In the Garden of Souls(魂の庭で)という曲名らしい(実際には何曲か組み合わせて編曲してるっぽいけど)。FOIでただ一度見た生の演技の印象を取り急ぎ書き記したりもしましたが、映像で再確認できましたので改めて。…の前に。
スルメプロ…という言葉が私は好きではありません。
そのココロは「噛めば噛むほど味が出る」=「初見では分からなくとも、何度も見ているうちに好きになってくるプログラム」という事だと思うけど。
何度も見てれば好きになるのは当たり前の事。まして好きなスケーターのプログラムなら最初からプラスの方向にバイアスがかかる訳ですしね。
でも特にそのスケーターのファンじゃない人は、最初の1回目で何も惹き付けられるものがなければ、2回目を見ようとは思いませんよね。そうして忘れられるプログラムって、スケーターの固定ファン以外に取っては、単に「印象に残らないプログラム」って事じゃないでしょうか。
故に私は「スルメプロ」=「ファン以外に取っては印象に残らないプログラムをファンがヒイキ目で持ち上げる時の言い方」って気がしちゃうんですよね。
しつこいようですが、私が大ちゃんに本格的にハマったきっかけは「ノクターン」です。
あれも最初は、何でこの人はこんな地味な衣装と(きれいだけど)大人しい音楽で滑ってるんだろうと思いながら見てたんですよね。それが見終わる頃にはスケートと音楽のシンクロっぷりにすっかり圧倒されて、痛いポエムを書きまくるまでに(笑)。
「オペラ座の怪人」とか「ヒップホップ白鳥の湖」とか「eye」とか「マンボ」とか、どうも大ちゃんには派手でドラマチックなイメージが強いですが、実際彼の演技の華やかさがドラマチックな曲調にマッチしてるのは確かなんですが、でもやっぱり彼の本質は「ノクターン」の路線かなと思います(著書などでも度々そんなような事を言ってるし)。
個人的には、「バチェラレット」や「アメリ」もこの系列に入ると思います。「Luv letter」もかな。
派手&ドラマチック路線を期待する人にとっては肩すかしかも知れないけど、私に取っては、寧ろこっちが本来の高橋大輔。
リズム感の良さ、指先まで行き届いた繊細な動き、絶妙な「タメ」、的確な表情。静と動のメリハリ。それらを支える、気持ちよく滑るスケート。その他色々。
それらに加え、「こいつの目には一体何が見えてるんだ?」と思わされるような、大ちゃん独特の、底の知れない深い闇を覗き込むような目線を感じるのが、恐ろしくもあり魅力的でもある(だから私は「アメリ」が怖かったんですってば)。
一人の少女の心の深淵に迫った「アメリ」に対して(映画のアメリはちゃんと更正してるのに、EXアメリは何故か最後に再び引きこもってるのが救いがないっていうかなんていうか)、In the Garden of Soulsはもっと普遍的で原始的なイメージを感じます。
***
最初はゆったりとした音楽に合わせて身体をくねらせながら、パーカッションの強いリズムの部分ではメリハリを付ける。足に手を這わせる独特のポーズでゆっくりとエッジに乗り、天上から降って来る女性の声を受け止めるようなスピンから、狂おしく舞うようなステップへ。途中パーカッションの音に合わせて身体を前後にゆさぶる所、強い音と動きが合っててすごいカタルシスを感じます。前後で激しく動いてるのにそこだけピタっと止まるからすごくハイライトになってるし。印を結ぶような手の動きと鬼気迫る表情も印象的。
…単なるエキゾチック路線ではなくて、何やら宗教的な背景を感じさせるのは確かです。
それもキリスト教やイスラム教みたいな近代的な一神教ではなくて、もっと原始的な、アミニズムやシャーマニズムに基づいた信仰。
原始の森で異形の神に会ったような気もするし、伝統的な宗教行事の中で、トランス状態で『神懸かり』になっているようにも見えるし。滅びた文明の神殿の遺跡で祈りを捧げているようでもあるし。前に書いたように、世界のリズムを刻むナタラージャ(舞踏の王)としてのシヴァ神の踊りを見ている気もするし。
音楽は中近東~東南アジアのイメージなんだろうけど、何度も聞いてると日本の祭り囃子のリズムみたいにも聞こえて来るし(単に私が日本人だから、無意識に自分が知ってる物に重ねてるのかも知れないけど)。言うまでもなくお祭り(=祀り)って宗教行事ですしね。
