とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

真の教育改革の視点2「部活動の地域移行①」

2023-05-30 12:10:12 | 教育
現代の教育問題の根源は部活動である。教師にとって部活動の負担が大きすぎるのだ。

本来部活動は現状のような大変負担の大きなものではなかったはずだ。放課後の勤務時間の中で生徒が自主的に参加して楽しむ程度のものだったはずである。しかし部活動というシステムは大きくなっていった。大会があれば指導している教師にとっても勝ちたいし、勝たせたいという気持ちが生まれる。もちろん生徒側にとっても勝ちたいという気持ちが生まれる。その結果練習はエスカレートしてくる。このサイクルが際限のないところまで行きついてしまったのだ。

部活動は学校にとってのなくてはならないものとなり、部活動を熱心にやらない生徒はダメな生徒として扱われ、部活動に熱心に指導しない教師はダメ教師と見なされるようになった。「部活動を一生懸命やった生徒は進路でも成功する。」などという言説も当たり前のように言われるようになり、部活動こそが学校という雰囲気まで生まれてしまった。

最近になってその傾向は薄れているが、部活動がいまでに学校の中の重要な要素であることは間違いない。何よりも部活動の指導をしたくて教師になる人間がいまだにたくさんいるのだ。体育教師の大半がそうである。体育教師でなくとも「部活動教師」は多くいる。そういう教師は部活動が生きがいになっているので、部活動を制限されることに異様に抵抗することになる。それが土日に平気で部活動をする雰囲気を現在まで残してしまっているのだ。

土日や放課後の遅い時間まで部活動に時間を取られることを嫌がっている教師は多い。しかし「部活動圧力」は低下しつつあるとは言え、未だに学校に根強く存在している。それは学校を分断する要素にもなっている。部活動なんかしたくない人間にとって「部活動圧力」のある学校はブラックな職場であり、働きたくない場所になる。休日出勤が当たり前の職場にいたいはずがない。そのために教師のなり手は減る一方だ。教員志望者が減れば、部活動の指導をしたくて教師になる人間がさらに教師になりやすくなる。

近年学校に「探究ブーム」が起こっている。しかしこの「探究ブーム」は新たな部活動を生んでいるだけのような気がする。教師も生徒もコンテストに勝ちたいだけなのだ。この構造を変えていかなければいけないのである。

さて、そこで部活動の地域移行に話題を転じたいが、それは次回以降に。
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岸田首相への期待と不安

2023-05-28 13:10:52 | 政治
岸田総理は首相就任以来様々なことが重なり支持率が下がり続けた。しかし粛々と仕事を続けてきたことによって、支持率が少し上がり始めた。私は、岸田首相は安倍元首相や菅元首相のような不遜な態度があまりないので期待している。少なくとも表面上は謙虚に真面目に政治に取り組んでいるように見えるのだ。その意味で好感が持てる。しかし今回のサミットを見て、やはり不安な部分も大きく感じた。

今回のサミットはゼレンスキー大統領効果で大成功したように見える。世界に対して西側諸国の結束と、ウクライナの連携を大きくアピールした。同時にインドとの関係を示すこともでき、ロシアに対して強烈なアピールになった。おそらく岸田総理をはじめとする日本政府の努力も大きかったのだろうと推測される。

しかし、一方では広島で行われたサミットであるのにも関わらず核拡散防止の観点では一歩も進まなかった。進まなかったどころか後退したという意見もあり、その意見ももっともである。岸田首相には広島県選出の政治家としてはもっとがんばってほしかった。

もちろん政権基盤がまだ軟弱な状態であり、党内やアメリカとの関係などから踏み込めなかったという事情があるのだろうとは推測できるが、いつまでもそういう態度なら、政治家としての力量が乏しいのではないかという気もしてくる。

そもそも岸田首相は広島出身ではない、生まれた時から東京人である。親が広島出身であったから広島の政治家だと言ってはいるが、実は東京の政治家なのだ。実は核被害者のことなど自分のこととして考えていないのではないだろうか。地方の事情は地方に住んでいる人間しかわからない。結局は東京の論理でしか政治ができないのだ。

今や地方出身の政治家なんてどんどん少なってしまった。そして地方は地方でさらに地方化してしまい、都会と地方の感覚は二極化している。都市と地方の格差も進んでいる。岸田氏が広島県民の感覚をもっているのか疑問に思う。もしかしたら核攻撃を受けた広島県出身というイメージを利用しているだけなのではないかという疑念もわいてくるのである。

もし岸田氏が核兵器をなくしていこうという政治家としての信念をもっているのならば、これ以上ダラダラしていてはだめだ。総理大臣は目的ではない。政治信条の実現こそが目的なのだ。

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真の教育改革の視点1「観点別評価」

2023-05-25 05:41:37 | 教育
観点別評価が高校でも導入されました。観点別評価というのは従来のペーパーテストだけの評価から脱却し、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの観点から評価するというものです。

