慶応義塾大学と日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP、東京都世田谷区)が東京都港区で開催した「第20回ベンチャープライベートコンファレンス in KEIO」の話の続きです。今回は、米国カリフォルニア州のシリコンバレーというベンチャー企業がどんどん誕生する背景の一端を伺いました(その理由を少し分かった気になった程度です)。
3月8日午後の特別セッション「Facebook上場後のシリコンバレーの未来」は、カリフォルニア州シリコンバレーでベンチャーキャピタル(VC)のブルーシフト・グローバル・パートナーズ(Blueshift Global Partners)の代表(Principal)を務める渡辺千賀(ちか)さんが最近の動向を解説しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/58/897b35781fe8b80b78e10ec503a5f009.jpg)
渡辺さんはシリコンバレーの最新動向を伝えるブロガーとして有名な方です。
以下、渡辺さんの解説を基に、日本と米国の起業システムの違いをかいつまんでお伝えします(正確には、米国の起業制度の違いを理解しないと分からない点がありますが、ここでは大雑把にお伝えします)。
シリコンバレーには、ベンチャー起業を育成する、“起業家養成学校”とでもいうべきインキュベーター組織・施設のワイ・コンビネーター(Y Combinator)とファイブハンドレッド・スタートアップス(500 Startups)があり、ここから新しいベンチャー企業が次々と誕生し、次の成長段階(事業化段階)に旅立っていくそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/59/b4bebef2d6b8b279e853bb1cacde8114.jpg)
こんな“起業家養成学校”はそもそも日本にはありません。経済産業省系の中小企業基盤整備機構がつくった施設はありますが、ここではシリコンバレーほどの激しい生き残り競争はないと思います。
“起業家養成学校”は1年間に数回、ビジネスプランを募集します。その応募者(起業を考える数人のグループが単位)の中から数10社を選んで、入学させます。ビジネスプランが選ばれて、無事に入学できる応募者の選別度は「米国の名門大学のハーバード大学に入学するよりはるかにレベルが高く、難しい」と渡辺さんは説明します。
選ばれた数10社(数人で起業を考えるグループ)は一般的に3カ月間で、自分のビジネスプランを磨き上げます。起業家養成学校では、起業に役立つ講演や勉強会が開催されるそうです。この3カ月間は、起業のビジネスプランをお互いに磨き合い、いい案に仕上げていくそうです。
3カ月後(あるいは途中でも)に、“デモデー”(demo-day)というブジネスプランを投資家に説明する日を迎えます。投資を受けることができれば、卒業です。シリコンバレー特有の現象は、エンジェルと呼ばれる小金持ちの個人が、こうしたベンチャー企業の創業志願者グループに対して投資する仕組み・習慣です。
ここからが日本とシリコンバレーとの大きな違いです。現在、シリコンバレーで誕生するベンチャー企業の創業志願者グループに、一人当たり2万~4万ドル(200万~400万円)を争って投資するのだそうです。シリコンバレーでは、創業志願者グループはエンジェルたちから、結果的にある程度のまとまった投資金を集められる仕組みです。日本では集まらない金額になります。
カリフォルニア州には、小金持ちの方がエンジェルになるという、一種のバブル現象になっているそうです。エンジェルは1年間に10数のベンチャー企業の創業志願者グループに投資し合っているそうです。こんなベンチャー企業の“赤ん坊”への初期投資によって、ひと儲けしようという人が多いのだそうです。
シリコンバレーは、優れた起業プランを描くことができれば、起業のビジネスプランまでは到達できる点では、世界的に希有な地域といってよさそうです。
これに対して、エンジェルから投資を受けたベンチャー企業の創業志願者グループは、事業プランを磨き、次にはベンチャーキャピタルからまず“シリーズA”という投資を受ける試練を受けます。米国でも、ベンチャーキャピタル群から投資を集めるのは厳しい状況になっているそうです。この点は、以前のITベンチャーブームの時代とは異なるようです。投資を受けられず、消滅するベンチャー企業の創業志願者グループも当然、あります。
優れた事業プランを立て、ベンチャーキャピタル群から何回かの投資を集めることができれば、グーグル社やフェースブック社のように大きな企業に成長し、大きな事業売上げを獲得できます。そして、IPO(新株公開)できれば、エンジェルは巨額のリターンを得ることができます。もちろん、幸運が必要ですが。