いずれにしろ、単にリズム感の良さや見せ方の上手さなどでその音楽の世界観を表現するだけでなく、その更に向こうにある「見えない世界」を見せようとしているような気がするんですね。表現者としてだけではなく、幻視者としての彼の才能が垣間見える(ような気がする)という意味では、ある意味大ちゃんの本領発揮なプログラムかなと思います。
でもこれ、競技用プログラムなんですよね…。こんな事、スポーツの試合でやっていいんかいな?と思わないでもないですが。でも私は一観客に過ぎないので。自分の好みのツボど真ん中なこのプログラムを、1シーズンを通して見られることを素直に喜んでおこうと思います。
そしてこの曲のアルバムのジャケット。
ああもう、まさにこんな感じだと思ってしまいました。
そしてサンケイEX。
競技曲も、見せ方を変える楽しさを実感 高橋大輔
「野性的でもあり、スピリチュアルな部分もあり、理性的でもあるような…」
ああ、そうそうそんな感じ。ちゃんと伝わってるよ大ちゃん。
***
そんでもって
高橋大輔xサムライ魂 ~天才たちの化学反応~
ラグビー大畑さんと言えば、トリノの後でジャンクスポーツで競演してたのを思い出します。
「僕のラジオ番組に高橋くんが出てくれて、それから活躍するようになったんですよ」って自慢そうに話してくれて、それをまた大ちゃんがうれしそうな顔で見てたのが印象的でした。
大畑大介のLet’s Try スポーツ!~大畑大介・松川浩子~
「大畑大介のTry日記」→第6回放送の所に、筋トレ前で細かった頃の大ちゃんがいます。
何か色々と感慨深い。
***
拍手コメントへのお返事
□2011/9/11 22:58
FOIは毎年期待を裏切らないですね。オープニングやフィナーレもステキで。大ちゃんいつもノリノリで踊ってて、本当に踊るのが好きなんだなあと思います。何気ないポーズもいちいち様になってるのがかっこいいですよね。
本当に今シーズン、成績が良いに越したことはありませんが、それよりもまず、アクシデントに遭う事もなく力の出し切れるシーズンになるのが何よりですね。
スルメプロ…という言葉が私は好きではありません。
そのココロは「噛めば噛むほど味が出る」=「初見では分からなくとも、何度も見ているうちに好きになってくるプログラム」という事だと思うけど。
何度も見てれば好きになるのは当たり前の事。まして好きなスケーターのプログラムなら最初からプラスの方向にバイアスがかかる訳ですしね。
でも特にそのスケーターのファンじゃない人は、最初の1回目で何も惹き付けられるものがなければ、2回目を見ようとは思いませんよね。そうして忘れられるプログラムって、スケーターの固定ファン以外に取っては、単に「印象に残らないプログラム」って事じゃないでしょうか。
故に私は「スルメプロ」=「ファン以外に取っては印象に残らないプログラムをファンがヒイキ目で持ち上げる時の言い方」って気がしちゃうんですよね。
しつこいようですが、私が大ちゃんに本格的にハマったきっかけは「ノクターン」です。
あれも最初は、何でこの人はこんな地味な衣装と(きれいだけど)大人しい音楽で滑ってるんだろうと思いながら見てたんですよね。それが見終わる頃にはスケートと音楽のシンクロっぷりにすっかり圧倒されて、痛いポエムを書きまくるまでに(笑)。
「オペラ座の怪人」とか「ヒップホップ白鳥の湖」とか「eye」とか「マンボ」とか、どうも大ちゃんには派手でドラマチックなイメージが強いですが、実際彼の演技の華やかさがドラマチックな曲調にマッチしてるのは確かなんですが、でもやっぱり彼の本質は「ノクターン」の路線かなと思います(著書などでも度々そんなような事を言ってるし)。
個人的には、「バチェラレット」や「アメリ」もこの系列に入ると思います。「Luv letter」もかな。
派手&ドラマチック路線を期待する人にとっては肩すかしかも知れないけど、私に取っては、寧ろこっちが本来の高橋大輔。
リズム感の良さ、指先まで行き届いた繊細な動き、絶妙な「タメ」、的確な表情。静と動のメリハリ。それらを支える、気持ちよく滑るスケート。その他色々。
それらに加え、「こいつの目には一体何が見えてるんだ?」と思わされるような、大ちゃん独特の、底の知れない深い闇を覗き込むような目線を感じるのが、恐ろしくもあり魅力的でもある(だから私は「アメリ」が怖かったんですってば)。
