とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

放送大学山形学習センターの面接授業「オーケストラの世界を探求する」を受講しました。

2024-12-19 13:36:24 | 音楽
放送大学面接授業「オーケストラの世界を探求する」を受講した。大変興味深く、学びの大きい授業だった。

講師は
西濱 秀樹氏
(公益社団法人山形交響楽協会・専務理事)
阪 哲朗氏
(山形交響楽団常任指揮者)
成田 寛氏
(山形交響楽団契約首席ヴィオラ奏者)

オーケストラはたくさんの人たちが関わっている。もちろん指揮者、そして演奏者は当然である。しかしそれだけではない。演奏会では、客演となる演奏家もいる。オペラの場合は楽団外から歌手を招くことになるし、演出家もいる。さらには会場のスタッフの人たちのもいる。そして楽団の職員の方々もいるし、宣伝のためのポスター、パンフレットを作る人もいる。オーケストラという組織を運営していくことは並大抵のことではない。みんなの言うことをすべて聞いていれば何もできなくなるし、かといって強引に物事を進めて行けば空中分解するだろう。西濱氏、阪氏、成田氏の話を聞いていて、一番感じたのは、それぞれの方々の前向きな思いと、人との関係を大切にしていこうとするその方向性だった。こういう方々だから、オーケストラという組織が運営できるのだと感じられた。

特におもしろかったのは、演奏者が指揮者を見ているのかという話題だった。素人の私は、オーケストラは指揮者に絶対的な権限があるように思い込んでいたのだが、演奏者は演奏者同士の感覚の共鳴みたいなものがあり、それも大切にしながら、指揮者の意図をくんでいくいくような、からみあった関係性の中で演奏は出来上がっていくということに気付かされた。やはりオーケストラは組織であり、その組織が機能しているからこそうまくいくのである。

そしてその組織は地域に広がらなければいけないことも理解できた。演奏会に来てくれる観客はもちろん、支援する行政や、民間企業などの存在が不可欠であり、それが逆に地域の活性化につながる。実際に「やまぎん県民ホール」は何度も訪れているのだが、遠方から訪れる人もかなり多くいるようであり、ロビーでの会話を聞いていても全国区のような印象を受けることも多い。立地もいいし、これからも多くのコンサートや演劇で使われていくであろう。ここしばらくは東北の文化の発信基地となることが期待される。その中核に山響があるということがわかった。

私はもともとオーケストラというよりも、演劇が好きでそこからオペラに興味を持つようになり、時々東京でオペラを見ていた。ニューヨークでメトロポリタンオペラを見たこともある。山響のオペラも「やまぎん県民ホール」ができてからはよく聞きにきている。その中で、オペラの演出家と指揮者との関係に興味を持って、そのことを質問させていただいた。阪氏の回答は、関係性が伝わって来た。相手を尊重しながらも、自分を主張していく表現者の姿勢が、いいものを作り出していくのだと感じた。

「やまぎん県民ホール」は、新型コロナでつまづいたようなスタートになってしまったが、見事に挽回している。今後も山形の文化の発展に期待したいと感じる授業だった。
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矢野顕子さんの「さとがえるコンサート2024」に行きました。

2024-12-09 18:44:11 | 音楽
昨日山形市の「やまぎん県民ホール」で開催された矢野顕子さんの「さとがえるコンサート」に行ってきました。歌のすばらしさを堪能するコンサートでした。

矢野さんは40年ほど私が前に東京で学生だったこと、ラジオ関東(今はラジオ日本)のDJをしていて(不定期に日替わりでDJをする番組でした)、その番組をよく聞いていました。音楽の自由さを感じさせる歌をたくさん歌っていた印象があります。

その矢野さんのコンサートに初めて行くことができました。これが本当にすばらしい。いくつかの曲は感動して涙がでました。

一番感動したのはMISIAのために矢野さんが書いた「希望のうた」です。MISIAの歌い上げる歌もいいのですが、矢野さんの語り掛けるような歌い方はもっと心に響きました。今日もあのメロディが何度も頭の中に流れてきます。

やっぱり歌の力はあります。歌の力は人々の心に響きます。これは政治や軍事力、経済などの直接的な力ではありませんが、人の心に栄養を与える力です。そんな力を大切にしたいと思うコンサートでした。
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坂本龍一さんのこと

