んでいる被災地の方々も少なくないと思われます(私はそうです)。
今回のエントリーを書くにあたってメディアの思惑を暴く表現として羽生君の被災を美談として売り文句にすることを肯定されている虻川さんの見方は「ある」ということはもちろん構いませんが、被災は恐怖と不安以外の何物でもなかったのでこの一文を目にした瞬間辛いなと感じました。
エントリーの趣旨とはずれたコメントだったかもしれませんが感情が揺さぶられてしまって書かずにいられませんでした。
失礼しました。
(年が明けて大ちゃんの現役時間カウントダウンが始まった感じがしてます…思う存分やりきれることを、そして報われることを私も願うばかりです)
震災の事に触れるのは、被災地の方にはご不快に思う方もいらっしゃるだろう事は予想しましたが、この題材で記事を書くのに、この部分を外しては書けないと思い、敢えて書かせて頂きました。
大規模自然災害の悲劇を、安っぽいセールスポイントのように扱う発想は自分でも下衆だと思いますが、同時に業界にそういう下衆な発想を持つ人間がいるだろう事を否定できません。そしてそういう下衆な人間がターゲットにしているのは、被災地で苦しんでいる人たちではなく、遠く離れた安全な場所で「悲劇」や「美談」を消費する人たちだと思います。
私は直接神戸の震災を体験した訳ではありませんが、震災が起きる1年前まで神戸で学生生活を送っていて、そして今現在神戸に住んでいます。震災やその報道について色々と思う所はありますが、ここではあくまで、スポーツをメディアがどう扱うか、というテーマの記事ですので省略させて頂きます。
キンタロス様がこの記事をご不快に思うなら削除させて頂きますので、どうぞご遠慮なく仰って下さい。拍手コメント・メールフォームでも結構です。
追記:中二なHNで申し訳ないのですが、虻川(あぶかわ)ではなく虹川(にじかわ)です。