とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「羅生門」④〔今昔物語「羅城門」との比較〕

2019-01-31 15:11:02 | 国語
 「羅生門」は誰もが知る通り今昔物語集の「羅城門」をベースに書かれている。「羅城門」と「羅生門」の違いに作者の何らかの創作意図が現れると考えるのは自然な読み方である。では「羅城門」と「羅生門」の違いは何か。われわれは「羅生門」のほうをよく知っているので、成立とは逆になるが、「羅生門」をベースにして「羅城門」がどう違うかを述べていく。

 ①「下人」は「下人」ではなく、ただ盗みをするために上京した男である。だから「盗人」という名詞で示される。

 ②時刻は「日のいまだ明かかりけ」る時刻であり、「暮れ方」ではない。男は明るかったので「羅城門」の下に隠れていたのである。

 ③男は何も悩んではいない。年齢もわからない。

 ④男は単に人が多かったので隠れる意味で上層に上った。雨風をしのぐためではない。

 ⑤媼が抜いていたのは、死んでしまった自分の主の髪の毛である。この髪の毛をぬいて鬘にしようとしていた。この鬘をどうしようとしていたのかは書いていないが、自分が使うと考えるのが自然である。だとすれば形見にしようとしていたとも考えられる。

 ⑥この話は、盗人が人に語ったものを伝え聞いて書き残したとある。つまり盗人の行方はわかっているということになる。

 実はこの話のどこに物語性があるのかはわからない。あるとすれば死んだ主の髪の毛を抜いて鬘にしようとしていた媼の奇怪さだけである。

 「羅城門」をもとに「羅生門」を作り上げた芥川龍之介は、やはりすばらしい小説家である。
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「羅生門」④〔今昔物語「羅城門」との比較〕

2019-01-31 15:09:10 | 国語
 「羅生門」は誰もが知る通り今昔物語集の「羅城門」をベースに書かれている。「羅城門」と「羅生門」の違いに作者の何らかの創作意図が現れると考えるのは自然な読み方である。では「羅城門」と「羅生門」の違いは何か。われわれは「羅生門」のほうをよく知っているので、成立とは逆になるが、「羅生門」をベースにして「羅城門」がどう違うかを述べていく。

 ①「下人」は「下人」ではなく、ただ盗みをするために上京した男である。だから「盗人」という名詞で示される。

 ②時刻は「日のいまだ明かかりけ」る時刻であり、「暮れ方」ではない。男は明るかったので「羅城門」の下に隠れていたのである。

 ③男は何も悩んではいない。年齢もわからない。

 ④男は単に人が多かったので隠れる意味で上層に上った。雨風をしのぐためではない。

 ⑤媼が抜いていたのは、死んでしまった自分の主の髪の毛である。この髪の毛をぬいて鬘にしようとしていた。この鬘をどうしようとしていたのかは書いていないが、自分が使うと考えるのが自然である。だとすれば形見にしようとしていたとも考えられる。

 ⑥この話は、盗人が人に語ったものを伝え聞いて書き残したとある。つまり盗人の行方はわかっているということになる。

 実はこの話のどこに物語性があるのかはわからない。あるとすれば死んだ主の髪の毛を抜いて鬘にしようとしていた媼の奇怪さだけである。

 「羅城門」をもとに「羅生門」を作り上げた芥川龍之介は、やはりすばらしい小説家である。
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失礼な質問?(嵐記者会見)

2019-01-28 16:38:10 | 社会


 嵐が活動休止するというニュースが駆け巡り、記者会見が行われ、それがワイドショーなどで取り上げられ、大変なことになっている。

 その中で一人の記者に対するバッシングが生じているようである。その記者は次のように質問した。

 「多大な功績を残されてきて、『お疲れ様でした』という声もある一方で『無責任』という指摘もあると思う。今回は大野さんが矢面に立つというか、悪者にされてしまう可能性もある。他のメンバーの方には区切りをつけたかったという気持ちは。」

 この質問は確かに少しきびしいかなという気持ちはする。舌足らずなところがあり、失礼にも聞こえる。しかし、嵐のメンバーを責めるためにしたものではない。マスメディアとしては聞いておくべき質問であるのは確かである。これをバッシングするのはおかしい。

 この記者の質問に対して、嵐のメンバーはとてもいい回答をした。歴史に残るようなすばらしい回答であった。それを引き出したいい質問だったとも言えるはずなのだ。

 さらにおかしいのは、ネットで騒ぎ始めたせいか、テレビのコメンテーターもみんな同調し、その記者を攻め立てていることである。この同調圧力こそがこの国の一番悪いところだ。気に入らなければ「いじめ」のように同調圧力をかける。そして勝ち組につく。

 日本はいまや日本中が村社会になり、気に入らない人間を村八分にする。そういう国から「いじめ」がなくなるはずがない。
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なんでもかんでもワイドショーにするな(小室圭氏問題)

2019-01-26 12:28:56 | 社会
 小室圭氏の問題がマスコミに大きく取り上げられている。いきすぎである。

 この問題はあくまでも個人的レベルの問題であり、マスコミがここまで大きく取り上げるべき問題ではない。確かに皇室の出来事は国民的な関心事であることはわかるが、しかし今回の問題はそれ以前のいざこざの問題である。もし大きく騒がれることがなければ、当事者同士に話し合いを促し、それなりの解決ができたかもしれない。しかしこれだけマスコミが騒ぎ出せば、解決の方向が見えてこなくなる。たとえ解決しても、その後の二人は重荷を背負って生きていかなければならない。

 もちろん今回の騒動は小室圭氏がマスコミにFAXを送ったことから起こったことなので、マスコミが騒ぐ権利があるという理屈も道理ではある。しかしそこまで追い込んでしまったのもマスコミである。マスコミが無理矢理国家的大事件にしてしまい、それを報道することによって視聴率を稼ぐ、こんな社会でいいはずがない。

 大人としての対応ができなければ、韓国の日本に対する対応と変わらない。あってはならないことなのだ。
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1年前シリーズ「なぜ東京だけ」

2019-01-23 18:19:45 | どう思いますか
 1年前のブログを振り返る。今年は山形市は雪が少ない。しかし去年は雪が多かった。そんな中で書いた文章である。

 今日は私の住んでいる山形市でも雪がかなり積もっていた。そして道はツルツルだった。通勤時間もいつもの倍かかる。車の運転も緊張が続き、朝だけでとても疲れる。雪国以外の人は雪国は雪の生活に慣れていて、雪をそれほど苦にしないように思っているように感じられるが、そんなことはない。毎日毎日嫌なのだ。そして明日からは最強寒波がやってくるという。今から暗い気分だ。

 今日の朝のニュースは東京の雪の話題ばかりだ。確かに東京はあまり雪が降らないので雪になると混乱するのはわかる。しかし何年かに一度は起こることである。自然災害というほどのものではない。単なる自然現象である。それなのになぜこんなに大騒ぎをするのか。おそらく理屈ではおかしいと誰もがわかっている。しかしやっぱり大騒ぎをする。自分勝手であることがわかりながら自分勝手をやってしまう。強者のおごりである。

 日本という国はこういう構造になっているのだ。だから沖縄に負担をかけても平気でいるし、原発は地方に押しつけ、恩恵は都会人が得る。

 民主主義は多数決が原則だ。その多数を都会が得てしまった。人間勝ち組についたほうが楽に生きられる。都会の繁栄はこれからも続く。田舎にしがみつく人は馬鹿だと言わんばかりの国の構造がゆるぎないものになっていく。

 たかが雪ではあるが、そんな嫌な気持ちになるような朝のニュースだった。


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