ベンチャーキャピタル群は少数派の有望なベンチャー企業に対しては思い切った投資を行うようです。シリコンバレーは日本ではほとんど想像できない行動をとるエンジェルという人々が多い地域です。
3月8日午後の特別セッション「Facebook上場後のシリコンバレーの未来」は、カリフォルニア州シリコンバレーでベンチャーキャピタル(VC)のブルーシフト・グローバル・パートナーズ(Blueshift Global Partners)の代表(Principal)を務める渡辺千賀(ちか)さんが最近の動向を解説しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/58/897b35781fe8b80b78e10ec503a5f009.jpg)
渡辺さんはシリコンバレーの最新動向を伝えるブロガーとして有名な方です。
以下、渡辺さんの解説を基に、日本と米国の起業システムの違いをかいつまんでお伝えします(正確には、米国の起業制度の違いを理解しないと分からない点がありますが、ここでは大雑把にお伝えします)。
シリコンバレーには、ベンチャー起業を育成する、“起業家養成学校”とでもいうべきインキュベーター組織・施設のワイ・コンビネーター(Y Combinator)とファイブハンドレッド・スタートアップス(500 Startups)があり、ここから新しいベンチャー企業が次々と誕生し、次の成長段階(事業化段階)に旅立っていくそうです。
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こんな“起業家養成学校”はそもそも日本にはありません。経済産業省系の中小企業基盤整備機構がつくった施設はありますが、ここではシリコンバレーほどの激しい生き残り競争はないと思います。
“起業家養成学校”は1年間に数回、ビジネスプランを募集します。その応募者(起業を考える数人のグループが単位)の中から数10社を選んで、入学させます。ビジネスプランが選ばれて、無事に入学できる応募者の選別度は「米国の名門大学のハーバード大学に入学するよりはるかにレベルが高く、難しい」と渡辺さんは説明します。
選ばれた数10社(数人で起業を考えるグループ)は一般的に3カ月間で、自分のビジネスプランを磨き上げます。起業家養成学校では、起業に役立つ講演や勉強会が開催されるそうです。この3カ月間は、起業のビジネスプランをお互いに磨き合い、いい案に仕上げていくそうです。
3カ月後(あるいは途中でも)に、“デモデー”(demo-day)というブジネスプランを投資家に説明する日を迎えます。投資を受けることができれば、卒業です。シリコンバレー特有の現象は、エンジェルと呼ばれる小金持ちの個人が、こうしたベンチャー企業の創業志願者グループに対して投資する仕組み・習慣です。
ここからが日本とシリコンバレーとの大きな違いです。現在、シリコンバレーで誕生するベンチャー企業の創業志願者グループに、一人当たり2万~4万ドル(200万~400万円)を争って投資するのだそうです。シリコンバレーでは、創業志願者グループはエンジェルたちから、結果的にある程度のまとまった投資金を集められる仕組みです。日本では集まらない金額になります。
カリフォルニア州には、小金持ちの方がエンジェルになるという、一種のバブル現象になっているそうです。エンジェルは1年間に10数のベンチャー企業の創業志願者グループに投資し合っているそうです。こんなベンチャー企業の“赤ん坊”への初期投資によって、ひと儲けしようという人が多いのだそうです。
シリコンバレーは、優れた起業プランを描くことができれば、起業のビジネスプランまでは到達できる点では、世界的に希有な地域といってよさそうです。
これに対して、エンジェルから投資を受けたベンチャー企業の創業志願者グループは、事業プランを磨き、次にはベンチャーキャピタルからまず“シリーズA”という投資を受ける試練を受けます。米国でも、ベンチャーキャピタル群から投資を集めるのは厳しい状況になっているそうです。この点は、以前のITベンチャーブームの時代とは異なるようです。投資を受けられず、消滅するベンチャー企業の創業志願者グループも当然、あります。
優れた事業プランを立て、ベンチャーキャピタル群から何回かの投資を集めることができれば、グーグル社やフェースブック社のように大きな企業に成長し、大きな事業売上げを獲得できます。そして、IPO(新株公開)できれば、エンジェルは巨額のリターンを得ることができます。もちろん、幸運が必要ですが。
ベンチャーキャピタル群は少数派の有望なベンチャー企業に対しては思い切った投資を行うようです。シリコンバレーは日本ではほとんど想像できない行動をとるエンジェルという人々が多い地域です。
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