とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

スキーマ2

2025-01-23 17:14:11 | 教育
スキーマについて前回書きました。スキーマと言うのは学習上重要な概念であり、スキーマを作り上げるのが教育の目的ではあります。しかし、スキーマはステレオタイプに陥りやすいという欠点もあります。一度出来上がったスキーマはかなり強固なものであり、万一変なスキーマが出来上がってしまったら、取り返しのつかないことになってしまいます。具体的には差別などです。

これは教育ばかりの責任ではありません。社会全体での思いこみも間違ったスキーマを作り上げることになります。世界の対立はそういう所から生まれているわけなのでこれも注意しなければいけません。

また、間違ったスキーマは逆に教育効果を大幅に下げてしまう危険性があります。だから教育者は有益なスキーマを作る必要があります。

スキーマについての、別次元の大きな問題として、スキーマを身に付ける方法は簡単ではないと言うことです。小さい子供ならば遊びの中で身に付けて行きます。しかしある程度の年齢になると遊びだけではうまくいきません。そもそも遊んでいる時間もそんなにとれないのです。訓練が必要になります。とは言え、それが強制的なもので、本人がやる気がないのにやらされている場合はうまくいきません。宿題をたくさん与えてもなかなか見に付くものではないのです。かと言って、自主性にまかせてばかりいてはまったく無意味です。かつて「ゆとりの時間」の失敗はそこにあるのです。

教育は試行錯誤の最中です。一番危険なのは試行錯誤のくせにこれをやれば効果が上がると偉そうに言う研究者です。東大の教育系研究者なんて、はじめっからできた人間だから、スキーマを作る苦労なんかわかりっこないのです。
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スキーマ

2025-01-20 17:30:42 | 教育
心理学に「スキーマ」という言葉があります。言語学を学んでいるときによく耳にする用語です。学習理論としてもよく耳にします。スキーマって何なのでしょう。

スキーマ(schema)というのは、自分の頭にある知識・知識の枠組みのことです。

例えば「学校」というと何を思い浮かべるでしょうか。ある建物の中に、教師と生徒があつまって、勉強しているイメージがあるのではないでしょうか。生徒たちは遊んだり、競争したり、しながら朝から夕方まで過ごしています。そんな漠然とした頭の中にある概念がスキーマです。

頭の中にはこのようなスキーマがたくさんあると言われています。「中国人」「日本人」「アメリカ人」などに対して持つステレオタイプもスキーマの一種です。

勉強している時、スキーマがあればわりと吸収が早く、効率的に知識が身に付きます。逆にスキーマがないと、知識が上滑りでまったく身に付きません。

学校の学習で、ただ知識を丸暗記したのでは、スキーマがないところに詰め込むのでほぼ無意味です。枠組みがない状態でただ年号だけ覚えるような歴史の勉強をしてもなんの意味もないのです。だから教育の本質はスキーマをどう作っていくかであり、すでに出来上がったスキーマに欠陥がある場合、それを見つけて修正していくことになります。

私も今、スキーマについて学んでいます。うまく説明できるようにこの場で考えていきたいと思います。
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東京都の教員志望者への奨学金の返還支援は本当にいいことなのか?

2025-01-14 17:04:05 | 教育
 東京都は、今年4月以降に教員や都や市区町村の技術系の職員として採用された人に対し、奨学金の返還を最大150万円支援する方針だという。おそらく多くの人は肯定的に捉えるだろう。しかしこの安直な方針は本当にいいことなのか。

 1点目。まず考えてほしいのは東京だからできる政策だということだ。東京だけ人が減らない。東京だけ景気がいい。地方はどんどん人が減る。どんどん人が減るから税の収入も減る。そんな中で教員の志望者も減っているのだから、東京のようにできるわけではない。本来ならば国がやるべきことを東京がやっているのだと、都知事は胸を張るのかもしれないが、そんなスタンドプレーはおかしなことなのではないか。もしこんなのが許されるならば、地方の人口減が加速しかねないではないか。

 2点目。なぜ教員と技術者だけなのか。人手不足はあらゆる業種で喫緊の課題である。教員だけではあるまい。特に日本の未来を考えた時、科学技術を担う人材を多く必要としている。だから理系の生徒に対する学費の援助の方を優先すべきであろう。

