世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

漢王朝のやきもの展・古代鏡展示館(5)

2022-09-18 07:57:25 | 博物館・兵庫県

<続き>

今回は、【古代中国金工の歴史】とのテーマの展示品を紹介する。時代は商から前漢時代までのモノである。

【古代中国金工の歴史】

乳釘文爵 商 高13.8cm

素文斝(か) 商 高20.1cm

獣面文觚(こく) 商 高19.8cm

弦文鼎(かなえ) 商 高17.7cm

鋸歯文鏡 商 径16.3cm

羽状地文扁壺 戦国 高24.7cm

四葉文鏡 戦国 径10.1cm

羽状地文鏡 戦国 径11.4cm

緑松石象嵌透彫鏡 戦国 径19.4cm

儀礼狩猟文壺 戦国 高32.2cm

金緑松石象嵌剣 秦 長53.2cm

鈁(ほう) 前漢 高36.5cm

以上で三国時代以前の展示品の紹介を終え、次回からは隋・唐時代の展示品を紹介する。

<続く>


漢王朝のやきもの展・古代鏡展示館(4)

2022-09-16 08:32:23 | 博物館・兵庫県

<続き>

今回は、前回の続編で【銅鏡の変遷②】として、前漢から三国時代の銅鏡を紹介する。先ず、遅きに失した感もあるが、銅鏡の部分名称を下に示しておく。

方格規矩四神鏡 前漢 径25.7cm

方格規矩四神鏡 新(王莽) 径20.4cm

建安元年銘重列式神獣鏡 後漢 径12.4cm

浮彫式獣帯鏡 後漢 径18.7cm

画像鏡 後漢 径14.1cm

画像鏡 後漢 径22.5cm

画像鏡 後漢 径11.5cm

環状乳神獣鏡 後漢 径14.4cm

鍍金同向式神獣鏡 後漢 径14.5cm

四龍文鏡 後漢 径14.4cm

盤龍鏡 後漢 径16.9cm

 獣首鏡 後漢 径15.0cm

八鳳鏡 三国時代 径20.8cm

流石に古代鏡展示館との名称通り、豊富な銅鏡がそろえられている。このあとも隋ー唐時代の銅鏡を紹介するが、日本出土の銅鏡が展示されていなかったのが残念である。

<続く>


漢王朝のやきもの展・古代鏡展示館(3)

2022-09-15 08:46:07 | 博物館・兵庫県

<続き>

今回は【銅鏡の変遷①】とのテーマで展示されていた、”商”から”前漢”の銅鏡を紹介する。

【銅鏡の変遷①】

商(紀元前13世紀)では、既に青銅の鋳造技術を持ち、銅鏡が作られていた。写真は星形文鏡となっているが、これは太陽の光芒を表わしたものと考えている。ベトナムを中心としたインドシナより、所謂ドンソン銅鼓が出土するが、その銅鼓の太陽・光芒文様の源流であろうと勝手に想像している。

蟠螭文(ばんちもん)透彫鏡 春秋戦国 径15.0cm

孔雀石象嵌透彫鏡 戦国 径10.7cm

四獣四山字文鏡 戦国 径17.5cm

花菱文鏡 戦国 径13.4cm

禽獣文鏡 秦 径22.7cm

五獣文鏡 秦ー前漢 径14.2cm

雲雷地文鏡 前漢 径16.6cm

草葉文鏡 前漢 径21.8cm

草葉文鏡 前漢 径11.6cm

星雲文鏡 前漢 径15.8cm

異体字銘帯鏡(清白鏡) 前漢 径15.5cm

金銀ガラス象嵌雲気文鏡 前漢 径13.2cm

細線式獣帯鏡 前漢 径15.3cm

今回掲げた銅鏡は、径20cm未満のものが多い。内行花文鏡は、後漢の時代に流行したが、これも20cmを越える鏡ではない。日本では大型の内行花文鏡をみるが、これは倣製鏡とされており、そのような大型鏡は中国ではみないようだ。

<続く>

 


漢王朝のやきもの展・古代鏡展示館(2)

2022-09-10 07:13:49 | 博物館・兵庫県

<続き>

今回は、展示されている古代鏡を中心に紹介する。尚、紹介順は出品目録に従っている。

【銅鏡・ベスト・ナイン】

ベスト・ナインとして9面の銅鏡が展示されている。それぞれの時代を代表する銅鏡かと思われる。

紀元前17~16世紀、日本で云えば縄文時代の銅鏡である。考えられないほどの先進地であった。

鍍金対置式神獣鏡は、銅鏡背面に金が鍍金されており、これを宝飾鏡とも呼んでいる。個人的にはこのような宝飾鏡が、魏皇帝から卑弥呼に下賜された『銅鏡百枚』の一部であったろうと考えている。

<続く>


漢王朝のやきもの展・古代鏡展示館(1)

2022-09-09 08:01:23 | 博物館・兵庫県

今回から兵庫県立考古博物館加西分館(別称・古代鏡展示館)で観覧した、『漢王朝のやきもの』展で見た品々を紹介する。尚、写真撮影は許可されている。以下、掲載順は当日入手した出品目録の順に従った。

場所は兵庫県加西市のフラワーパーク内で、環境は抜群の佳さである。駐車場からフラワーパーク内を暫く進むと、古代鏡展示館の建物に至る。

それでは、出品目録の順に展示品を紹介する。

【鏡と装いの道具】ガイダンス展示

銅鏡は新(王莽)時代の内行花文鏡(径27.2cm)で、横の鏡台は新時代以降とのこと。その他の装いの道具類は、すべて前漢時代のものである。

【漢王朝のやきもの】春季企画展

加彩灰陶:灰陶は、灰色の色調で、焼成の最終段階で空気を送らず、還元焔で焼成すうることにより灰色となる。紀元前3000年頃の新石器時代には作られていたという。

加彩灰陶は、焼成された灰陶に赤や黒・白などの絵の具で彩色したもの。墓への明器で、春秋戦国時代(前770~前221年)頃から青銅器や漆器を模倣して作られ、漢時代も引き続き作られた。写真の鈁(ほう)は、赤・白・緑・青の四色で龍文などを描いている。龍文はやがて弥生時代の日本列島に伝わり、龍文線刻土器が出現する。

漢代の施釉陶器と云えば、褐釉と緑釉陶器があまりにも著名である。展示品の数は少なかったが、優品を見ることができた。

<続く>