2023-04-03 08:35:15 | 音楽
 坂本龍一さんが亡くなった。病状が思わしくなく厳しい状態が続いていたことはわかっていたので覚悟はしていたが、やはりショックは大きい。

 坂本さんの音楽をよく聞いていた。YMOの時代はそれほど聞いていなかったが、その後のソロ活動、あるいはコラボレーション活動で作り出した曲は、本当に繰り返し何度も聞いていた。

 ソロ活動では、「SELF PORTRAIT」は永遠の名作である。この感覚は他にはない。唯一無二の曲だと思っている。映画音楽もいい。

 大貫妙子さんとのコラボはすばらしい。初期の大貫さんの作品の数多くのアレンジを坂本さんが手掛けており、透明感のある魅力的な曲に仕上げている。

 2010年の発表された『UTAU』というアルバムでは、坂本さんのピアノで大貫さんが歌っていて、透明感とともにノスタルジーを感じさせる名作となっている。そのコンサートを仙台で聞いた。宮城県民会館で開催されたコンサートはとても思い出に残っている。その中で坂本さんは仙台の光のページェントについて、電力の無駄だからやめればいいのにということを言っていた。坂本さんらしい言葉だった。その数年後、東日本大震災が起きた。

 ヴァージニア・アストレイとのコラボ『サム・スモール・ホープ』も名作です。

 坂本さんの曲は私に大きな影響を与えたくれました。ご冥福をお祈りします。
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「夏の柊」ライブに行きました。

2022-08-28 07:44:35 | 音楽
 「夏の柊」は吉田美奈子、森 俊之、石井 彰、石井智大、金澤英明によるバンド(?)です。そのメンバーによるライブが新宿Pitinnで開催されました。8月26日の初日に聞きにいきました。すばらしいライブでした。

 吉田美奈子さんは、ここしばらく石井彰さんと、金澤英明さんのデュオ「譚歌」に参加して、スタンダードなジャズナンバーを歌っています。以前、吉田美奈子さんは森俊之さんと全国を回っていました。そのツアーは主に吉田さんの曲を歌うものです。それに石井彰さんの息子さんの、弦楽器奏者石井智大さんが加わり、主に吉田美奈子さんの曲を歌うのが、この「柊」というプロジェクトで、夏に関する曲を歌うのがこの「夏の柊」ということのようです。

 メンバーはみんな一流のミュージシャンです。とにかくうまいし、作りあがられた音楽はかっこいいし心地いい。しかしライブならではの緊張感も伝わってきます。音楽に身をゆだねながら、それでいて刺激がビンビンと伝わってきます。

 今回のライブではジョニミッチェルの「リバー」を歌ってくれました。ジョニミッチェルの名曲です。私の大好きな曲です。「川があれば、スケートに乗って遠くに行けるのに」という、今は遠くにいる人に会いに行きたいという曲です。亡くなったかつての仲間たちへの追憶なのかもしれません。

 吉田美奈子さんの歌はいよいよ円熟をましてきました。これからのさらなる活力を期待します。
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ジョニ・ミッチェルがステージに

2022-07-28 07:45:10 | 音楽
 ジョニ・ミッチェルがステージに立ったというニュースが流れていた。感動的な出来事だ。

 ジョニ・ミッチェルは2015年に脳動脈瘤により倒れ、かなりの重病だと報道されていた。再びステージで歌うことはないだろうと思っていた。しかし7月24日、ニューポート・フォーク・フェスティバルにサプライズ出演し、13曲パフォーマンスした。その模様はユーチューブで見ることができる。

 ジョニ・ミッチェルの名曲「Both Sides Now」は様々な場で聞くことができる。日本では「青春の光と影」という曲名で有名な曲である。最近では今年のアカデミー作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」で主人公が歌っていた。

 この曲、最初はいわゆるフォークソングのような印象の曲だった。この曲を2000年に本人がセルフカバーしている。それがいい。もはやジョニミッチェルというジャンルにしか入れることができない曲になっている。

 今回もジョニ・ミッチェルは「Both Sides Now」を歌っている。人生の歌声だった。
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