ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

DeNAのモバゲー世界展開と横浜DeNAベイスターズ買収のお話を拝聴しました

2012年03月09日 | イノベーション
 日本プロ野球のオープン戦が始まった、この時期に「DeNAモバゲーの世界展開と横浜DeNAベイスターズとの連携」というお話を伺いました。講演タイトルが主催者が発表したものと、実際のタイトルは少し異なっていました。

 講演者は国際企画室長の土井隆さんです。


  
 土井さんは語り口のやわらかい、いかにも賢そうな紳士です。



 本体の従業員数が697人の企業規模でも、優れた人材を確保していることが伺えます。

 DeNAは「ソーシャルゲーム事業」と「プラットフォーム事業」を展開しています。同社の特徴は両事業ともに、携帯電話機やスマートフォンなどのモバイル機器向けになっていることです。ここが同社の強みになっています。

 ソーシャルゲーム事業とは“モバゲー”(mobage)という「怪盗ロワイヤル」などが有名なゲーム提供事業です。ゲーム自身は無料で楽しめますが、そのゲームを有利に進めるための“アイテム”は有料です。このアイテムの販売が大きな事業収益源になっています。

 DeNAは2009年10月にモバイル機器向けソーシャル向けのゲーム事業を本格展開し始めてから、事業売上げと同収益が急激に伸びています。2012年3月の四半期の売上げ予想は1440億円、経常利益が615億円という立派な数字です。この中の90%近くをソーシャルゲーム事業が占め、業績を伸ばしています。

 プラットフォーム事業は同社のルーツであるネットオークション、ネット販売です。“ビッターズ”(bidders)というブランド名で展開しています。先行するヤフーなどに対して、モバイル機器向けに先行することで浮上しました。

 今回の講演タイトルの“世界展開”は2008年9月から準備を始め、米国や中国、韓国などに「ソーシャルゲーム事業」と「プラットフォーム事業」を展開し始めています。



 「ネット上での決済サービスなどのEC(エレクトロニックコマース)事業の基盤技術やサービスノウハウを持っていることが強み」と説明します。海外で、事業開発部門を持っている理由の一つは「日本に比べて、安い人件費で人材を確保できるケースと、日本には無い、海外での独自のゲームを制作できる人材を確保するケース」と解説します。後者はスェーデンとオランダの開発拠点を示しています。

 現在、DeNAのユーザーは20代と30代が大部分です。これに対して、2011年12月にプロ野球球団の横浜ベイスターズを買収し、球団オーナーになったことの理由として「プロ野球ファンの中核である40歳代から60歳代に、DeNAを知ってもらい、良質なエンターテイメントを提供すること」と説明します。逆に、同社のソーシャルゲーム事業の大部分を占める10歳代から20歳代を合わせた約3600万人に、横浜ベイスターズのファンになってもらうことで、同球団の事業収支を改善するようです。

 DeNAの国際展開は、同社の強みであるモバイル機器向けの「ソーシャルゲーム事業」の基盤技術を移植して、ゲーム市場・ユーザーを国際的に獲得することです。これに対して、日本では同社のユーザーの世代を拡大することが狙いのようです。理にかなった事業展開です。日本企業として、サービス事業で国際展開を図る先頭を走る考えです。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オープン戦 (ベイスターズ)
2012-03-09 08:11:39
横浜ベイスターズは今年のオープン戦は好調です。中畑監督だけが目立つとの評判もありますが、選手たちが観客を呼ぶために頑張っているようです。
返信する
女子割りでは (左門豊作)
2012-03-09 18:31:02
横浜DeNAベイスターズは、日替わりで試合チケットを割り引くことを始めるそうです。
この中で女性であれば割り引く「女子割り」という割引も実施するそうです。
この時に、男性が女装しても「女子割り」の対象になるといううわさが広がっています。
本当に女装を実行する男性は現れるのでしょうか。話題を呼ぶためのうわさのようです。
返信する
ライバルGREE (鵜の目)
2012-03-11 02:48:01
DeNAとGREE(グリー)は現在、ゲーム内容の類似やゲーム制作会社への関与(?)などで、係争しています。
この点を考えても、DeNAはライバル企業の存在があり、そこと競い合いながら、国際展開を図っています。ライバル企業がいるので、いい意味での規律ができている気がしています。
返信する

コメントを投稿