報道番組で値上げについてやっている。
「10%になるのを先取りして」、と答えている店主もいた。
それはちょっとどうかなと思うけど、
多くの小売業者は、長引く不況でコスト転嫁もままならないままでずっとやってきている。
この消費増税はこれまで出来ずにいたコスト転嫁の、「機会」「チャンス」なのです。
この機会を逃すと、もう次のチャンスはなく、あとは破綻するしかなくなるかも知れないのだと思う。
ガソリンはこういう時には必ずニュースで取り上げられ、消費者の目も厳しい。
放送のされかたも、ガソリンスタンドの経営実態を無視した“悪者扱い”にされることが多い。
ただでさえリッター当たり数円の粗利という、粗利率で言えば3%とか5%にしかならないのに、増税分が値上げになることで益々粗利率は低下する。
だから本当なら、ガソリン本体の値上げもあって然るべきなんだけど、上に書いたようなことで、そうすることが出来ないでいる。
お弁当屋さんなど小さな個人商店の値上げは、今回たとえそれが増税分以上だとしても、
この機会に今までのコスト未転嫁分を取り戻さなければ、破綻してしまうかもしれない故かも知れないと、
少しは事情を察してあげてほしいものだ。
何でもかんでも便乗値上げだと眉をひそめるのは、無神経というものだろう。
昔からの常連さん
これまで灰皿とか出されたことのない発券店値付けカードのお客さん。
今朝、運転席から降り掛けに「これ捨てといて」と声を掛けられた。
目をやると、運転席に灰皿が・・・
用意していた紙を手渡し説明を始めてみたものの、当然気分を害された。
「俺のこと知ってるやろ!? 常連やで?!」
「一体どういう事やねん?!!」
お怒りはごもっともです。
一見さんならこちらも捨て置けるのですが、長年利用してくれている常連さんです。
これはきちんとご説明しなければと思い、一先ずお待ちいただいた後、再度説明をさせて頂きました。
結果は、何とか理解していただき、
「普通のカードと同じと思っていたけど、違うかったんやな・・」と、最後は笑顔(苦笑い?)で、お帰りになりました。
お客さんを不愉快にしてしまうことが明らかなことを行うのは本当に物凄いエネルギーを消耗します。
それを想像したり実際に怒りの矛先を向けられると、気持ちが挫けて(面倒臭いし、別にもういいか)となってしまうものです。
過去、ガソリンは携行缶以外への容器への給油をお断りしたときも、「1000円分は入れるだけ」にしたときも、
アルバイトの子はそれを敬遠しました。
誰だって、お断りすることで自分が怒鳴られたりするのは嫌です。
時間給のアルバイトに、“損益”は関係ありません。
だけど、経営者には責任があります。
オイル缶へのガソリン給油で起きるかも知れない事故や事件。
粗利を無視した経営。
それらを放置していてはならないのです。
経営は自己責任で、誰も助けてはくれません。
PS
これまでに給油以外のサービスをお断りした発券店値付けカードの常連さんは、有難いことに皆さん再来店してくれています。
消耗戦の被災で、激戦地・鈴鹿で撤退相次ぐ
(4月2日ぜんせきより)
全国有数の激戦地・三重県鈴鹿市で、増税に伴う値上げ直前の先月、相次いで3店舗が店を閉じた。
いずれも消耗戦と言われる低価格競争の渦中に巻き込まれ、利益のほとんどない現状にピリオドを打った。
このうち2店は、古くから地域住民の生活を支えてきた地元SS。
ここ数年間、得意先に応援され、生き残りをかけて必死に営業を続けてきたが、安売り合戦に追い打ちをかけるような増税分の値上げという価格改定を前に、ついにSS業界からの撤退となった。
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コンビナートのある工業都市の四日市市と県群・津市とに隣接する鈴鹿市は、4年ほど前から他府県の業者が次々と進出。
北海道、滋賀、大阪、岐阜の量販店や市外の県内大手などがPB,系列を問わず出店。
派手な看板や店頭表示で、地元店が悲鳴を上げるほどのし烈な安売り競争を展開。
