外をうろうろしてたときには雨。
用事が終わると晴れた。
別に雨を呼ぶ体質ではないはずなんだけどなあ。
調子がわるい。
疲れてるのかと思って少し横になっても、
妙に頭はさえている。
でも、体に力は入らない。
なんだろう。
『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体』という本。
前から気になっていたんだけど、
やっと図書館で借りて読んだ。
意見の多様性を認めることができない人たちが、
反対意見を抹殺するためによく使っていた、
「反知性主義」という言葉だけど、
ここでは「権力と結びついた知性に対する反感」ということで、
否定的なニュアンスというわけではないみたい。
だからといって「反権威」とか「反権力」だと、
ちょっと違う気がするし。
両海岸と内陸部、都市部と農村。
手先、口先でお金を動かしているように見える人たちと、
地に足つけて地道に汗をかいてお金を稼ぐ人たち。
そして、政治エリートのクリントンさんに対する、
野卑でたたき上げのイメージなトランプさん。
どちらが正しいというわけではないんだろうけど、
そんなふうな感じに、
アメリカは分かれてしまってるんだろうと思う。
いわゆる「著名人」やセレブたちが、
いくらマスコミを使ってアピールしたところで、
そもそもそういう人たちに反感を持っている人たちには、
全く届かないし、むしろ逆効果だったろう。
なんで進化論や地球温暖化にかたくなに反対する人たちがいるのか、
ちょっとだけわかった気がする。
この本はキリスト教的な解説だったけど、
日本での権威に対する反抗というと、
鎌倉時代の新しい宗派や、
豪華な茶の湯に対するわび茶みたいなものなのかな。
「既存の政治家」に対するアンチテーゼみたいに、
日本でもたまにぽこんと出てくる人がいるけれど、
それは、殿さまの末裔だったり財閥の御曹司だったり、
まあ、弁護士であったりで、
アメリカほど無知で野卑な印象の人が、
もてはやされる雰囲気はない気がする。
(こうやって考えると、政権交代を煽ったマスコミが、
いま安倍首相のことをぼんぼんだとかいうのはちゃんちゃらおかしい)
田中角栄さんくらいかな?
ハマコーさんとかもそうなのかな。
映画の寅さんみたいな人が実際にいたとしても、
やっぱり「親戚のおじさん」にはいいけれど、
もっと身近にいるとたいへんだと思うんだろうし、
政治家にしようなんて考えはなかなか起こさないだろうと思う。
あと、おもしろいと思ったのは、
巡回セールスマン(あ、寅さん?)とか、コンマンの話。
映画の「スティング」は大好きだし、
「ドートマンダー」シリーズでも、
百科事典を売りつける話があったけど、
よく言えば、おおらかで、
知恵でもって世の中を渡っていくっていうことを、
あるていど認めてるってことなんだろうかな。
日本人の「お天道様が見てる」とは正反対な気はするけど。