聾唖者の両親と兄と、健常者の娘の家族を描く映画『コーダ あいのうた』を見ました。
家族愛の美しさを描いた感動的な映画でした。
あらすじ
両親と兄が耳が聞こえない4人家族。その中で唯一耳が聞こえる高校生のルビーは、家族のために手話通訳となり、家業の漁業を手伝う日々を送っていた。ルビーはひょんなことから合唱クラブに所属することになり、顧問は彼女の歌の才能に気づく。顧問はバークレー音楽大学への受験を勧める。しかし家族はルビーの通訳がなければ家業の漁業に支障が生じるため反対する。夢と現実の中で苦しみながらも、ルビーは精一杯の努力を続けるがさまざまなトラブルが押し寄せる。
監督 シアン・ヘダー
出演 エミリア・ジョーンズ、 トロイ・コッツァー、ダニエル・デュラント、マーリー・マトリン、エウヘニオ・デルベス、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
耳が聞こえないというのはどういうことなのでしょう。手話や文字によってコミュニケーションは可能なのですが、現実の生活の中では困難なことも多いということがこの映画ではわかります。だからこそ家族のきずなは強くなります。そんな家族のすばらしさが見事に表現されています。家族は自分勝手なことをいつでも言える存在であり、だからぶつかり合うこともあるのですが、お互いを尊重し、助けてくれる存在です。家族という土台があるからこそ、自由に生きていけることがよくわかります。
クラブの発表会で、父親の立場の演出になり、映画の音が消える場面が印象的です。父親は周りを見て、耳の聞こえる観客たちの表情やしぐさを見て、みんなが感動し喜んでいる姿を見ます。それによって自分の娘の歌の才能を認識することができます。直接娘の声を聴くことができないことの悲しさと、娘が評価されていることのうれしさ、歌う娘への愛おしさが見事に描かれます。
両親と兄は実際の聾唖者が演じているそうです。だからこそのリアリティがあります。
純粋な感動につつまれるすばらしい映画でした。