とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

立川談春独演会に行きました。

2024-08-05 17:50:48 | 落語
 電力ホールで行われた立川談春独演会に行きました。芸歴40周年だそうです。演目は「品川心中」と「らくだ」。今回特に期待してたのは「らくだ」。落語会にしては珍しく、事前に「らくだ」をやると明言していたのである。

 「らくだ」はたくさんの人がやるが、全部やるのはめったにない。もしかしたら全部語ってくれるかなと期待していたのですが、やはり残念ながら途中までだった。もちろんそれでも談春師匠の語りの見事さは堪能できました。

 「らくだ」という演目はとにかくシュールで、こんな話だれが考えたんだろうと研究したくなる話です。とにかく奇想天外なストーリーで、それを噺家が工夫を重ねて現在の形にしたのだと思います。ユーチューブでも聞くことができるので、興味のある方は全編聞いてみてください。

 いつもは談春師匠の独演会は満席なのですが、今回は残念ながら空席が目立ちました。テレビに出ているときはいいのですが、談春師匠もしばらくドラマに出ていなかったからだと思います。やっぱりこういう仕事はシビアなんだなと感じてしまいました。もちろん、それでもこれだけのお客を呼べる落語家はほかにはいません。

 これからが噺家としての良さが出て来る年齢です。今後とも活躍を期待しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

林家木久扇師匠「笑点」卒業

2023-08-29 06:30:00 | 落語
昨日「24時間テレビ」で林家木久扇師匠が来年の3月で「笑点」を卒業することを発表した。私にとって木久扇師匠こそが「笑点」の顔だったので、大げさに聞こえるとは思うが、「ひとつの時代の終わり」のように感じられる。

木久扇師匠は今年85歳である。「笑点」を見ていても痛々しい感じがして、そろそろ潮時かなという気はしていた。とは言え、「笑点」に初期のころより出演して、「与太郎」を演じてきた。「落語家らしい」落語家ではなく、「落語らしい」落語家だった。それが人気だったのだと思う。

木久扇師匠の「卒業」はとても残念ではあるがしょうがない。しかし木久扇師匠の「卒業」をしょうがないと感じるように、自分の老いを実感せざるを得ない。終わりが近づいているという気持ちは、いいものではない。これからは終わりゆく時間を楽しむと思うしかない。

木久扇師匠の引退まであと半年もある。年齢も年齢なので健康には十分気をつけて、与太郎を演じてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柳家喬太郎独演会に行きました。

2023-05-17 15:41:46 | 落語
 山形県の川西町フレンドリープラザで開催された「柳家喬太郎独演会」に行きました。喬太郎師匠は自分でも強調していましたがあまりメディアにはでません。そのために一般的な人気はテレビによく出る落語家さんたちよりは若干下回ります。しかし今の落語会ではトップレベルの実力です。上手いだけではなく面白い。しかも古典も新作もやる。ついでにウルトラマンも詳しい。そんな喬太郎師匠の独演会、楽しい時間をすごさせていただきました。

 川西町フレンドリープラザというのは、井上ひさしさんの生まれた川西町小松につくった施設です。井上さんから贈られた井上さんの蔵書による遅筆堂文庫と川西町図書館とホールでできた施設です。県外からいらっしゃる方にはアクセスが少し不便ですが、地域文化の拠点となっています。

 今回の演目は「普段の袴」「社食の恩返し」「品川心中」。「社食の恩返し」は新作落語。「品川心中」は前半のみ。後半は近年演じる人はほとんどいないとウィキペディアに出ていました。先日ここに書いた「子別れ」の逆のパターンですね。ぜひ通しで聞いてみたい。

 喬太郎師匠は女性を演じるのが実にうまい。笑いの中にしみじみとした情緒がある。膝を悪くしているようだが、年齢的にはこれからが落語家として一番円熟する時期です。さらに素晴らしい落語を聞かせてほしいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立川談春独演会に行きました。

2023-05-14 06:41:27 | 落語
5月12日(金)に仙台市電力ホールで行われた「立川談春独演会」に行きました。談春師匠の語り芸を堪能するとともに、珍しい試みを楽しませていただきました。

今回の落語会の演目は「子別れ」だけ。中入りを挟んでほぼ2時間ずっとひとつの噺だったのです。「子別れ」は前に聞いたことがある噺だったのですが、そんなに長い話ではなかったはず。

調べてみると近年演じられるのは後半部分で、今回は前半部分も演じてくれたのでした。前半は酒好きで仕事に疎かになって、妻にも尊大になってしまう夫婦の別れまでの話で「強飯の女郎買い」と呼ばれることもあるそうで、後半は夫が酒を断ってまじめに働きだし、夫婦が元の鞘に収まるまでの話で、「子は鎹」とも呼ばれています。

前半と後半がまるで違う話のようにも聞こえます。しかし人情噺というのはもともと長いものが多かったようです。今回の談春師匠の挑戦は歌舞伎の通し狂言のようなものと言ってもいいのでしょう。

なるほど、全体の構成がよくわかるし、前半の滑稽噺のようなおもしろさと、後半の人情噺のおもしろさがしっかりと味わうことができました。

今年、談春師匠は三三師匠と圓朝の「牡丹燈籠」のリレー落語を行っているそうです。とても興味があります。可能ならば聞きにいきたいと考えています。チャレンジを続ける談春師匠を応援したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風亭一之輔独演会に行きました。

2022-10-22 18:25:38 | 落語
 山形市遊学館ホールで開催された「春風亭一之輔独演会」に行きました。

 若手落語家ナンバーワンといっていい春風亭一之輔師匠は山形によく来てくれます。今回は遊学館ホールという狭いホールでの落語会です。広さが寄席の雰囲気に似ているので、落語にはよく合うホールです。そこでの落語会。とても楽しめました。

 最初はダブルブッキングして日程が変更になったことを語ります。一之輔師匠のミスです。これがおもしろい。普段は少し生意気さを演じることが多い一之輔師匠ですが、さすがに恐縮して笑いを生みます。

 今回の演目は「味噌蔵」と「猫の災難」。どちらも酒の失敗話です。飲まなきゃやってられないということなのでしょうか。

 疲れがたまっていて厳しい日が続いていたのですが、いい気分転換になりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする