◆祈り会で旧約聖書アモス書が取り上げられた。9章しかない短い預言書である。僕は、アモスが特に好きなのである。彼は、いちじく桑の木を栽培していた一介の牧者に過ぎなかった。職業的な預言者の訓練を受けたものではなかったOnlyOneのこの男に神の言葉(神の警告)が下ったのである。そういう組織的な束縛など受けず、彼は南ユダに住んでいたのだが、北に向かい、職業預言者に不吉な預言と神の刑罰を語るアモスに南に帰れとけなされながらも、神の選ばれた民(北イスラエルも南ユダ)を神に立ち返らせようと滅びの預言をするのであった。◆いきなり読んでも何のことやらである。1章から2章に書かれているの当時の周囲ぐるりの広範囲の周辺諸国への神の審判である。なぜ、職業預言者でもない彼がそういう当時の世界情勢を把握できたのだろう。3章から6章は、”こうなるぞ”と何度も神の警告を伝える。7章からはアモスと神の対話がある。◆聖書は歴史を支配しているのは神であるとされる。地上で人が誰がなんと言おうが、それは神の被創造物にすぎない。人類の支配において地上を歩み、歴史を作ろうがそれは結局、生きておられる神の支配の下にあるということである。今のアメリカのことを思いながら、アモス書の警告を特に思わされたのである。聖書を学ぶには、大切な歴史的年代がある。紀元前1000年ころのダビデ王の王朝、そしてBC722年の北イスラエルのアッシリアによる捕囚、そして南ユダのBC586年ころのバビロン捕囚である。実にアモスが活躍したのは(神からの警告を発したのは)それら以前のBC760年ころなのである。事実歴史は、その後、アモスの必死なる警告通りに北イスラエル、南ユダ国、少なくともその地から多くの人々が捕囚となり世界に離散したのである。◆「みよ。その日があなたがたの上にやってくる。その日、彼らはあなたがたを釣り針にかけ、最後のひとりまでもりにかけて引いていく。」(4:2)「わたしは、あなた方をダマスコ(遠く北方への意)のかなたへ捕らえ移す。」主というお方がそう仰せられる。(5:27)事実、世界史はそうなったことを教えている。こういう離散して今のアメリカ大陸へ渡った一団をモルモン教は伝えているのではないだろうか。そして、実に多くの集団が理想の国つくりを夢見ながらも東に向かって遥か旅を続け、到達した国があったのである。長い年月をかけ遠く東の端の国、そう不思議の国、日本である。