一人の少女の心の深淵に迫った「アメリ」に対して(映画のアメリはちゃんと更正してるのに、EXアメリは何故か最後に再び引きこもってるのが救いがないっていうかなんていうか)、In the Garden of Soulsはもっと普遍的で原始的なイメージを感じます。
***
最初はゆったりとした音楽に合わせて身体をくねらせながら、パーカッションの強いリズムの部分ではメリハリを付ける。足に手を這わせる独特のポーズでゆっくりとエッジに乗り、天上から降って来る女性の声を受け止めるようなスピンから、狂おしく舞うようなステップへ。途中パーカッションの音に合わせて身体を前後にゆさぶる所、強い音と動きが合っててすごいカタルシスを感じます。前後で激しく動いてるのにそこだけピタっと止まるからすごくハイライトになってるし。印を結ぶような手の動きと鬼気迫る表情も印象的。
…単なるエキゾチック路線ではなくて、何やら宗教的な背景を感じさせるのは確かです。
それもキリスト教やイスラム教みたいな近代的な一神教ではなくて、もっと原始的な、アミニズムやシャーマニズムに基づいた信仰。
原始の森で異形の神に会ったような気もするし、伝統的な宗教行事の中で、トランス状態で『神懸かり』になっているようにも見えるし。滅びた文明の神殿の遺跡で祈りを捧げているようでもあるし。前に書いたように、世界のリズムを刻むナタラージャ(舞踏の王)としてのシヴァ神の踊りを見ている気もするし。
音楽は中近東~東南アジアのイメージなんだろうけど、何度も聞いてると日本の祭り囃子のリズムみたいにも聞こえて来るし(単に私が日本人だから、無意識に自分が知ってる物に重ねてるのかも知れないけど)。言うまでもなくお祭り(=祀り)って宗教行事ですしね。
いずれにしろ、単にリズム感の良さや見せ方の上手さなどでその音楽の世界観を表現するだけでなく、その更に向こうにある「見えない世界」を見せようとしているような気がするんですね。表現者としてだけではなく、幻視者としての彼の才能が垣間見える(ような気がする)という意味では、ある意味大ちゃんの本領発揮なプログラムかなと思います。
でもこれ、競技用プログラムなんですよね…。こんな事、スポーツの試合でやっていいんかいな?と思わないでもないですが。でも私は一観客に過ぎないので。自分の好みのツボど真ん中なこのプログラムを、1シーズンを通して見られることを素直に喜んでおこうと思います。
そしてこの曲のアルバムのジャケット。
ああもう、まさにこんな感じだと思ってしまいました。
そしてサンケイEX。
競技曲も、見せ方を変える楽しさを実感 高橋大輔
「野性的でもあり、スピリチュアルな部分もあり、理性的でもあるような…」
ああ、そうそうそんな感じ。ちゃんと伝わってるよ大ちゃん。
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そんでもって
高橋大輔xサムライ魂 ~天才たちの化学反応~
ラグビー大畑さんと言えば、トリノの後でジャンクスポーツで競演してたのを思い出します。
「僕のラジオ番組に高橋くんが出てくれて、それから活躍するようになったんですよ」って自慢そうに話してくれて、それをまた大ちゃんがうれしそうな顔で見てたのが印象的でした。
大畑大介のLet’s Try スポーツ!~大畑大介・松川浩子~
「大畑大介のTry日記」→第6回放送の所に、筋トレ前で細かった頃の大ちゃんがいます。
何か色々と感慨深い。
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拍手コメントへのお返事
□2011/9/11 22:58
FOIは毎年期待を裏切らないですね。オープニングやフィナーレもステキで。大ちゃんいつもノリノリで踊ってて、本当に踊るのが好きなんだなあと思います。何気ないポーズもいちいち様になってるのがかっこいいですよね。
本当に今シーズン、成績が良いに越したことはありませんが、それよりもまず、アクシデントに遭う事もなく力の出し切れるシーズンになるのが何よりですね。
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