理念としてはすばらしいのは言うまでもありません。生徒一人一人を様々な観点から評価することは理想的です。しかし現状では大きな問題があります。評価すべき生徒の数が多すぎて、きちんと評価がしきれないのです。特に「思考力、判断力、表現力等」の評価はむずかしい。きちんと評価がしきれないのに、観点別評価をしなければならないので労力だけが増えてしまいます。理念倒れの状態なのです。

もし高校のクラスが少人数だったら可能かもしれません。ひとりひとりとの対話を通じて評価することができます。しかし1クラス40人を、週2~3時間受け持って、一人一人の「思考力、判断力、表現力等」を評価するなど本当にできるのでしょうか。

「思考力、判断力、表現力等」の評価は簡単ではありません。例えば表現力を評価するために作文を書かせます。その作文をきちんと評価するのは想像以上に時間がかかります。しかも自分の評価に自信がもてません。これは想像すればわかることでしょう。

さらにひどい例を1つ上げます。表現力を図るために小論文の宿題を出します。すると毎回何人かはネットのコピペで提出してくるのです。それを教師はどうやって調べればいいというのでしょうか。おそらくこれからはチャットGPTで書いてくる生徒が何人もでてきます。これを評価できるのでしょうか。評価のための労力は増える一方であるのにも関わらず、その評価には自信が持てないのです。これでは教師の心身の疲労が増加する一方です。

このような状況を改善するために文部科学省はICTの活用によって業務の効率化をすると言うのです。そして新たなICT技術を身につけなさいと言ってきます。また新しいことをさせるのかとうんざりしてしまいます。

教育の状況は大きく変わり、それに対応するために毎年新たな取り組みをしなければならない。その労力は非常に大きく、教師に大きな負担を与えます。その大きな負担を解消させるための新たな方法を身に着けるためにさらに大きな負担を与えている。このサイクルが今の教育現場の実態です。

改善するためには、教職員の倍増が必要です。教員だけが増えるのではなく、事務職員も増えなければなりません。例えばコンピューター専門の職員も必要です。進路関係専門の職員も必要です。従来の教員がなんでもやる学校から脱却して、しかも教員数も増やしていく必要があります。

真の教育改革のためには、具体的な事実をしっかりと認識する必要があります。理念と経済と効率で教育を語ることのないようにお願いします。
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本当の教育現場の改革を

2023-05-22 14:11:41 | 教育
 教員の待遇についての議論がようやく最近大きく取り上げられるようになってきた。しかし本質を見失う議論をおこなってはいけない。一番の問題は教員の負担が大きすぎるということであり、その議論を抜きにして給料のことが一番先に出てくることに大きな疑念を感じざるを得ない。

 永岡桂子文部科学相は22日の中央教育審議会(文科相の諮問機関)総会で、質の高い教員人材を確保するため、処遇改善などを検討するよう諮問したというネットニュースを見た。公立学校教員に残業代が支払われない代わりに月給の4%を支給する現行制度について、支給水準を引き上げる方向で議論が進む見通しだと言う。それはそれでいいとは思う。そかしそれによって解決する問題ではない。問題は教員が心身ともに疲弊しているということなのだ。逆にだから勤務がきつくなってもいいと言いはじめるのではないかと危惧する面もある。問題の本質を見誤らせる結果になるのではないだろうか。

 改革が始まるのならば、現場の生の声をたくさん聞いてほしい。教員も声を上げてほしい。ついでに言えばこの場面では組合は前面に出ないでほしい。教職員組合が理不尽な要求を言いすぎていたことにも大きな問題があったのも事実だから。とは言え、単なる組合嫌いの愚かな人たちも黙っていてほしい。なんでもかんでも教員のせいにしていた奴らの責任も大きいのだ。

 忘れていけないのは、教育界はまじめな教員が必死にがんばっているという事実であり、教育がしっかりしなければこの国は崩壊してしまうという現実である。

 今後、私も知っている範囲で具体的な事例を挙げていきたい。
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映画『TAR』を見ました

2023-05-21 05:03:17 | 映画
今年のアカデミー賞の有力候補のひとつだった映画『TAR』を見ました。緊張感のある見事な映画でした。2時間半を超える映画でしたが長さをまったく感じずにみることができました。

事前にいくつかのコメントを見て、難解な映画なんだと覚悟してからの鑑賞だったからか、それほど難解さを感じずに見ることができました。ストーリー自体は逆にわかりやすい。しかし具体的な過去のハラスメントの情報はほのめかされるだけで、描写されてはいません。だから観客は後追いでストーリーを確かめることになります。

ちりばめられたさまざな記号が謎を生み出します。ひとつひとつの意味を考え始めると迷宮にはまります。迷宮は恐怖を呼び起こし、狂気を生みます。観客は主人公と同じように追い込まれていくのです。

主人公の時間軸の中で主人公の視点で描かれるので、主人公の意識を追体験するように仕掛けられているのです。

ラストシーンは印象的です。

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