これら進出業者は、本拠地の地元では極端な安売りはせず、なぜか鈴鹿での販売競争に低価格でしのぎを削り、利益は度外視したかのような激しい争いを演じているという。
その傾向は最近、名張市や伊勢市など三重県下に拡大し、
規模の小さな地元SSは太刀打ちできず、青息吐息の状態に陥っているところが少なくない。
(こうした状況下、3店舗が相次いで撤退)
「弱い地元のSSを中心に店舗閉鎖が続いているが、1カ月に3店もの撤退は初めて。
3店のうちの2店は共に40年以上の歴史を持つ有力店。
弱肉強食で安売りしても勝ち残れる量販店によって、小規模の地元SSが消えていく。
寂しい限り。歯止めをかけたいのだが」
地元SSの経営者は、悔しそうに話している。
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組合がやるべきことは、「系列でも業転OKにしてくれ」ではないと思います。
価格競争という消耗戦では、資本力が大きい方に分がある。
地場の零細SSは業転OKになったとて、いつまでも持つわけがない。
負けているわけではなくても、体力が続かない。
パイの奪い合い
価格競争
3者店の対戦相手は、
仕入の時点で優位にある2者店(特約店)や子会社販社や大手量販店、そしてPB。
(※組合の幹部には大手特約店の者が多い)
仕入値に差があることも、
流通ルートが2つあることも、
その違いも、
何一つ消費者には知らされることのない中で、
同じように戦わされる。
撤退した地元SSが担ってきた小口の配達先は、その後どうするのか・・・
断ってばかりで書いたように、“次”を見つけるのも地域によっては困難になるだろう。
それを思うから
そして又、
>得意先に応援され、たりもするから
早く“一抜け”した方が傷が浅く済むと分かっていても、なかなか廃業の決断ができないところもある。
流通経路証明に関しての議員立法化が見送られるとするならば、やはり時間稼ぎだったのかも知れない。
たとえ議員立法化されたとしても、恐らく3者店の経営は苦しいままのはず。
或いは経営(資金繰り)が少し楽になったとしても、ハードの老朽化は避けられない。
その設備投資は半端ではないし、後継者がいないことも事実。
大手以外の、零細店の撤退は早いか遅いかの違いで、・・・・・いずれ消える
必要としている消費者がいたとしても、いずれ消える。
市場原理の価格競争の中で存続できる零細3者店は限られる。
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って!
これは、「今のまま」ならね。
>歯止めをかけたいのだが
そう。
masumiさんもホントにそう思ってるんですよ。
だから、ネガティブで嫌だなぁと思いながらも、そのネガティブな部分を知ってもらわないことには何も変わらないと思うから、性懲りも無く同じことを書き続ける。
自分の店だけを少し生きながらえさせるためだけなら、こんなブログは書かない。
黙って、こっそり業転玉を取れば済む。
今まで高値の系列100%でやってこれたのだもの、10円も安い業転玉を仕入れれば楽になるのは確実だ。
そうすれば、「いずれ消える」その時期は延ばせる。
だけどそれじゃあダメなんだ。
それじゃあダメなんだ。
昨晩、終わり掛けの女性キャスターのコメント。
ガソリン値上げは5円10銭。
そのうち、増税分は4円60銭でした。
・・・って、それじゃあまるでガソリンスタンドが便乗値上げしたみたいじゃないですか!?
5円10銭っていうのは全国平均の販売価格に増税分の3%を掛けた金額でしょ。
そしてその販売価格はフルもセルフもごっちゃだし、あくまでも「平均」だし、店によってバラバラなんですからね。
それからもし販売価格が全国一律だったとしても、増税分が4円60銭なら、現代では1円単位になるわけですから4円か5円になりますが、
これだけ価格競争の果てにガソリンスタンドが減少している中、何で税金分までガソリンスタンドが被らなきゃいけないのか、ってハナシですよ。