とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『吾輩は猫である』の読書メモ⑩「第十章」

2023-03-30 06:42:58 | 夏目漱石
 『吾輩は猫である』を読んで、メモしていく。今回はその10回目。第十章。やっとここまで来た。

【ばぶ】
 警察が来たその翌日、苦沙弥先生は警察に盗難品をとりに行くために早起きしなければならない。しかしなかなか起きない。ようやく起きて朝ご飯を食べる。
 三人の娘も一緒にご飯を食べる。この様子がほほえましい。頑固おやじとかしまし娘である。明るい家庭小説になっている。
 三女は雑巾で顔を洗う。それをやめなさいと姉に言われると「いやーよ、ばぶ」と口ごたえする。いくらちゃんの得意技「ばぶー」は昔からあったオノマトペだったことがわかる。

【警察嫌い】
 苦沙弥先生は探偵が嫌いである。この場合の探偵は警察官のことを言っている。
 「探偵というものには高等な教育を受けたものがないから事実を挙げる為には何でもする。あれは始末に行かないものだ。」
 犯人をでっちあげることも辞さない警察に対しては手厳しい。国家権力と手を結ぶ傾向がある警察という組織は、今も昔もあまり変わらない。

【魂胆は不幸の始まり】
 苦沙弥の姪の雪江が訪れる。八木独占から聞いた石地蔵の話をする。八木はその話をしたあと次のように言ったようである。
 「人間は魂胆があればあるほど、その魂胆が祟って不幸の源をなすので、多くの婦人が平均男子より不幸なのは、まったくこの魂胆がありすぎるからである。」
 後段は問題ある発言だが、前段はその通りだ。

【金田嬢への恋文】
 苦沙弥の生徒がやってくる。金田嬢をからかうために恋文を送った友人がいる。その友人から頼まれたので自分の名前を貸したという。気が弱いためにそのことが大事になるのではないかと相談に来たのである。苦沙弥は親身になんか決してならない。冷淡である。さっさと返してしまう。

【寒月】
 そこの寒月がやってくる。寒月は金田嬢との結婚話についてどうでもいいというような態度をとる。

 この小説、話がまとまりがなくなってきた。しかし次が少し長めの最終章である。いったい結論がつくのであろうか。
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今期のドラマ

2023-03-27 11:05:40 | TV
 今期のドラマは期待外れのものもあったのですが、逆に期待以上のものもあり、結局たくさん見てしまいました。

 今期のドラマで最後までみたものは5つです。中でも私が一番好きだったのは『リバーサルオーケストラ』と『リエゾン』です。


 『リバーサルオーケストラ』はドラマの王道を行くようなドラマで、いつも癒されていました。楽しくて心がかるくなる作品でした。門脇麦さんの魅力が伝わってきます。

 『リエゾン』は発達障害をテーマにしたドラマです。発達障害はそんなに単純なものではありません。個性と障害の境目はあまり明確ではないし、発達障害の子供とどう接するべきか、明確な解答はありません。特別扱いしすぎてもうまくいかないし、かと言って他の子と同じに接してもうまくいきません。むずかしい障害です。しかし誰もがしっかりと目を向けなければいけない障害です。発達障害を多くの人に理解してもらい、みんながより生きやすい世の中にするためにも多くの人に見てもらいたいドラマでした。その意味では夜遅い時間に放送されていたのはちょっと残念です。

 他に『女神の教室』『罠の戦争』『今夜はすきやきだよ』を毎回見ていました。どれも肩の凝らないいいドラマでした。

 来期も期待のドラマがたくさんあります。楽しみにしています。
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映画『コンパートメントNo.6』を見ました。

2023-03-26 14:36:17 | 映画
 2021年・第74回カンヌ国際映画祭のグランプリ作品『コンパートメントNo.6』を見ました。生きることのつらさをぶち破る映画でした。

 おそらく30年ほど前という時代設定なのだと思われます。ウィンランドからの留学生ウララは恋人と一緒にムルマンスクのペトログリフを見に行く予定だったが、恋人が突然キャンセルして一人で旅することになる。おそらく恋人はほかのパートナーができ、二人の関係は終わったのです。ウララの旅は絶望の旅です。恋人と一緒に乗る筈だった寝台列車の部屋にロシア人の労働者リョーハが乗っています。彼は酒を飲み、ウララに粗暴で猥褻な態度で接してきます。最悪な旅になってしまいます。しかし、彼らは次第に打ち解けていきます。本音で迫るリョーハは実はまっすぐで嘘がない人間であり、人を大切にしてくれる優しい人間であることがわかってきます。

 私たちは不器用です。だから人から誤解され、生きていくのは簡単ではありません。時には苦しくてしょうがない時期もあります。しかし前を向いて生きていくしかないのです。ウララの旅はそのことを確かめることができた旅になりました。

 困難の中にこそ希望がある、そんな勇気をもらえる映画でした。
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映画『いつかの君にもわかること』を見ました。

2023-03-25 07:35:02 | 映画
 『おみおくりの作法』の監督ウベルト・バゾリーニの作品、『いつかの君にもわかること』を見ました。淡々とした映像が感動を呼ぶ映画でした。

 不治の病を患っていて死期が迫っている父親と一人息子が二人で生活しています。父親は息子を養子縁組してくれる家族を探します。様々な家族がいて父親は悩みます。仲介役のソーシャルワーカーの献身的な努力にもかかわらず、父親の悩みは深まり、そしていよいよ体も思うようにいかなくなります。父親の苦しむ姿が胸を打ちます。

 いつか父親も息子も「死」を受け入れるようになります。息子は父の死後も父を忘れることなく、大人になっても父親とつながり続ける、そう見ている人は感じます。父親が選んだ受け入れ家族も、心の痛みがわかり、父親の気持ちがわかる人だったと思います。

 余計な説明はありません。説明は登場人物を描写する映像によってなされます。だからこそ見ている人の心に直接に響きます。

 とてもいい映画でした。

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WBCはすごかった

2023-03-22 13:26:00 | スポーツ
 WBCはすごかった。もちろん日本が優勝したから言えることだが、こんなに楽しませてもらった大会はめったにない。

 もちろん問題もある。組み合わせや試合日程が日本やアメリカが有利にできているように見えたし、アメリカの試合日程が直前に変わったり、きちんとした大会とはなっていなかったのは事実である。もともとはメジャーリーグが開幕前のちょっとしたイベントとしてやっていた大会という位置づけだったので、そういう出鱈目な部分が残っているのだと思われる。

 しかし、回を重ねるたびにアメリカも本気になってきた。そして今回はかなり本気で戦いを挑んできた。出場選手もレベルアップしてきた。この大会の意義が上がってきたからであり、そうなるようにアメリカ以外の各国が努力してきたからである。だんだん本物の大会になってきた。

 そんな中で日本はマンガのように「夢を実現する」かのような試合をしてきた。こんなにスカッとする大会に、日本中が熱狂した。

 この大会にかかわった監督やコーチ、選手たち、そしてスタッフの方々の努力を称賛したい。
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