8月9日の長崎市の平和記念式典における長崎市長のスピーチは、非常に勇気のある大切なメッセージだった。
鈴木市長は平和宣言で核保有国などに向けて「核兵器廃絶に向け大きくかじを切るべきだ」と訴えた。そして核保有国と核の傘の下にいる国の指導者に向けて「核兵器が存在するが故に人類への脅威が一段と高まっている現実を直視し、核兵器廃絶に向け大きくかじを切るべきだ。どんなに険しくても軍拡や威嚇を選ぶのではなく、対話と外交努力により平和的な解決への道を探ることを求める」と訴えた。その通りだと思う。いくら理屈を捻じ曲げても、罪のない一般市民まで命を落とすようなことがあってはならないはずである。
ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルのガザ地区への攻撃など、世界情勢が混とんとしている中、平和を叫ぶ声さえも権力によってつぶされつつある。論理は捻じ曲げられ、平和を叫ぶことだけでも左翼扱いされ、攻撃される。この言論統制とも呼んでいいような状況の中で、毅然とした態度で、平和を訴える長崎市長のスピーチは感動的でさえあった。
平和を訴える行動は絶対に守らなければならない。こんな当たり前のことが大きなニュースになってしまう現在の状況は憂うべきことである。堂々と平和を主張することができる世の中にならなければならない。