 3点目。そもそもの問題は日本の教育予算が少なすぎるということだ。人気取りのために高校無償化を優先してしまったが、それと同時に大学の学費の負担を援助するような政策も考えなければいけないはずだ。どれだけの学費援助の予算がさけるのか、そしてその額をどう振り分けるか、そういう全体を見た政策をしないで、思い付きで票になりそうな政策を行っていく。それでは未来が見えて来ない。

 さまざまな要素が絡み合っている問題を単純化し、人気につなげる。そんな権力が小池氏にあるのは、東京がそもそも金持ちだからなのであり、地方は消えて行くしかないという気持ちになる。

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部活動の地域移行を逃げずに遂行してほしい

2024-12-13 14:24:45 | 教育
熊本市が部活動を、地域に移行をせずに学校での部活を継続する方針を公表したという。この流れは全国的なものへと広がっていく危険性が高い。結局は進展しないまま終わってしまうのではないかと心配である。

部活動は教員にとって害悪でしかない。地域に部活動に移行する力がないとか、過疎地域の学校ではやりたい活動が何もできないとかいろいろと理由はあるだろう。しかし、部活動が結局は教員の成り手を減らしているのであり、現在の教育改革の第一歩は部活動を学校から切り離すことであるのはあきらかなのだ。

確かに部活動をやりたくて教員になる人もいる。しかし、そういう教員は結局は教科指導や、校務分掌に手を抜いてしまう。手を抜かずにがんばっている人もいると反論する人もいるかもしれない。しかしあくまでもそれは少数であるし、そういう働き方をしている人が発言力を増してきたのが、学校をおかしくしてきたのだ。ごまかされてはいけないのだ。

生徒のためと言う人もいるが、逆に生徒にはきちんとした技術のある指導者が必要だ。それは学校の教員であるはずがない。

もし部活動をしたいのならば、地域のスポーツ指導員になるべきである。そういう人にもそれなりの報酬を与えるようにすればいい。ただし、それは朝から晩まで部活動仕事をしなければならない教員よりも報酬が少なくなるのは当然である。もちろんその指導員の指導技術が高いのならば、それに見合った報酬をもらうことも当然であるし、日中はスポーツクラブの指導員をすることで、教員より多くの収入を得る方法だってあろう。

中学校も高校も学校の規模が小さくなり、部活動離れも始まり、生徒たちが自分のやりたいスポーツや文化活動をやるためには、地域活動に移行するほうがいいのである。その方向で地域や国が指針を示し、推進できるような予算措置をすることが必要なのだ。安易な方向に流されてはいけない。
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くたばれ、文部科学省!

2024-11-15 18:37:16 | 教育
教員採用試験で定員割れのニュースが流れ始め、やっと文科省も財務省も動き始めたようである。しかし文科省も財務省もお互いを批判するだけで、自分たちの落ち度を認めようとしない。

ネットで産経新聞の記事が紹介されている。一部引用させれもらう。

令和7年度の予算編成に向けて財務省が示した公立学校教員の給与増をめぐる制度の見直し案について、全日本中学校長会など教育関係23団体は15日、文部科学省を訪れ、見直しに反対する緊急声明を阿部俊子文科相に提出した。阿部氏は「働き方改革や処遇改善などを一体的に進めていくために引き続き財政当局と丁寧に議論していく」と述べた。

文科省は教師の見方だというような態度であるが、実は文科省が今の教育の混乱を作り出した張本人なのだから、偉そうに言ってはいけない。文部科学省は教育改革の名のもとに、さまざなな課題を教員に次々課してきた。

文科省のやり方はきたない。働き方改革だ、部活動の地域移行だ、さあ、みんな楽になったのだからもっと働け!と次々に課題を押し付けてきたのだ。そもそも働き方改革は全く進んでいないのに、掛け声だけ掛けたんだから後は現場がやればいいという発想なのだからどうしようもない。

おそらく文科省の役人は出世したいというエゴで次々にトップダウンで新たな改革案を現場に押し付けてきたからこうなったのである。この改革をしなさい。やり方は現場にまかせる。そんなやり方でも評価されるのだ。

だから現場はめちゃくちゃである。

とにかく力のある、常識の通じる政治家が文部科学大臣になってほしい。阿部大臣がそれができるのか、厳しい目で見守りたい。また、具体的な問題点をここで紹介していけたらと思う。
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