http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20091014-OYO1T00542.htm?from=top
倒産で管理者不在、競売…
宗教法人などにしか認められない民営墓地の経営許可を巡り、開発業者が寺の名前を借りて自治体から許可を得る「名義借り霊園」の造成が各地で横行している実態が、関係者の証言でわかった。業者の倒産で管理者不在となったり、競売にかけられたりするトラブルも起きているが、墓が立ってしまうと、許可の取り消しは事実上、不可能。国は許可審査を厳しくするよう指導を強めており、一部自治体ではこうした霊園の造成を規制する動きも出ている。
大阪府の霊園開発会社は約5年前に大規模霊園を造成し、永代使用権販売などで50億円以上の売り上げを見込む。府が許可した経営者は、府内の山奥の寺の名前になっているが、住職は読売新聞の取材に「名前を貸しただけ」と明かした。
住職の話によると、開発会社の担当者が「地図に載っていないような目立たない寺を探している」と訪ねてきたのは数年前。「迷惑はかけない」と言われ、名義使用を了承したといい、「霊園の詳しいことは知らない」と住職は話した。
近畿各地で霊園を手がける別の開発会社に名義を貸した宗教法人の元代表は「収益の一部を名義料としてもらった」と言うが、金額については言葉を濁した。
「檀家(だんか)が減って金に困る寺は増えており、同じような話はいくらでもある」。兵庫県の開発業者はそう言い切る。業者が「休眠宗教法人」を買い取って経営するケースもあるが、「名義借り」には、許可を受ける際、行政当局にきちんと活動実態のある寺から委託された立場を主張できるメリットがあるという。
こうした霊園は、石材業者が造成資金の一部を出資して墓石の販売権を独占することもあり、「相場の倍の値で売れる」と、愛知県の石材業者は明かす。
宗教法人の名義借りを巡っては、大阪府茨木市の霊園で開発会社が経営不振で管理を投げ出してしまったほか、同府豊中市でも昨年、開発会社が負債を抱えたために霊園が競売にかかり、80万~150万円で区画を購入した人が競落した別の業者から新たに数十万円の代金を請求されるなどの問題も起きている。
墓地経営は、厚生労働省の通達で自治体か宗教、公益法人に限ると定められ、営利企業の名義借りは禁じられている。同省は許可段階の審査強化を通知。千葉県内の自治体が事業型霊園を認めない条例を相次ぎ制定するなどしているが、特に都市部では公営墓地が不足しがちで、一律規制は難しいという。
大阪府内の墓地の経営許可を所管する府環境衛生課によると、最近は不況で塩漬けになった土地を霊園に転用しようと、寺の代理人を名乗って申請に来る業者が増えており、担当者は「寺に経営能力があるのか、より厳しくチェックしていきたい」と話している。
お寺を見極めて
ガイドブック「失敗しないお墓づくり」を発行する石材店経営の矢田敏起さん(36)は「墓地を購入しようとする人は、経営主体となっている寺に足を運び、寺が末永く供養してくれるのか見極めないといけない時代だ」と指摘している。
民営墓地 全国約88万か所(2007年度末)の墓地のうち、宗教法人などが経営する墓地で、寺に付随する檀家対象の「寺院墓地」と宗派を問わない「事業型霊園」に分かれ、約6万か所。自治体が経営する公営墓地は約3万。ほかに個人や集落所有の墓地が約79万と大半を占める。
(2009年10月14日 読売新聞)
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>末永く供養してくれるのか見極めないといけない時代だ。
違うよ。
「墓は、要らない。」 んだよ。