空に見えるウサギさんの耳のちょっと下に今、日本が送った宇宙機が活動している事が誇らしい。
昨年9月にH-IIAロケット47号機で打ち上げられた探査機「SLIM」が先々週の金曜日に日本初となる月面着陸を果たしました。
(厳密に言うとすでに2009年に「かぐや」と「おきな」を制御落下させ運用を終え、昨年4月にはHAKUTO-Rが月面に墜落していますが)
報道されていたようにSLIMは着陸時に予定していた体勢には無くソーラーセルに太陽光が当たらなく継続的な通信を確立できていませんでした。
それでも着陸時に放った子機のSORA-Q(タカラトミーの変形ローバー)がちゃんと写真を撮っており、SLIMはエンジンの1基を喪失しており逆立ちした姿勢で静止している事がわかりました。
これまでも「はやぶさ」が小惑星イトカワ上空で放った小型ローバー「MINELVA」によって撮られたソーラーセル裏側の一部や、イトカワに映る自身の影。
世界初となる宇宙帆船「IKAROS」のカメラ子機による自撮り。
そして「はやぶさ2 」が小惑星リュウグウに着陸時にした時には自身の影だけで無く、リュウグウに接地したサンプラーホーンを映していました。
でも、今回のSLIMは他天体に着陸した宇宙機全身の姿が初めて、しかもフルカラーで送られてきたのです。
確かに予定していた体勢にはなりませんでしたが、SLIMは世界初となるピンポイント着陸を実証するために月面に行ったので、ミッションとしては大成功(フルサクセス)だったわけです。
将来的な月面活動を見越したデータ収集を行うエクストラサクセスには届きませんだしたが、アメリカやロシア(ソ連)にEU、インド、中国もまだ未達成だった「予定ポイント100m以内に着陸」を成功させたのでちゃんとSLIMは主任務を完遂していたのです。
それでも日本の運用チームはSLIMからの送信を待ち続けていました。
着陸時から「もしかしたら」、SORA-Qからの映像でSLIMが健在だと分かってからは「きっと」と待ち焦がれていたこの姿勢でのソーラーセルに太陽の光が当たる時期が9日目にしてとうとうやってきて、遂に昨日SLIMが目覚めたのです。
おはよう!すりむーん。 お寝坊だね。 目覚めのご機嫌はいかが?
SLIMは高精度着陸実証機であり、月面をくまなく探査する機能は搭載されていませんから、これまでの定説をひっくり返すような大きな発見があるわけではないかも知れません。
この場所この角度で日光が当たるのは31日までだそうで、それ以降次に日が当たる来月半ばがやってきてももう目覚めない可能性が高いと言われています。
しかし今回の成功は間違いなく2029年に月面に送られる予定のトヨタルナクルーザーに活かされる訳ですし、今後の他天体への進出にも大きな一歩となったはずです。
残念なのは自分の残りの人生においては他天体どころか地球から離れる事すら叶わない事です。
娘の世代もおそらくは一般的な収入では難しく、やっと孫の世代で叶う事なのでしょうけれど、その宇宙進出が日本人にとって輝かしい(宇宙規模の戦争だとか、他天体生命体による侵略からの避難等では無く)物である事を願うばかりです。
ってか、宇宙に行ける可能性がある孫が羨ましくて仕方無い!!!!
と、まだ見ぬ孫に嫉妬。
……ってなんか孫の事を考えているの、起きたら「パパ、話があるんだけど……」って娘に言われるフラグか?
いや……それはまだ早い……ってか心の準備が……